U-23日本代表の大岩剛監督は25日に千葉市内で囲み取材を行った。パリオリンピックまで残り1か月を切ったなかで、メンバー選考の現状などを明かした。
18人の五輪メンバー発表は7月3日。当日まで怪我やコンディションが整わない可能性があるため、選考は直前まで決まることはない。現地での行程は徐々に決まり、大岩監督もパリ五輪に対して「少しリアリティが出てきた」と心境を明かす。それでも選考に関しては「今までやってきた活動と変わらない。ギリギリまで選手たちを把握しておかなくてはいけない」と候補メンバーの視察は続けていくという。
指揮官は3人のオーバーエイジ(OA)枠についても改めて言及。OA候補は海外クラブ所属の場合はシーズン開幕が近いこともあり、クラブとの交渉は難航していたが、「この時期に来て、いろんなOAと話をさせてもらった。まだ少しファジーなところとはっきり方向性が決まっている選手と、だいぶ区別ができてきている」と現状をほのめかした。
OAだけでなく、U-23世代の海外組もシーズン開幕間近によるクラブ側の招集可否や移籍動向が不透明。各選手のコンディションも含め、さまざまな事情がリアルタイムで動いていく。OA枠を使用せずU-23世代のみで戦う可能性も、状況次第ではまだあるという。
「われわれもU-23の選手たちの力を信じていないわけではない。U23アジア杯も戦ったうえで強みやグループとしての成長をしっかりと感じられた。その選手を中心にという方向性もまったく可能性がないわけではないので、いい選択をしたい」
「(OA枠)3人を使う可能性もあるし、1人、2人、ゼロの可能性もある。コントロールできないところもあるので、そういうところに持っていかれないようにしなければいけない。U-23の選手たちの成長も間違いなく、力強さはある」
OAの選手を呼んだ場合、合流できるのは7月に現地入りしてから。7月24日のグループリーグ初戦・パラグアイ戦まで一週間程度でチーム作りを行わなければいけない。指揮官は「(戦術)理解があって、それを率先して迷いなくやれるプレーヤーが重要」と短期間での順応を要求。「もう準備期間がないので、U-23でやり続けている選手のほうがチーム力が高い判断になれば、そういう選択もするだろう」とU-23世代のみのチームにも自信をのぞかせた。
(取材・文 石川祐介)
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