アニメーション制作に魂を燃やす女子高生たちを描いた人気漫画『映像研には手を出すな!』。“絶対に手を出してはいけない原作”と銘打った本作の実写化で、その中心に立つのは乃木坂46の3人だ。

2020年4月より放送されたドラマシリーズを経て、劇場版でも、齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波演じる「映像研究同好会」の3人娘が暴れまわる。そんな本作に添えられた一文、それは「アイドルが主役で大丈夫か?」だった。

梅澤は、「その言葉を見たとき、正直、そのとおりだなと思いました」と語る。実写化するにはハードルの高い世界観やキャラクター像…彼女自身、大きなプレッシャーを感じていた。しかし梅澤は、すぐ気持ちを切り替えたという。

「何もかも捨てて演じなければ。絶対、いい意味で裏切ってやるんだ!」

アイドルになって早5年――この作品が、梅澤美波のターニングポイントとなる。

撮影/祭貴義道 取材・文/木口すず 制作/iD inc.
スタイリング/市野沢祐大(TEN10)
衣装協力/ジャケット ¥56,000、パンツ ¥42,000(メイメイジェイ/エスケーシー tel:06-6245-3171)、ニット ¥30,000(アワー レガシー)、ブレスレット ¥63,000、リング ¥32,000(オール ブルース/共にエドストローム オフィス tel:03-6427-5901)、イヤリング ¥10,000(フミエ タナカ/ドール tel:03-4361-8240)、ベルト ¥10,000(カイコー http://kaiko-official.com/collection/)、ブーツ ¥29,000(ソル サナ/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム tel:03-3401-5001)

言うときは言わなければ。3期生のまとめ役と呼ばれる理由

今年4月から放送されたTVドラマに引き続き、映画『映像研には手を出すな!』でも金森さやか役として出演されます。まずはじめに、本作を知ったときの印象はいかがでしたか?
原作を読んだときから、「こりゃあ面白い!」と思いました。ワードセンスなどが独特で新鮮でしたし、今まで自分が触れたことのない世界観を持つ作品だなと。

私はこれまでアニメーション制作について全然くわしくなかったんですけど、『映像研』では制作の流れが細かく描かれていて、「ものづくりって、私が思っていたよりずっと面白いんだな」と気付かされましたし、この作品が人気な理由もよくわかりました。ただそのぶん、プレッシャーも襲ってきました。
梅澤さん演じる金森は、クールで金儲けが好きな、映像研のプロデューサーを務める人物です。役への印象については?
印象的なキャラクターが多く登場するなかでも、金森はひとりだけ、ちょっと違う意味で存在感がある人だなと思っています。現実的だしどこか機械的でもあって、「こんな女子高生がいたらカッコいいな、パートナーにしたい!」と憧れますし、そこが魅力的です。
ちなみに梅澤さんの学生時代に、金森のような人はいましたか?
いやあ、こんな子いなかったと思う! いたらぜひ友達になりたかったですね(笑)。でももし金森が実在していたら、私は絶対仲良くなれないだろうなとも思います。たぶん、嫌われちゃうだろうなって。

金森はサバサバしていて好き嫌いがハッキリしているタイプだから、「この人使えない」と思われたら切り捨てられちゃいそうな気がします…(笑)。
金森とご自身とで、似ている部分はありましたか?
金森って、感情を表に出さないことが多いんですよね。イライラしても、きっと自分の中だけで叫んで済ませているんだと思うんです。伝えるべきことは伝えるけれど、今はそのときじゃないと思ったら、自分の中で消化するタイプ。そこは私と似ているかなと思います。

私も乃木坂46として活動する中で日々悩んだりすることもありますが、そうした気持ちはお家に持ち帰ることが多いので。

あとは、私もグループ内だと“3期生内のまとめ役”と言っていただくことが多いので、そういうポジションを担う軸の部分は似ているかなと感じました。
3期生のまとめ役というのは、ご自身から自然と担当するようになったのですか?
そうですね。誰が決めたというわけではなくて、活動していくにつれて、そういう役割の人がいないと成り立たないなと気付いたんです。周りの子たちを見ていると、性格的にも自分の気持ちなどを言えない子が多かったんですよね。

