[キリンチャレンジカップ2021]日本 1-0 セルビア/6月11日/ノエビアスタジアム神戸
【日本代表・総評】
6
久々の欧州勢との対決で経験は得られたか。ただ、前日にセルビアのストイコビッチ監督が「ベストメンバーでこられたわけではない」と語っていたように、高い質を感じることはできなかったはず。それでも守備は安定し、用意していたであろうニアに合わせるCKでゴール。したたかな戦い方を見せ、しっかり勝利を掴んだのはポジティブな要素。谷口ら好アピールをした選手がいたのも明るい材料だ。
一方でスタートでは古橋をCFに起用するも“大迫不在”の穴を埋められたとは言えず。後半から登場したオナイウは奮闘したが、今後も大きな宿題は残りそうだ。
【個人採点・寸評】
GK
12 権田修一 6
大きなピンチはなし。それでもピッチ全体に響き渡るコーチングでチームメイトを鼓舞し続けた。
DF
5 長友佑都 6(82分 OUT)
キャプテンマークを巻いてプレー。危険な位置に入っていったのは後半序盤の一回ほどだったが、5バック気味で守る相手に対してはやむなしか。ディフェンスでは穴を開けず、しっかり守った。
MAN OF THE MATCH
6 谷口彰悟 7
声を張り上げながら最終ラインをコントロール。この一戦に懸ける想いが強く感じられ、対人守備でも強さを見せつつ、持ち前のフィード力も披露。47分の伊東のゴールもCKにニアで合わせてアシストを記録。吉田、冨安のレギュラーCBが不在のなか好アピールになったはず。伊東と迷うもこの日のMOMに選びたい。
3 室屋 成 6(61分 OUT)
ファウルになる回数は少なくなかったとはいえ、厳しいディフェンスでカウンターを阻止するなど、守備面で小さくない上積みをもたらす。オーバーラップはより見たかったが、先制点につながるCKもゲット。
2 植田直通 6
ハイボールを跳ね返す力はお手の物。後半に一度、クリアを危険な位置で拾われてしまったが、身体を張ってセルビアの攻撃に対応した。谷口とともに最終ラインを引っ張った。好フィードも通す。
【PHOTO】流れたボールにいち早く反応!決勝ゴールを決めた伊東純也を特集!
MF
14 伊東純也 6.5(75分 OUT)
良いサイドチェンジを受けた際はドリブルを仕掛け鋭いクロスを供給。カットインからのシュートも見せた。前半は決定的な仕事はできずも、後半早々にCKからニアで谷口が合わせたボールにファーで詰めて決勝弾!! しかし足を痛めたか、後半途中での交代は心配。
13 橋本拳人 5(HT OUT)
守備の強度は上げるも、パスをつなげられないシーンが多く、チームのリズムをなかなか作れず。縦に鋭いクサビを入れようとの意識は良しも、精度を上げたかった。奮起を期待する意味でも採点は「5」に。ハーフタイムで交代。
10 南野拓実 6(82分 OUT)
ここ数試合でのお決まりとなった左サイドから中に入って鎌田との連係で崩す形を目指す。動きのタイミングやテクニックで変化を加える。セルビアを崩すには至らずも、様々な工夫を凝らした。
7 守田英正 6
ミスもあったとはいえ、素晴らしいサイドチェンジや63分のアウトサイドでのスルーパスなど“魅せるプレー”も多数。バランスを取った。
9 鎌田大地 6
テクニカルなプレーはさすが。前半は上手くボールが入ってこなかった印象も、後半は開始早々にCKで伊東のゴールをお膳立てするなどテンポを上げた。ボールロストがあった点をマイナスとし「6」にしたが、やはり攻撃の中心は彼だった。
11 古橋亨梧 5(HT OUT)
慣れていないCFでのプレーだっただけに、目に見える活躍を求めるのは酷だろう。動き出しは良かった。ただ、なかなか周囲と合わず、リズムを崩したか、パスを引っ掛けてしまうシーンも。多くの課題が残ったはずで、厳しいかもしれないが、低目の採点に。後半は中盤で試しても良かったか。
交代出場
FW
15 オナイウ阿道 6.5(HT IN)
大迫の負傷を受け、追加招集されたFWは後半頭から登場。技術力を駆使したポストプレーで周囲を生かすなど猛アピール。63分のゴールは惜しくもオフサイドに。それでも存在感は示した。
MF
21 川辺 駿 6(HT IN)
オナイウとともに後半のスタートからピッチに立つと、落ち着いてパスを展開。決勝点につながるCKを奪ったプレーでもダイレクトパスを通した。まだ反省点も少なくないが、タジキスタン戦でのゴールが自信につながったか。
DF
22 山根視来 5.5(64分IN)
バランスを崩さずにプレー。ただ、攻守でもう少し持ち味を出したかったか。1-0でリードしている状況だっただけに無理をしなかったのは理解できる。
FW
18 浅野拓磨 ―(75分 IN)
伊東のアクシデントを受けてピッチへ。いきなりスピードを生かして抜け出すもシュートは打てなかった。88分の決定機もモノにできず……。
MF
8 原口元気 ―(82分 IN)
交代した長友からキャプテンマークを渡されてグラウンド入る。前線のプレスに合わせて相手にプレッシャーを与えた。
DF
16 小川諒也 ―(82分 IN)
出場時間が限られ、1-0でリードしている状況だっただけに、逆サイドの山根同様に無暗には上がらず。試合を締めた。
監督
森保 一 6
セットプレーを生かして勝利に導く。もっとも、古橋をCFに起用した形は機能したとは言えず、後半に投入したオナイウを含めて、“大迫不在”のプラン作りはまだ時間がかかりそうだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
PCMAX
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