[画像] 昇進!負傷!復帰ならず!いよいよ現実味を帯びてきた「ゼロ大関」時代の到来に、大相撲の新たな歴史の誕生を期待するの巻。

我々はついに「大関」のいない大相撲を見る!

ついにそのときが来たか。ストロングゼロ、糖質ゼロ、大関ゼロ。こうやって3つ並べると清酒大関がアルコール度数ゼロになって登場したみたいな雰囲気になりますが、神話の時代からつづく大相撲にあって、珍しくも久々に「ゼロ大関」という歴史の扉が開かれようとしています。

大関というのは大相撲においてかつて最高位とされていた地位です。まるで国を取るかのごとく、相撲で勝ち抜くことと勝ち抜いた強者のことを「関(関所)を取る」「関取」などと呼び、そのなかでも筆頭の強さを誇る者を大関として讃えてきた大相撲。現在は横綱が最高位とされていますが、もともと横綱は「殿堂入り」みたいな栄誉であって、地位としてはあくまでも大関こそが最高位とされていたのです。

その名残か、番付上は必ず東西に大関が置かれます。もちろんいつも大関がふたりいるわけではありませんが、令和五年の初場所でも東の正横綱である照ノ富士には「横綱大関」なる記載をして大関枠を埋めています。横綱が大関を兼ねているのです。ルールにしているわけではありませんが、横綱はいなくてもよいが必ず大関を置くこと、東西の三役に誰かひとりずつは入れておくことは決まっているのです。大相撲の不文律なのです。

↓今場所は照ノ富士が「横綱大関」となっています。

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大関は必ず置く、その不文律が今、破られようとしています。

初場所は十日目を終え、大関・貴景勝(※貴乃花の貴、景子の景、勝氏の勝)が9勝1敗と単独トップに立っています。「極めて優れた成績であるならば…」みたいな言い訳は添えられていますが、場所前から「優勝なら横綱昇進」という気配が関係筋からは放出されていました。先場所が12勝3敗で決定戦までもつれた末の準優勝ということですので、13勝以上の成績であれば横綱昇進はあるかなと思います。照ノ富士がいないなか、巴戦で阿炎に負けたものを準優勝カウントすることに個人的には猛反対ですが、まぁ過去に照らしても十分あり得るラインです。来場所、貴景勝は横綱になる可能性が高い。

としたとき、貴景勝はもう大関に戻ることはありません。横綱になればつづけるか辞めるかの二択のみ。関脇・正代の大関復帰の目は消え、現時点では足掛かりを作っている大関候補もいません(※若隆景が残り全部勝てば来場所次第で考えなくもないが勝たないと思う)。かつて同じように番付上の大関がいなくなった際には、「3場所31勝だけど優勝含みだからエエか…」くらいの甘々な感じで大関を補充したりもしましたが、そうした可能性は現時点ではないのです。普通に考えれば最低あと3場所は大関昇進の可能性は生まれませんし、もっと長く昇進ナシとなることだって十分あり得ます。実際の地位として「ゼロ大関」がしばらくつづきます。

その時間が長くつづいたとき、もしも新大関が生まれるまでの間に横綱・照ノ富士あるいは貴景勝が引退ということになれば、今場所125年ぶりと騒がれた「1横綱1大関」(※横綱・大関が2人となる事例で言えば平成五年初場所以来30年ぶり)をさらに下回って「1横綱」とか「1大関」とか「ゼロ横綱ゼロ大関」になる可能性も視界に入ってきました。特に照ノ富士の引退というのは、大いにあり得るところ。こんな状況なので「やめろやめろ」と言いにくる横綱審議輩はいないものの、3場所連続の休場、ここ2場所は全休です。復帰時期はひと場所とばして五月場所と目されており「4場所連続休場からの復帰」となれば、さすがに「進退」が問われる場所となるでしょう。七月場所で「横綱・大関が全部で1人」という状況が生まれることが、俄然現実味を帯びてきたのです。「どうにかして大関を置く」という不文律をどうやっても守れない状況がいよいよ生まれるかもしれないのです。

そのとき、番付はどうしたものか。

貴景勝を東の「横綱大関」あるいは「大関」に置いたとして、もう片方には誰も大関を置くことができなくなる。前々から冗談と嫌味で言っていた「大関脇(※だいせきわけ/関脇にしては立派だなぁor大関にしてはしょっぱいなぁの意)」が誕生してしまうのか。あるいは「照ノ富士からの引退届をまだ受理していない(※郵便受けを絶対に確認しない/書留に対して居留守/本人が来たら全力で逃げる)」という主張によって、幽霊横綱大関みたいな扱いを始めてしまうのか。開き直って「江戸時代には看板大関という仕組みがありまして…」から始まり、体格がいいだけのダミーをお飾りとして置く制度を復活させるなんてパターンもあり得るかもしれません。「今場所の看板大関はラグビー日本代表の稲垣啓太さんにお越しいただきました」的な(※ラグビーワールドカップの番宣兼ねる)。まさに歴史に場当たり的な1ページが加わる瞬間を、僕らは目撃しようとしているのです。

↓朝乃山ー!早く戻ってきてくれー!ちょっと嘘ついたくらいでいじめてゴメンよー!


今場所十両で全勝優勝して幕内復帰!

三月場所は幕内で優勝して上位復帰!

五月場所は優勝して関脇に復帰!

七月場所は優勝して大関昇進を決めて!

九月場所で晴れてゼロ大関を解消!

は、キツいか!さすがに!

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この歴史的状況に角界ははたしてどんな答えを出すのか。素直にやるなら番付表の西の先頭にドーンと控えめな文字で「関脇」と書いてくるのでしょうが、その対応をやり渋って照ノ富士の復帰を7場所連続全休くらいまで羽交い絞めで止めるという線もあるかもしれません。「誰でもいいから大関になってくれー!」という確変フィーバータイムを誰がモノにするのかという点を含めて、2023年の大相撲が俄然楽しみになってくる状況ではありませんか。

まぁ、毎場所誰かは必ず優勝するんですし、どっちかは勝つジャンケン大会みたいな仕組みでやっているのですから、いつまでも大関が出ないなんてはずはないのですが、低空での猛烈な譲り合いの末に「今場所はついに6関脇となりました」みたいな始まりからの「優勝決定巴戦、誰が勝っても大関昇進は間違いありません」「いやー、全員上がるかもしれませんよ」「残機が1だと心もとないですからねぇ」なんてガバガバ設定での3大関同時推挙とかにも期待したいところ。とにかく歴史が見たい、その気持ちでいっぱいです。

こうして「ゼロ大関」について検討を重ねていくと、つくづく豊昇龍の怪我が痛かったなと思います。あらゆるパターンのなかでもっとも穏便で、強引に突っ張れそうなのが今場所・来場所の成績を踏まえて「3場所30勝で豊昇龍を上げてしまえ」というパターンでしたからね。もうこうなってくると時代が「ゼロ大関」を求めているとしか思えません。すべてが「ゼロ大関」に向かっている令和五年。「清酒大関ゼロ」の登場も待ったなしです!

↓こちらの「大関」の出しどころも一層悩ましくなりそうですね!

毎日「横綱大関」に出すべきか?

「大関への期待を込めて」出すべきか?

そういうのやめて好きなところに出すべきか?

ゼロ大関時代の大相撲を見るのが今から楽しみです!

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「好角家が次の大関を見るのは実に4年後のことであった」展開にも期待!