充電器を挿しても起動しない... そんな「再起不能」に見える古いケータイを復活させるイベント「思い出ケータイ再起動イベント」を、KDDIが全国のau直営店で順次実施しています。第1弾の名古屋市・au NAGOYAに続き、第2弾が仙台市にあるau SENDAIで12月1日から12月3日の3日間にわたり開催されました。

この「思い出ケータイ再起動イベント」は、劣化したバッテリーを復活させる特殊な装置によって、起動しなくなった古い携帯電話を復活させるというもの。

いわゆる「ガラケー」の時代には、現在のようにバックアップの仕組みが整っておらず、思い出の写真は端末の中だけ、ということも珍しくありませんでした。しかし、リチウムイオンバッテリーは一定期間充電しないと過放電により充電できなくなる性質があり、昔使っていたケータイに充電器を挿してみたけど、充電されず思い出の写真を見返せない... なんて事態もありがちです。

そこで利用するのがこの装置です。バッテリー内部に電極を差し込み、直接電気を流すことで、バッテリーの復活を試みます。なお一度充電できるようになれば、繰り返し充電できるようになるといいます。



au SENDAIで開催された同イベントでは、同装置を使って、起動しなくなった思い出のケータイを復活させていきます。なお、充電の回路そのものが壊れていたり、仮に充電できたとしても水濡れなどで携帯電話の基板が壊れていれば、どうにもならないとのこと。さらに、端末自体にパスコードがかかっていて、そのパスコードがわからない場合も、復活させられないそうです。

思い出ケータイ再起動イベントは事前予約制。指定した時刻に来場者がやってきます。なお、参加者は男性よりも女性が多い印象でした。



こちらは南仙台から参加した親子。「10年くらい前に使っていた」というケータイを復活させると、待ち受けには娘さんが赤ん坊の頃の写真が...



会場では、ケータイに保存されている写真から1枚を選んでプリントアウトできます。お母さんが選んだのは、まだ幼い頃の娘さんと、その手を引いて歩くお父さんのツーショット。お母さん、涙ぐんでいたのが印象的でした。



こちらは、転勤で仙台で働き始めたという女性です。このイベントの存在を知り、はるばる東京の実家に戻り、学生の時に使っていたケータイを探してきたといいます。



電池パックにもプリクラが貼られており、プリクラの全盛期を思い出します。



そんな彼女がプリントアウトしたのは、2012年に撮影した家族との集合写真。



「まさか見れるとは思わなかった...」そう興奮気味に話していたのは、宮城県在住の女性二人組です。左の女性がプリントアウトしたのは、"卒業式で着るはずだった袴"を前撮りで着た写真。このあと、2011年3月11日に東日本大震災があり、卒業式は流れてしまったそうです。



このように、懐かしい思い出の宝庫となっている昔のケータイ。ほかにも、来場者から沢山のエピソードを聞くことができました。KDDIによると、au NAGOYA・au SENDAIに続き、思い出ケータイ再起動イベントの第3弾を企画しているとのこと。復活させたいケータイがある方は、是非チェックしてみてはいかがでしょうか。