内臓脂肪が溜まっていくと動脈硬化につながり、ゆくゆくは心臓病や脳卒中などの病気のリスクが高まることは一般にも広く知られるようになっています。いわゆる“メタボ”の領域までいかなくても、運動不足や食べ過ぎなどで「若い頃より徐々に体重が増えてきている……」という方は少なくないでしょう。

そこで今回は管理栄養士の筆者が、ダイエットを意識するときに気をつけていただきたい食べ方のポイントについてご紹介したいと思います。

1:早食いは、食べ過ぎや血糖値の急上昇の原因に

まずは食事の仕方の注意点として、“早食い”があります。同じ内容の食事でも、食べるのが早いだけで食後の血糖値の上昇が鋭くなるとされており、それはつまり脂肪の蓄積の一因となってしまいます。また、早く食べると満腹を感じるタイミングが遅れて、余計に食べてしまうことにもなります。

早食いをしないためには、時間がないときでもアゴを動かしてよく噛むことを意識することも良いですし、時間があるときは箸置きを使うなどして、なるべく味わって食事をするように心がけましょう。

2:寝る前の食事は肥満だけでなく、疲れがとれない原因にも

食べる時間帯も大事で、夜遅くに食事をとると食べたものが脂肪に変わりやすいということは多くの方がご存じでしょう。それだけでなく、寝ている間も身体は消化をする必要があるため休まらずに、疲れが取れにくいことにも繋がります。翌朝すっきり目覚めるためにも、なるべく食事は寝る3時間前には済ませるようにしましょう。

3:旬の野菜や海藻類、きのこ類も意識してとる

https://www.shutterstock.com

食べるものの注意点ですが、意識して野菜をたくさんとるようにしましょう。野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維など身体に溜まった脂肪を燃やしたり、新たに脂肪を溜めないために必要な栄養素がたくさん入っています。

もちろんただやみくもに野菜をとればいいということではなく、栄養価の高い季節の旬のものを取り入れたり、キャベツやレタス、もやしなど手軽でとりやすいものだけでなく、いろんな種類の野菜を食べることも大事です。

また、わかめやひじきなどの海藻やきのこ類も、同じように意識してとりましょう。海の中の海藻はミネラルが野菜より豊富なものが多いですし、きのこは食物繊維も多く含んでおり、うまみたっぷりなので食事がより楽しくなるでしょう。

いかがでしたか? 今はそこまで体型に心配ないという方も、年齢を重ねると代謝が下がって脂肪を溜めやすい身体に変わっていきます。今のうちに、できるところから始めて習慣化していきましょう。

【参考】

※ 生活習慣病の調査・統計 - 一般社団法人日本生活習慣病予防協会

【画像】

※ baranq , bitt24 / Shutterstock

【筆者略歴】

圓尾和紀

“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。TVや雑誌の出演、講演、執筆、カウンセリングなどで活動中。「カラダヨロコブログ」は月間アクセス20万以上。著書“一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方”が2017年4月24日に発売予定。