私は3期生の中だと年上のほうでしたし、言うときは言わなければと思って動いているうちに、自然とまとめ役と言っていただくことが多くなりました。
もともとリーダーシップを持っていたのでしょうか?
いえ、まったく! 中学時代、部活動に入っていましたけど、キャプテンとかは全然やっていませんでした。だからなんだか、不思議ですよね(笑)。乃木坂46に入ったことで、自分が変わったんだろうなと思います。

「暴力的な子」に見えないよう、普段とのギャップを意識した

齋藤飛鳥さん演じる超人見知りの天才監督・浅草みどりと、山下美月さん演じるカリスマ読者モデルのアニメーター・水崎ツバメという個性豊かでマイペースなふたりを、金森が叱咤する場面も多く見られますが、とくに苦戦したところは?
漫画なら「攻撃的な一面も持っている子」と見えるものでも、それが映像になると、一歩間違えれば、ただの「暴力的で口が悪い子」に見えてしまうなと思いました。なので、普段とは違う過激な行いをするときのギャップは、しっかり見せなければなと。

演じているぶんにはとても新鮮で楽しかったのですが(笑)、先輩である飛鳥さんのことを叩かなければいけなかったですし、それだけでなく共演者の桜田ひよりさん(音響部・百目鬼役)や板垣瑞生さん(ロボット研究部・小野役)のことを、初対面で叩くシーンもあって!

はじめましてでこれをやらなきゃいけないって、けっこうキツいな〜!?というところが、私の中でのいちばんの課題でしたね。金森としてちゃんとやらなきゃ! …でも申し訳ないな…という葛藤がありました。
齋藤さんと山下さんは劇中で何度も梅澤さんにひっぱたかれていますが、おふたりはどんなリアクションでしたか?
山下は同期なのもあって、「全然いいよ〜! 思いっきりやっちゃって〜」と快く受け入れてくれました。飛鳥さんも「全然大丈夫だよ」と。でも冗談混じりに、「NG○回出したね、はい、撮り直し!」と面白おかしくいじってくださることもあって(笑)。

飛鳥さんからそういう雰囲気を作ってくださったので、私はすごくやりやすかったです。ほかにも「ここはこういうふうに当てていいよ」とか「かすると音がしないから、音を出したほうが迫力が増すよ」と言ってくださったりもして。本当にありがたかったですね。

役として割り切って受け入れていただけたので、私も回数を重ねるごとに躊躇なく演じられるようになりました。

NGは出さず、ビジュアル維持も完璧。飛鳥さんはカッコいい

齋藤さん、山下さんの尊敬しているところを教えてください。
まず山下は、映像のお仕事を立て続けにやっているメンバーのひとりだったので、同期内でも心強いなと思っていました。いざ一緒に現場に入ってみると、お芝居はもちろん、スタッフさんとのコミュニケーション能力がすごく高いんですよ。

自分からどんどん話しに行くし、それでスタッフさんとの仲も深めていくし、現場の空気作りについてちゃんと考えることができていて。同期としても、カッコいいなと感じる一面でした。

飛鳥さんは、乃木坂46のエースですし、今までも背中を見てたくさん学ばせていただきましたが、改めて本当にスゴい人なんだな…と。
とくにどんなところが印象に残っていますか?
専門用語の長ゼリフが誰よりも多かったんですけど、一切噛まないし、NGもほぼ出さないんです。台本も現場ではほとんど持っていないのに、ちゃんと内容を覚えていて。陰でめちゃくちゃ努力しているんだろうなと思いましたし、高いプロ意識を感じました。

このお仕事はビジュアルの維持も大変ですが、それさえ完璧にやるから、飛鳥さんは本当に隙がない人。裏では可愛らしくて意外と赤ちゃんっぽい部分もあるんですけど(笑)、本当にカッコよかったですし、そんな先輩の姿を近くで見られてよかったです。
1期生の齋藤さんは、梅澤さんと同い年でもありますが、おふたりの距離感はどのように縮まっていきましたか?
まず呼び方が変わりました。はじめの頃は「梅澤先生」とか「梅澤さん」と呼ばれていたんですけど、今では「うめ!」と呼んでくれるんですよ。それに、「あのシーンで緊張してたから、チョコあげる」と気遣ってくださったりもして。

普段の乃木坂46の現場でも話しかけたり話しかけてくださったりするようになって、いじりいじられる関係性にまで距離が縮まったのが、私はすごく嬉しいです。
敬語も崩すようになったり?
敬語は私の性格的に外せないんです(笑)。たとえ同い年でも、先輩は先輩ですから! でも敬語は崩さなくとも、距離を縮めて仲良くなれている実感があります。

