[画像] 深圳で男児死亡  中国在住日本人が不安を吐露  保護者の声を取材

(上海中央社)中国・深圳の日本人学校に通う男子児童が登校中に刺されて死亡したことを受け、中国在住の日本人の間で不安が広がっている。中央社記者が上海に暮らす保護者の声を聞いた。

上海の日本人学校に子供を通わせる中島さんは、今回の悲しい事件に心を痛めると同時に、自身の子供の安全を心配していると吐露する。ここ2日間は自ら学校まで送り迎えをしており、放課後の活動を一時取りやめることを決めたと明かした。保護者らはインターネット上で声を掛け合い、子供の送り迎えをする時間がない保護者への協力を自発的に申し出る人もいるという。中島さんは「みんなで助け合い、できるだけリスクを減らしている」と話した。また、外では日本語を話さないよう子供に言い聞かせている保護者もいると明かした。

日本人男性と結婚し、夫と娘と共に上海で暮らす張さんは、一人の母親として日本の男児が命を落としたニュースに大きな悲しみを覚えたと話す。張さんは、中国には確かに日本にネガティブな感情を抱いている人がいると指摘。自身も日本人と結婚する際に親戚から反対されたとしつつ、結婚後にはコミュニケーションや理解が進んだことで、当初は縁を切るとまで言って反対していた父親も、今では日本人の義理の息子について誇らしげに話すようにまでなったと自身の経験を紹介し、中国の一部の人のネガティブな感情は理解の不足から生じるものだとの見方を示した。また、事件後に上海に住む日本人の友人から、どうやって子供を守ればいいか相談されたと語った。

上海に赴任している日本メディアの記者は、一部の保護者が子供の安全のために日本への一時帰国を検討しているとの話を聞いたと語った。この事件に対して日本国内で大きな関心が寄せられていることから、事件の状況や発生の背景、中国で仕事をしたり生活をしたりしている日本人の声や不安を現地からの報道で伝えるよう、数多くの指示が飛んできていると明かした。

(呉柏緯/編集:名切千絵)