▽U-19日本代表は30日、AFC U-19選手権バーレーン2016でサウジアラビアとの決勝戦に臨み、0-0で120分を終えて迎えたPK戦を5-3で制した日本が、初のアジア制覇を達成した。

▽過去6度もファイナリストとなっている日本だが、いずれも準優勝に終わっている。悲願の初優勝に向けて、東京五輪世代が歴史を作る一戦に臨んだ。ここまで5試合を終えた日本は、13得点0失点と最高の結果を残している。準決勝のベトナム代表戦では10選手のスタメン変更を行うも、3-0で快勝するなど層の厚さを見せた。重要な決勝では休養十分の主力組が名を連ねている。

▽立ち上がりはサウジアラビアが日本陣内で試合を進めていく展開となると、2分には前線のアイマンがカットインから放ったシュートが左ポストを叩く。その後もCKやFKから日本ゴールを脅かす攻撃を仕掛けてきた。

▽しかし日本も7分に中山のロングフィードに抜け出した小川がボックス左でキックフェイントから右足を振り抜くなど、徐々にチャンスを作り始める。11分には小川のポストプレーから右サイドの藤谷がクロスを上げるなど、日本の特長であるサイドアタックを見せた。

▽ところがハーフタイムにかけて試合が膠着していくと、39分に一瞬の隙からピンチを招く。左サイドでアイマンを捕まえきれなかった中山が振り切られ、ゴール前にグラウンダーのクロスを入れられると、最後はアルヤミにシュートを放たれた。ここは精度を欠いてクロスバーの上を越えたため、失点とはならなかったがサウジアラビアのスピードに苦しめられる。

▽それでも43分には堂安がボックス手前で倒されて好位置でFKを獲得。三好が左足で直接狙ったシュートはボールが落ち切らずにクロスバーを越えたが、互角の展開で前半を終えた。

▽交代なしで迎えた後半、日本は前半と同様にバックラインでは余裕を持ってパスを繋げるものの、縦パスが入った瞬間にサウジアラビアのプレスが始まり、思うような形の攻撃を作れない。すると51分には高い位置でボールを失うと、最後はラカンにシュートを放たれた。

▽さらに60分にはアクシデントが発生。相手選手のスタイディングで負傷した三好がプレーを続行できなくなり遠藤と交代となった。しかし直後に坂井のドリブルから得たFKで、相手ゴール前の混戦から岩崎にシュート。67分にはスクランブル発進となった遠藤が左サイドからカットインして右足を振り抜くなど、チャンスが続いた。

▽しかし70分を過ぎる頃には再びサウジアラビアのペースとなる。自陣に釘付けにされる日本だったが、しっかりと集中して対応。結局試合終了まで押し込まれる時間が続いたが、凌ぎ切って90分を終えた。

▽延長前半の開始早々に日本は堂安と藤谷のコンビで右サイドの深くまでボールを運び、マイナスを折り返しを入れる。しかしゴール前の人数が少なく、このボールに合わせられなかった。直後、何度もスプリントしていた藤谷がプレー続行が不可能となり初瀬と交代となる。

▽しかしサウジアラビアの足が止まり始めたことで日本がチャンスを作る。延長前半9分には堂安のボール奪取から左サイドにボールが流れたところ、遠藤がラインぎりぎりまで追いかけてゴール前にクロスを入れる。岩崎がこれに頭から飛び込むが、わずかに合わせられなかった。

▽延長後半も日本ペースで試合が進むが、延長後半8分に堂安が相手選手を倒してしまい、自陣のボックス手前でFKを与える。サウジアラビアは直接狙ってくるが、GK小島が横っ飛びで何とかはじき出した。結局120分でも決着はつかず試合はPK戦へともつれ込んだ。

▽日本の先行で始まったPK戦は、坂井、堂安、遠藤、中山と4人が成功。するとサウジアラビアの4人目のキッカーが放ったシュートは大きくクロスバーを越える。決めれば勝ちの状況で、5人目のキッカーを務めた小川が冷静にGKの逆を突いたシュートを決めて試合は終了。日本が7度目の挑戦でついにアジア制覇を成し遂げた。

U-19日本代表 0-0(5-3) U-19サウジアラビア代表

【日本出場メンバー】

GK:小島亨介

DF:藤谷壮(→94分 初瀬亮)、冨安健洋、中山雄太、舩木翔

MF:堂安律、市丸瑞希(→75分 原輝綺)、坂井大将、三好康児(→60分 遠藤渓太)

FW:小川航基(→79分 中村駿太)、岩崎悠人