私たちは3人とも、アツさを内に秘めているタイプです

2020年1月から放送されたアニメ版『映像研』は、ご覧になっていましたか?
観ました、観ましたっ! 素晴らしい完成度で、毎週楽しみにしていました。機械音に人の肉声を使うなどすごく斬新な作り方で、観ていて飽きないし、絵もものすごく綺麗だし、一人ひとりのキャラクターが愛おしくて仕方なくなりました。

ただ、怖さもあって。じつはアニメの放送は、私たちのクランクイン後に始まったんです。だから私たちはアニメをまったく視聴していない状態で、原作だけをもとにお芝居を作っていたんですけど、アニメはスゴい出来だし、でも私たちも走り出している以上、今更止まることもできないしで。
本作の公式サイトには「アイドルが主役で大丈夫か?」といったキャッチコピーもありましたよね。最初に「プレッシャーが襲ってきた」とおっしゃっていましたが、あの言葉を見たときは率直にどんなお気持ちでしたか?
正直、そのとおりだなと思いました。もちろん今までもいろんなメンバーが原作のある作品に出演していましたが、『映像研』はそのなかでも異色の作品ですし、みんなぶっ飛んだキャラクターですし…。

でも、だからこそ、「アイドル芝居じゃダメだな」と思ったんです。いろんなものを捨ててやらなければ、終わったときに達成感を得られないな、って。

原作ファンの方々からも心配の声が多く挙がっているのが見受けられましたが、「いい意味で絶対裏切ってやる!」と、覚悟を決めたんです。
普段から、世間の声を意識してしまうことも多いのでしょうか?
気になってつい見てしまうほうではあります。でも、この職業をしているとそれも付きものですから。それよりも、いろんなことをやらせていただける環境にいられることがありがたいな、と思うようにしています。

とにかく、心配している人たちをここでいい意味で裏切ることができたら、乃木坂46のイメージ自体もいい方向に変わるはずだと思ったし、「アイドルもこんなお芝居ができるんだ! こんなに体も張れるんだ!」と、インパクトを残せるかなって。

だから、そういう方々の意見を私たちが変えてやるぞ!くらいの気持ちで臨みました。はじめはマイナスでも、作品を観てプラスに捉えてもらえるように、自分たちが頑張ればいいんだ、と。

演じる自分たちが不安がっていたら何も始まらないですから、自信を持って自分ができることをやろうと、お家で必死に台本を読み込んで、自分なりに演技プランを考えながら頑張りました。
齋藤さんと山下さんとも、そういったお話をされていたのですか?
3人とも、そういうアツい想いは内に秘めているタイプなんです(笑)。だからみんなでガッツリ話し合うというよりは、お互いの空気で通じ合う感じでした。撮影中も3人がそれぞれの熱意を感じ取って、それに付いていくんです。

映画の試写を観た後なんかも、みんなで「ここがよかったよね!」とか話すんじゃなく、3人で見つめ合ったまましばらく無言の時間だけが流れて、ただただ笑い合う…そんな空気感がかえって私たちらしくって。

こういう“内に秘めた絆”という形もあるんだなと、この3人で集まって初めて気付くことができました。

『映像研』は自分のターニングポイントとなった作品

2年前に出演された『七つの大罪 The STAGE』(エリザベス役)も、本作同様に人気コミックが原作となっていましたが、当時の経験が今回につながった部分もあったのでしょうか?
そうですね。『映像研』では、不安な気持ちを楽しみな気持ちに素早く切り替えることができたのですが、それはたぶん『大罪』での経験があったからだと思います。

『大罪』は初めて、舞台上でキャラクターになるという経験をした作品で。当時はひたすら一生懸命だった反面、本番を迎えるまでは不安で仕方ありませんでした。でもいざ舞台に立ってみたら、私が演じるキャラクターを受け入れてくださる声のほうが、ずっと大きくて。

縮こまって思いっきりできないのはもったいない。それよりも怖がらずにまずは一生懸命やってみて、それからいろんな声を受け入れるほうがいいなと思えました。
金森を演じたことで、自分に自信がついた部分はありますか?
この作品を通して、すごく前向きになることができたなと感じています。グループに加入してからもうすぐ5年目になりますが、その中でもとくに大きな、自分にとってのターニングポイントになる作品だと思っているんです。

