[画像] 創価学会票減少で“全敗”の声もある「公明党」に好機? 元「維新」引退議員がSNSで大暴れ

 3年ぶりとなる衆院選の号砲が鳴った。国民の主な関心は自民党の裏金議員の去就とされるが、永田町では公明党と日本維新の会との綱引きが話題だ。

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学会員の高齢化

 政治部デスクが解説する。

「舞台は関西。大阪3、5、6、16区と兵庫2区と8区の計6選挙区で、公明党は日本維新の会とのガチンコ対決を控えています」

 公明党にとって大阪は特別な地だ。昭和31年、支持母体の創価学会は参院選に推薦候補を擁立した。池田大作名誉会長(故人)の陣頭指揮のもと、学会は大阪地方区で初の議席を獲得。以来、大阪は“公明党発祥の地”とされ、平成8年に衆院で小選挙区制が導入された後、同党は先の6選挙区で“常勝関西”と胸を張ってきた。

石井啓一・公明党代表

「公明党は維新の看板政策だった『大阪都構想』に理解を示すなど、府議会を中心に協力関係を築いてきました。維新は6選挙区で候補擁立を見送ってきたのですが、昨春の統一地方選で大躍進を遂げたことで、公明党の協力を不要と判断。今回は6選挙区のすべてに候補者を立てたのです」

 創価学会では高齢化が進み、組織票を底上げする動員力の低下も指摘される。

「維新」に不協和音

 事情を知る関係者が言う。

「維新は関西を中心に、国政選挙の手足となる地方議員を着々と当選させてきた。公明党の支持層にも食い込んでおり、地元では“公明党は全敗”との声もある。一方で、当の維新が大失速しているのも事実です」

 主な理由は大阪・関西万博のコスト膨張、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑、補選や首長選での連敗など。さらに最近は、こんな“逆風”も吹き始めた。

 維新幹部がそっと明かす。

「先日、政界引退を表明した元維新の足立康史前衆院議員の“口撃”がとにかくすごい。SNSでウチを“政策詐欺”とか“公約詐欺”と徹底的に批判しているほか、大阪の公明党候補を“国士”と持ち上げたり“がんばってください!”とエールを送ったり。批判の矛先を馬場伸幸代表に向けることもあり、困ったものですわ」

 足立氏は4月の衆院東京15区補欠選挙の際、陣営による機関紙配布に違法性の疑いを指摘。それに音喜多駿政調会長や柳ヶ瀬裕文総務会長が激怒し、政界引退に追い込まれた。

「単なる逆恨み。負け犬の遠ぼえですよ」

 別の維新幹部はそう冷静を装いつつも、

「足立は元経産官僚だけに政策論には定評がある。変わり者ですが、地方議員や党の学生部にシンパが多いのも事実。“足立新党”はないでしょうが、彼を巡る混乱は尾を引くかもしれない」

 不安要素はほかにも。

「創業者の橋下(徹・元大阪市長)さんは、馬場代表や藤田文武幹事長ら執行部を苦々しく見ている。最近は都知事選で知名度を上げた、石丸伸二前安芸高田市長と動画で共演するなど親しい関係にある。この二人が吉村洋文府知事に呼びかけて、党を割らせる可能性も捨て切れません」

 不協和音が鳴りやまない維新の隙を突いて、公明党はこんな狡猾な動きも。

「立憲民主党は大阪6区と兵庫2区に新人を擁立していますが、水面下で後押ししたのは公明党の関係者とも。反公明票を維新と立民に分散させる狙いだとか」(大阪府政関係者)

「週刊新潮」2024年10月24日号 掲載