自身のスキャンダルによって姿を消した有名人は、自業自得の側面があるからこそ、しっかり禊を済ますべきだと思う。しかし一方で同情してしまうのがものまね芸人だ。あえて名前は挙げないが、本人とセットで表舞台から退場したケースは枚挙にいとまがない。
まさに「本人の逮捕」という憂き目に見舞われた経験を持つのが、清原和博氏のものまねで知られる「リトル清原」氏だ。当時の状況や、清原氏に対する思いの丈を本人に語ってもらった。

◆2回目の共演で“公認”をもらう

――まず、初対面の時のことを教えてください。

リトル清原(以下、リトル):清原さんが毎年出演していたスポーツバラエティの特番ですね。ネタを見て大爆笑してくれました。

――清原氏唯一の“公認ものまね芸人”とのことですが、公認をもらったのはいつですか?

リトル:初対面から約1週間後、また別の番組で共演させてもらったんですが、清原さんのほうから「俺の公認です」と言ってくれて。

――ご自身から公認をもらいに行ったのではなく、清原さんの計らいだったんですね。

リトル:おこがましくて、僕からは絶対言えませんよ。

◆連絡先を知っているわけではない

――その後、関係性に変化はありましたか?

リトル:初対面から20年くらい経った今でも、緊張して挨拶くらいしかできませんね。

――それでも、結婚されるタイミングで「婚姻届の証人」を清原さんに署名してもらったんですよね。

リトル:共通の知人を通じてお願いしました。後にも先にも、僕から清原さんに連絡をしたのはこの時だけです。

――直接連絡先を知っているわけではないと聞きましたが、本当ですか?

リトル:知りませんし、知ろうともしていません。なので、証人の件は知人を通じてのお願いでしたが、かなり勇気がいりました。

◆逮捕報道で芸人引退を覚悟した

――その後、2016年に清原さんが「覚せい剤取締法違反」の容疑で逮捕されます。リトル清原さんの仕事にも影響はでましたか?

リトル:電話が数日間鳴り続けました。そのほとんどが決まっていた仕事をキャンセルする連絡で……。以降はオファーも来なくなったので、仕事は完全にゼロになりましたね。

――他のネタをやろうとは思わなかったんですか?

リトル:思いませんでした。清原さんが好きで、なおかつ顔も似ていたのでものまねをやっていただけですから。できなくなるなら芸人を引退するしかないという思いでした。

――仕事ゼロの期間はどのくらいあったんですか?

リトル:数ヶ月は続きましたね……。辛かったです。

――どうやって仕事が戻ってきたんですか?

リトル:心配してくれた芸人仲間や、それまで営業で行っていた企業の方々が呼んでくれました。

――周囲の方の優しさに触れた時期でもあったんですね。ただ、お客さんのなかには「不謹慎だ!」といった否定的な反応もありそうですが。

リトル:いや、全然。むしろ、いつも以上に盛り上がりましたよ。「今、お前が出てくるのかよ!」みたいな(笑)。それから清原さんのファンの方で、「ネット上でのバッシングを見ていて辛かったんですが、リトル清原さんを見て少し気持ちが晴れました」と言ってくれる人も少なくなかったですね。

◆YouTubeチャンネルで“謝罪”を受ける

――逮捕後、清原さんと初めて会ったのはいつですか?

リトル:一昨年ですね。執行猶予が終わって、YouTubeチャンネル(『清ちゃんスポーツ』)を始められたタイミングで出演のオファーが来ました。

――どんな内容だったんですか?

リトル:清原さんには、僕が出ることを隠しておき、サプライズで登場する回でした。でも、始まってみると実は「逆ドッキリ」で、清原さんからサインバットをプレゼントしていただいて。ちなみにバットには、「いつもいつもありがとう」という言葉も書かれていました。