▽日本サッカー協会(JFA)は26日、6月3日と7日に行われるキリンカップサッカー2016に臨む日本代表メンバーを発表した。日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督の会見での質疑応答は以下のとおり。

――昨日の浦和とFCソウルのような試合がJリーグでも見られるべきだと思うか

「まずは単純に他の相手が強くて日本がいなくなったということがある。ギリギリのところで結果が変わってしまう。戦術やフィジカルの部分で変わるものだ。そして個人的な部分で、個人が違いを作る」

「現代フットボールが何を要求しているか考えなければいけない。それに関して、たくさんの疑問を持ってもらいたい。他の国が残ったのは偶然ではない。より多くの仕事をしている。これまでは日本が一番だと思っていただろう。でも正直に言ってここ5年、本田や香川が海外に行ったが、彼らを超える選手が出てきただろうか」

「この4,5年で日本代表はどういう結果を残しただろう。アジアカップやワールドカップでなぜ良い結果を残せなかったか。疑問を抱いて、分析して、真実を見つけなければいけない。毎週試合を視察して各クラブを観察している。最近は良い試合がある。戦う意識が伸びているがそれは稀だ」

「夜に海外のサッカーを見るが全く違う世界だ。答えるのは簡単だがもっとやれということ。海外で何が起こっているかを見る。特に戦う意識とプレーのスピード。バイクとフェラーリの違いだ。日本ももっと速く走る、もっとコンタクトできる」

「審判とディスカッションする機会もあった。流すプレーの部分、イングランドで吹かれないファウルも日本では吹かれる。そこを話し合った。指導者、育成、そして1部リーグは毎週見ている。どこも同じようなやり方をしている。しかし川崎や浦和は時々違う。ハイプレスをかけている。他はみんな相手のミスを待っているのだ」

「オフェンスもディフェンスも川崎が良く、だから1位だ。彼らはリスクを取りに行っている。現代フットボールはスピードを求めている。そこでチャンスを作るのだ。バルサもゆっくりプレーするのは終わった。背後に早くなっている。なぜ浅野が好きか。彼は背後に走る。私は元FWだからわかるが、彼はゴールの取り方を知っている」

「1人ではなく数名で連動して取りにいく。日本フットボール関係者は、ACLでなぜベスト8に残れなかったかを考えなければいけない。今疑問を抱き、明日では遅い。各国は伸びている。20年前のフットボールは終わった。アジアでもランキングは低い。指導者、関係者、監督は海外で何が起こっているか見なければいけない。現代フットボールを日本の長所に適応していかなければいけない。気持ち、意識、プレースピード。多くの人が疑問を持たなければいけない」

――なぜ大久保を呼ばないのか

「これまで合宿に呼んだことがある。ゴールゲッターで3年連続得点王であり、稀なゴールゲッターだ。彼はゴールマウスから数メートルの位置でゴールを決める。代表での活躍も見てきたが、年齢は考えなければいけない。そして、代表で結果を出していないのはなぜか」

「確かにゴールゲッターだが、ある特徴がある。16メートルだけでしか見られない選手だ。生まれ持った天性の感覚がある。こういう選手を呼ぶのは簡単ではない。もっと多くのことに参加しなければいけない。ゲームの組み立て、ディフェンスなどだ。そういう意味で私はまだ躊躇している段階だ。ただ、最後はわからない」

「大久保が必要ならば呼ぶ。今のところ、オカや夢生、浅野を大久保よりも使いたいと思っている。ただ、絶対はない。大久保の動きだけを見たことがある。代表に彼の動きが合うかのイメージがつかない。まだ躊躇している。代表で活躍している試合も見ているが多く点を取っていない」

「代表では違うやり方がある。ハーフナーを思い出してほしい。一度呼んでオランダでも活躍しているが、ロングボールを使った戦術を日本は使っていない。一人の選手のために戦術を変えなければいけない。ただ、日本代表は練習が少なくそれは難しい。マイクにセンターリング入れられるチャンスがありながら、それをやらない場面が多々あった」

「代表のやり方、補足関係が必要で適応するのは難しい。本田、香川、清武がキーになっている。彼らはクロスを送る選手ではない。周りにそういう選手がいなければ無駄になる。大久保が選ばれないのかと考えるのは普通のことだ。彼を代表に入れて、大久保のチームを作り、大久保にも動きを覚えてもらう。ただ、年齢的に難しいことだ。可能性としては国内の試合で呼ぶかもしれないがアウェイは難しい。残り10分でゴールを決めるようなイメージ。だが、今は他の選手をチョイスしている。私自身も疑問を抱いて、彼の招集についてはずっと考えている」

――3チームが来日する中で2チームと対戦する。反対サイドのデンマークとボスニア・ヘルツェゴビナをどう考えるか。また、他のアジアチームは海外遠征をする国もあるが、国内で大会を行うメリットとデメリットは

「デンマーク、ボスニア・ヘルツェゴビナの前にまずはブルガリア戦の準備が大事だ。彼らは3月にポルトガルでポルトガルに勝ったクオリティが高いチームだ。日本のフットボール史上で彼らに勝っていない。この試合に勝つか負けるかで次の相手が変わる。ただ、そこも準備しなければいけない。どちらも我々より強い。選手たちと会話をしながら戦術の練習をして勝つために準備したい。難しい戦いだが、選手たちには勝つ可能性があると考えてほしい」

「国内開催についてはアグレッシブさを持って、自信をつけられてから。そこを要求するためにキリンカップを選んだ。海外に行かないのは、可能性がなかったから。キリンカップがなければ海外で2試合やった。ただ、キリンカップは国内。可能性がやれば海外で戦いたいが、我々はアジアで最終予選を戦う。そして最終予選を突破すれば、アウェイで欧州と対戦したい」

「ブルガリアやデンマーク、ボスニアは違うフットボールをする。最終予選を抜ければロシアで戦う可能性がある。ブルガルアは南米にも似ていて意地悪なこともしてくる。デュエルは想像を超えるものだ。ボスニアはもっとテクニックがあるチームで、デンマークは身長高くパワーがある。この相手に対してどう対応するか。オーストラリアを想定している。オーストラリアは空中戦が強い。ケーヒルは素晴らしいヘディングを持っていて、FKもCKもうまい。その想定だ」