今の時期、ターミナル駅や空港を訪れると、大勢の児童や生徒がロビーやコンコースに整列しているのをしばしば見かける。修学旅行は学校生活の中でももっとも楽しい、そして思い出深いイベントの1つと言えるだろう。中国紙・光明日報は7日、日本の教育では修学旅行によって子どもたちにリアルな世界を体験させるとするコラム記事を掲載した。

 記事は「修学旅行は、日本の小中学校・高校における教育活動の重要な一環である。日本ではすでに130年あまりの歴史があり、1946年には正式な教育体系に盛り込まれ、政府が全国の学校における修学旅行の指導を行っている」と紹介。修学旅行を通じて自然、社会、歴史、文化に触れるだけでなく、団体旅行のなかから他人との付き合い方、集団意識を学ぶのだとしている。

 そして、小学生や中学生は基本的に国内旅行で、東京、大阪、京都、広島といった場所が主な目的地になる一方、高校生になると北海道や沖縄に加え、海外に行くケースもあると説明。近年では見学型、周遊型の形態が減り、農村体験、工芸品の制作などといった体験型の修学旅行が増えていると伝えた。修学旅行を受け入れる側にとっても、地元の産業や製品の宣伝になると説明した。

 記事は「決して誇張ではなく、修学旅行は日本の学校文化における重要なラベルになっているだけでなく、日本人1人1人にとって終生忘れ得ぬ青春の記憶になるのだ」とし、このような日本式の修学旅行が中国でもますます重視されるようになってきていると結んだ。

 あれだけたくさんの人数で旅をするのは、後にも先にも学生時代の修学旅行ぐらいだろう。楽しい思い出はもちろんのこと、消灯時間を過ぎても騒いで注意されたり、集合時間に遅れた生徒のせいで全員が叱られたりといったトラブルも、みんないい思い出になるのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)psstockfoto/123RF)