映画でお芝居するのも初めてでしたし、大きなお仕事をひとつ成し遂げたことで自信にもつながりましたし。それに撮影を通して、飛鳥さんや山下と掛け合った言葉が自分の身になっているような感覚もあって。

本作のおかげで、普段のグループ活動もいい意味で肩の力を抜いてできるようになっています。自分の中でこの3ヶ月間は、すごく大きなものでした。だからこそ、ファンのみなさんにはぜひ作品を観ていただきたいです。

もし過去に戻れても、また乃木坂46に入りたいと思う

今や日本を代表するアイドルグループとなった乃木坂46のみなさんは、日々全力でお仕事に挑んでいらっしゃいますが、選ばれたり選ばれなかったりする世界の中で、ときには焦りや責任感を覚えることもあるのでしょうか?
焦りは常に感じますね。私ももうすぐ22歳になりますし、年齢的にもだんだん焦ったり不安になったりすることも…。それこそ今は4期生も加入してきて、みんな若くて本当にかわいい子たちだし、実力もある。私も先輩として、負けていられないなという気持ちがあります。

それと同時に、後輩を守っていかなければという立場上の変化や、責任感もあって。それに乃木坂46は、みんな魅力的な子たちなんですよ、本当に。選ばれる・選ばれないという世界ではあるけれど、それぞれが枠にとらわれることなくいろんな分野で活動している…それこそが私が乃木坂46を好きになった理由でもあるので。

焦りもあるけれど、自分らしく頑張っていれば、絶対見てくれている人がいますから。
梅澤さんはご自身の中の焦りともうまく付き合えているのですね。
私も初期の頃などは、ポジションに悩んだり、ずっと3列目の端っこにいたりする日々が続くこともありました。でもファンの方の応援がありましたし、自分が思うとおり真面目にお仕事を頑張っていたら、いろんな方が手を差し伸べてくださって、自分では想像もしていなかったようなお仕事をいただけるようになりました。

だから私は、焦りも持っていたほうが絶対いいと思うんです。変に「焦らないようにしなきゃ!」などと思わずに、その場その場で感じる気持ちを大事にしながら、活動するよう心がけています。

全部今しか感じられないことだと思うし、いい意味の焦りなんだからこれでいいんじゃないかなって。
多忙な日々のなかで、「普通の女の子に戻りたいかも…」と思うこともあるのでしょうか?
たしかに同い年くらいの人を見て、「私がもし乃木坂46に加入していなかったら、こういう生き方をしていたのかな…?」と、自分を重ねることもあります。でも私、全然後悔していなくて。ここに来たことで絶対に性格も明るいほうに変わることができたから。

そういえばこの前、メンバーと「もし今の記憶を持ったまま加入前に戻れたら、オーディションをもう一度受ける?」という話になったんですよ(笑)。私は「絶対受ける!」と一発で言えたくらい、この道に来てよかったなと思っています。

自分はちゃんと楽しみながら、活動できているんじゃないかな。
そこまで頑張り続けられる原動力とは?
何でしょうね!?(笑)やっぱり私ひとりだけの夢じゃないからかな。家族やファンのみなさんが「梅ちゃんがこういう仕事をしているのが見たい!」と、私にいろんな夢を見てくださっているから。

私が頑張ることで喜んでくれる人がいるんだったら!という気持ちが、いちばんの原動力になっているのかなと思います。
梅澤美波(うめざわ・みなみ)
1999年1月6日生まれ。神奈川県出身。A型。2016年に乃木坂46の3期生オーディションに合格し、グループに加入。2018年、『ジコチューで行こう!』で初めて選抜に抜擢され、以降は選抜メンバーとしてグループの中核を担っている。また同年には、『七つの大罪 The STAGE』でヒロイン役を射止め話題を呼んだほか、乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』ではセーラージュピター/木野まこと役(Team STAR)を務めた。女性誌『with』(講談社)では、専属モデルとしても活躍中。今年9月29日には、1st写真集『夢の近く』(講談社)の発売も控える。

作品情報

映画『映像研には手を出すな!』
9月25日(金)全国公開
https://eizouken-saikyo.com

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、梅澤美波さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年9月23日(水)12:00〜9月29日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月30日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月30日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月3日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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