政府が推進する働き方改革により、完全解禁は目の前と言われることが多い「副業」。企業レベルではすでに容認しているところもあり、興味を持っている人も多いのではないでしょうか。実際「エン・ジャパン株式会社」が正社員3000人を対象に行なった実態調査によると、なんと全体の88%が「副業に興味がある」と回答しているといいます。

副業経験がある人は全体の3割、うち現在も継続している人は約4割に

そもそも、実際副業をしている人はどのくらいいるのでしょうか?同調査によると「副業経験がある」人は全体の32%。うち現在も「続けている」人は45%だそうです。いずれも半数には届きませんが、完全解禁前で10人いれば3人は経験者と考えれば、けっこうな実施率という気がします。

では、経験者はどんな種類の副業を行なっていたのでしょうか?気になるその内容は以下の通りとなります。

利用する人も多そうな「ネットオークション」「フリマサイト」ですが、副業としてビジネスにしている人も少なくないようです。

圧倒的に多いのは、接客や販売などの「アルバイト」。一方上位の「アンケートサイト・ポイントサイト」「ネットオークション・フリマサイト」や「アフィリエイト」などは、主にスマホやパソコンがあれば家で作業できるのが特徴です。副業は現場で接客などを中心としたアルバイト業か、スマホやパソコンを使った地道な作業系に多く分類されるようです。

引越しバイトは日雇いも可能なケースが多く、ビジネスパーソンの副業に人気のようです

副業の勤務時間や収入はひとによってかなりバラつきあり

興味がある人が多い副業。その内容も気になるところですが、具体的な勤務時間や収入額の実態も知りたい人が多いのではないでしょうか? 同調査ではまず副業について「週に何時間働いているか」を調べています。

週の副業労働時間

1位 1時間から3時間未満……24%

1位 5時間から10時間未満……24%

3位 3時間から5時間未満……23%

4位 10時間以上……16%

5位 1時間未満……13%

結果をみると、勤務時間の傾向はバラバラ!週1時間とかなり短い人もいれば、10時間以上がっつり働く人も少なくないことが分かります。では続いて、月の収入についての調査結果をみてみましょう。

わずか1%ですが、月収100万以上の収入がある人も。これはもはや副業とは呼べなそうですが……。

一番多いのは「3万円から5万円」(25%)ですが、こちらも抜きでて多かった収入額はなくさまざま。また10万円をこえる割合を合計すると26%で、約4人に1人が該当しているのです。

では具体的にどの職種の人がどれくらい稼いでいるのでしょうか?同調査にはそういったデータはありませんが、とりあえず前述の調査で一番人気のある副業は接客や販売などの「アルバイト」で考えてみることに。

現在、全国の最低時給額平均は「848円」(※)だそうですが、この時給で月に3万円稼ぐには単純計算で約35時間の労働が必要。1週間だと約8.7時間の労働が必要となってきます。

一方10万円以上だとどうでしょう。そこで10万円を時給848円だとどのくらいの労働時間が必要かを計算してみると、約118時間となりました。1週間だと約29時間で、週5日勤務をすると1日平均約6時間。副業と呼ぶにはかなりハードなスケジュールをこなす必要があるのです。そう考えると、10万円以上の高額収入が副業である人は、アルバイトではなくもう少し割のいい仕事を選んでいる可能性も高くない気もします。

※厚生労働省が発表した「平成29年度地域別最低賃金改定状況」による

効率よく副業を成功させるには、目標の収入額を設定し、それを達成できる職種を選ぶ必要がありそうです。

【調査概要】
調査主体:エン・ジャパン株式会社
調査期間:  2018年3月28日〜4月25日
調査対象:『エン転職』( https://employment.en-japan.com/ )利用者で20〜40代の正社員
有効回答数:3,111名