[画像] 《深セン市で襲撃された10歳男児が死亡》「私の子が何か間違ったことをしたの?」凄惨な犯行現場、亡くなった男の子は「日中ハーフ」と中華系メディアが報道

「一刻も早い説明を強く求めるよう指示をしたところであります」──中国・深セン市で登校中の10歳の男子児童が刃物で襲われて死亡した事件について、岸田文雄首相が記者団の取材に応じた。

【写真】44歳男性が襲撃した深セン市内の路上の様子

 9月18日午前、深セン日本人学校の男子児童が44歳の中国人男性に刃物で刺された事件。犯行現場となったのは、日本人学校から約200メートルほど離れた路上だった。現地ジャーナリストが語る。

「事件が起きたのは午前8時、南山区の路上でした。深セン市の警察当局によると、男児が母親と電動自転車に乗って学校に向かっているところを、44歳の男に刺されたようです。

 母親は血まみれになった手で“私の子が何か間違ったことをしたのですか?”“助けてください”などと中国語で周囲に助けを求めていたことが現地で報道されています。加害者は現場で逮捕されており、取り調べを受けているようです」

 凄惨な犯行現場だった。シンガポールのメディア『聯合早報』は目撃者から複数の証言を得ている。前出・ジャーナリストが続ける。

「目撃者から得た証言によると、現場には一台の電動自転車が倒れていたそうです。男の子は腹部から大量に出血しており、少年が大きな血だまりの中で目を見開いたまま動かなくなっているのを目撃した通行人もいたそうです。隣では母親と思われる女性が泣き叫び、数人の通行人が少年の心肺蘇生を行っていたとか。

 また、日中それぞれの政府は被害者の国籍について公式には明かしていませんが、警察当局の発表内容などから、被害者は日中ハーフだと現地でも報道されています」

 男の子は19日未明に亡くなった。深セン市がある中国・広州の日本総領事館・貴島善子総領事は「昨日18日に登校中に男性に襲われて、怪我を負い病院で治療を続けていた男子ですが、日本人学校の児童ですが19日未明にお亡くなりになりました。非常に悲しいことです。ご家族のことを思うと言葉に言い表せない」と話している。

 岸田首相は「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」とも語り、「中国側に対して事実関係の説明を強く求めていく」と強調している。

 この事件を受けて日本人学校は今週休校となった。深セン市の在留邦人は中国では5番目に多い。深センは「中国のシリコンバレー」とも呼ばれ、さまざまなスタートアップ(新興企業)が群雄割拠、日系の大手企業も複数進出している。なかにはすでに「帰国命令」を発出している現地の日系企業もあるという。

 中国政府の今後の対応に注目が集まる。