By Tomás Del Coro

すでに搭乗・着席済みだったデービッド・ダオ医師を飛行機から無理やり引きずり下ろした動画がネットで拡散されて非難を浴び、その後には機内で乗客がサソリに刺されるなどトラブル続きのユナイテッド航空で、外部からコックピットに入る時に使うアクセスコードがネットに流出するという出来事が起こっています。

United’s Cockpit Door Security Codes Inadvertently Revealed - WSJ

https://www.wsj.com/articles/uniteds-cockpit-door-security-codes-inadvertently-revealed-1494794444

United Airlines says cockpit door access info may have been made public - CBS News

http://www.cbsnews.com/news/united-airlines-says-cockpit-door-access-information-may-have-been-made-public/

Cockpit access codes for United Airlines spill online | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2017/05/cockpit-access-codes-for-united-airlines-spill-online/

テロリストがコックピットに乱入して飛行機を乗っ取り、今はなきニューヨークのワールドトレードセンタービルなどに突っ込んで多くの被害者を出した2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降、世界の航空各社はコックピットへの乗客の立ち入りを厳しく制限しています。それまでは比較的容易に入ることができたコックピットですが、現在ではパイロットによってコックピット内側から鍵がかけられ、入室するためには専用のアクセスコードを入力しないと扉が開かない仕組みになっています。

そのアクセスコードが流出したというのが今回の「事件」なのですが、今回はさらに流出経路も問題視されています。アクセスコードはネット上に書き込まれたことで世に出てしまうことになったのですが、その書き込みを行った人物は不正にコードを入手したハッカーなどではなく、乗務員の一人だったことが判明しています。

アメリカの航空機パイロット協会(ALPA)は「問題は解決済み」と発表しているとのこと。ユナイテッド航空は全従業員に宛てたメールの中で「事件」に触れ、問題を起こさないための「是正措置プラン」の作成に取り掛かっていることを表明しています。また、パイロットに対しては、入室しようとする人物がいる場合はドアを開ける前にカメラの映像を通してどのような人物であるかを確認する手順を順守するように注意喚起しているとのこと。この手順に従って行動すると、たとえセキュリティーコードが知られてしまっていても第三者がコックピットに乱入する事態は防げるとしています。



By Paul Thompson