[画像] 交通事故激増中なのに…!中国人が「日本の運転免許」を取得する「ありえないほど簡単な方法」

そもそも免許の確認がない場合も

最近、外国人観光客によるレンタカーでの交通事故が急増している。観光に人気の富士五湖地域では、今年7月末時点で事故件数は440件にのぼり、昨年1年の458件に迫っている。8月31日には富士河口湖町の国道の交差点で男女2人が信号無視の車にはねられ、女性が死亡、男性が意識不明の重体となる事故もあった。事故を起こしたのは中国籍の女が運転するレンタカーだった。

コロナ禍が明けて以降、外国人観光客は増えているが、日本での移動手段として人気なのがレンタカーだ。単なる移動手段としてだけなく、車に乗ることそのものを目的に借りる外国人も少なくない。

日本のアニメやゲームの影響もあって、日産スカイラインGTーRやホンダS2000、シビック、トヨタスープラ、マツダRXー7といった日本製スポーツカーが人気だ。

「日本でスカイラインGTーRに乗ってみたかったんだ! 夢がかなったよ」

筆者が取材した外国人観光客のなかにはそう語る人もいた。

一般的に、日本を訪れる外国人は「国際運転免許証」で運転が可能だ。ただし、ジュネーヴ様式で発行された国際免許に限られる。たとえばロシアは、国際免許の形式がジュネーブ様式ではないため無効だ。

レンタカー会社の中にはこのあたりの詳細を理解せず、日本では無効の国際免許で貸し出しているところもある。そもそも、外国人観光客が大手レンタカー会社で車を借りる場合、ほとんどが旅行会社経由で予約をするため、予約時に免許証の確認をされない。また、接客するレンタカー店のスタッフの知識がない場合もある。

レンタカー会社側が貸し出しを拒否すると予約はキャンセルとなり、店側は外国人客にキャンセル料を請求することになるが……これも素直に支払う外国人は少ない。

筆記試験も簡単

最近は中国籍のドライバーによる交通事故も多いが、中国の国際免許の形式はジュネーヴ様式ではない。コロナ前は東南アジアで偽造された国際免許を使って運転する中国人が問題になったことがあったが、いま、中国人はどのようにして日本で車を運転しているのか。

実は多くの中国人は、意外な方法で日本の免許を取得している。「外国免許からの切り替え」(以下、外免切替)という制度である。

免許を取得した国がジュネーヴ条約締約国かどうかによっても手続き内容は異なるが、最もハードルが高い「筆記試験+技能試験」が必須の国であっても、その内容はそれほど難しいものではない。試験場によって異なるが、筆記試験は最大24言語で受けることができ、わずか10問で7問正解すれば合格だ。

外国人労働者の免許取得を促す目的もあり、昨年11月20日に警察庁から通達(警察庁丙運発第18号)が出されたあと、外免切替の手続きはさらに緩和され、取得までの時間も短縮された。

そのため今、外免切替で日本の免許証を入手しようとする外国人で、首都圏や関西圏を中心に運転免許試験場は大混雑している。なお、筆記試験は10問中7問正解で合格ゆえ非常に簡単だが、技能試験はかなり混んでいて数ヵ月待つこともある。

ホテルの住所でOK

日本の免許に書き換える上で気になるのは、免許証の住所をどうするのか、ということである。

筆者も外免切替のことは以前から知っていたが、日本で住民登録をしている外国人のみが対象だと思っていた。しかし、実際にはホテルの住所でも取得ができてしまう。知人の外国人に見せてもらった免許証に記載される住所も、確かにホテルの名前が入っていた。

ホテルで「一時帰国(滞在)証明書」を受け取れば、免許証の申請が可能となる。ついでに言えば、友人、知人、親戚宅でも問題ない。

外国人の「住所」としてよく使用されているホテルはいくつかあるが、そのうちの一つが、府中にある「ビジネス・イン・グランドール府中」だ。このホテルは今年9月26日、「一時帰国(滞在)証明書発行無償化に関するお知らせ」という告知を出している。ホテルに確認したところ、「9月中、10日間ほど証明書の発行を有料(5000円)にしていたが、現在は無償になっている」とのことであった。

免許を更新する場合も、基本的には日本人が日本の免許を更新するのと同じだ。神奈川県警の公式サイト「海外に居住(滞在)していて日本の運転免許証をお持ちの方の手続について」においても、

「海外からの一時帰国中の方で、住民登録が日本になく、神奈川県内に一時滞在する方については、神奈川県内の一時滞在先を仮の住所地とみなし、運転免許証の住所に変更して更新・再交付の手続を行います。」

と記されている。

つまり、ホテルを一時帰国(滞在)先として免許を切り替えたり更新したりすることは、違法行為でもグレー行為でもないわけだ。

中国籍ドライバーにとって大きなメリット

日本人のほとんどは自動車教習所に30万円前後のお金を支払い、少なくとも1ヵ月程度の時間をかけて免許を取得する。費用や教習課程などは、世界的にみても類がないほど高額で厳しい。教習所に通わず免許センターで直接試験を受ける「一発免許」という方法もあるが、失効などではない新規の一発合格率は2〜3%以下と非常に低い。

そうして苦労して取得した免許を、日本よりはるかに簡単で安価に免許を取得した外国人が、外免切替であっさり取得できるのはいかがなものか。

さらに言えば、日本の免許を取得すれば、世界約100ヵ国で運転が可能なジュネーブ様式の国際免許も特別な試験なしで取得できる。ジュネーブ条約もウィーン条約も加入していない中国の免許証は有効な国が限定されているため、日本で国際免許を取得することは中国籍のドライバーにとって大きなメリットとなる。

近年は外国人労働者を確保する目的もあってか、外国人の免許取得に関しても諸々の規制緩和が進んでいる。運送業界での人手不足解消に貢献してくれる可能性は大きいだろう。しかし、外国人による重大事故も増加傾向にあり、さらに自動車窃盗など外国人(とくにベトナム人)による車を使った犯罪も増えている。せめて、交通事故や交通違反に関しては、日本人と同等の厳しい取り締まりや刑事罰を願いたい。

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