悲願のオリンピック金メダルを目指し、日本女子代表(なでしこジャパン)メンバー18人が決定した。メンバー発表会見に出席した池田太監督は「監督の仕事とはいえ、厳しいものがあった」とメンバー選考の苦しみを明かした。
直近のスペイン遠征メンバー22人から4人が正規メンバーから外れた。GK大場朱羽(ミシシッピ大)、DF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)、DF石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)、FW千葉玲海菜(フランクフルト)がバックアップメンバーとしてチームを支えることになった。バックアップメンバーは負傷などのアクシデントが起きた場合のみ、初戦の24時間前までは正規メンバーと交代登録が可能となる。
2021年東京五輪ではコロナ禍の影響で開幕直前にレギュレーションが変更となり、18人にバックアップメンバー4人も含めた22人が正規メンバーとして登録可能になる事態があった。会見に同席した佐々木則夫日本サッカー協会女子委員長は「現状、皆さんに情報が来ている中でしか確実な情報はない」と語るに留める。「22名から常にどの試合も18名を選択して出られるか出られないかという部分は決定していない」と変更の可能性がゼロではないことを語った。
なでしこジャパンは7月13日に石川県・金沢市でガーナとパリ五輪前最後の国際親善試合を行う。その翌日には日本を発ち、15日からフランスで練習を開始する。25日のグループリーグ初戦でスペインと対戦すると、その後は中2日で大会は進行。過密日程のなかでメダルを巡る戦いに挑むことになる。
池田監督は18人の選出に頭を悩ませたようだ。「いろんな角度から考えないといけないこともあった」と言及。SBやWBの本職はDF清水梨紗(ウエスト・ハム)とDF北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)のみ。「サイドの選手をどういう風に、タフな中2日のゲームを戦っていくことができるかなどの選手のローテーション、もしくはそのポジション適正も含めて考えた」。他ポジションの選手のポリバレント性を求めていた。
「高さ、速さ、日程的なタフさも。試合のなかでフィジカル的な強さを持った選手をどう入れようかなど、そういった多方面から考えたうえで何を取るか。そういったことのなかで最後は個のメンバーを選ばせてもらった」(池田監督)。18人のポテンシャルにも期待する池田監督は冷静に本大会を見据える。「12チームと戦うところでグループリーグも厳しく、ノックアウトステージも強豪と戦う。一試合一試合を戦い、その先にある金メダルを目指したい」と静かに決意を述べた。
(取材・文 石川祐介)
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