東京都内のある企業が、猛暑日に「テレワーク」を認める独自の制度を導入、利用者が前年比2倍のペースで増えているようです。「働き方改革」の一環として2015年に導入した制度といい、「出勤時に体調を崩す心配もなくなった」と社員に好評のようです。

開始4日間で全社員の3割が申請

 この制度を導入しているのは、ソフトウエア開発などを行うインフォテリア(東京都品川区)です。気象庁が午前5時に発表する予想最高気温が35度以上の場合、当日の午前5時半に社員のスマートフォンにプッシュ通知で、テレワーク推奨日であることを知らせます。社員は、届いたプッシュ通知をタップすることで、テレワークの申請がワンタッチで完了し、自宅などで仕事ができます。

 広報担当者によると「厳しい暑さの中、満員電車で通勤するなど過酷な出勤を強いることのない働き方が世の中にもっと広がってほしい」と制度を導入。今年は7月19日に開始し、就業日数4日間(7月24日まで)で延べ57人が申請しました。2017年の同26人から約2倍に増えています。仮に1人1回ずつの申請とすれば、57人は全社員の3割に当たり、申請者は主にエンジニアや経理、企画職の社員だそうです。

 予想最高気温35度以上の日が多くなっても、申請回数の制限はありません。今年のように猛暑日が続けば、連続して申請することも可能です。クラウドシステムを使用するため、テレワークをする場所は自宅に限らず、社員自身で決められます。

 昨年までの実績では、全社員が月に1回程度、この制度を申請していました。社員からは「暑い中の通勤は、満員電車などで体調を崩す心配もあったが、この制度を利用することで心配なく仕事ができるようになった」と好評を得ています。

 担当者は「日本には昔から、『いざ鎌倉』とはせ参じることで忠誠心などが評価される価値観がありますが、その考え方が現代にも色濃く残っていると感じます。『通信技術が進歩した現代社会で、こんな猛暑の中で本当に出勤する必要があるのか』ということを、日本中の皆さんと考える機会になれば」としています。