非日常が日常に――漫画家・板垣巴留×三代目JSB・小林直己、コロナ禍で変わった人生の向き合い方。
人気漫画『BEASTARS』で知られる漫画家・板垣巴留と、EXILEパフォーマー/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(三代目JSB)のリーダー兼パフォーマー・小林直己。
異なるステージで活躍するふたりの表現者が邂逅したら、何が生まれるのだろうか?
きっかけは板垣先生から。小林さんのパフォーマンスに以前から関心を持っていたと聞き、ライブドアニュースがセッティング。これを小林さんが快諾、実現した格好だ。対談当日、初めて顔を合わせた両者は、さすがにやや緊張した面持ち……。
同じ作り手でも、ふたりはフィールドがまったく違う“異種族”。しかし、アプローチもスタンスも別々でも、プロとしての矜持は共通するところ。探求心旺盛な小林さんがぐいぐいと質問をぶつければ、板垣先生も鋭い問いを投げかける。
『BEASTARS』さながらの「立場が異なるふたりの“魂”の交流」から始まった対談だが、話題はおのずと新型コロナウイルス感染症の流行による“現在”へ。この未曾有の出来事は、ふたりの人生観に少なからず影響を与えたという。
最初の緊張はどこへやら、インタビュアーの手を借りずとも盛り上がっていく異種族のコラボレーション。率直な思いをぶつけるふたりの素直な会話を楽しんでほしい。
- ※公開した記事の内容に一部誤りがあり、当該部分を訂正させていただきました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。
レゴシの“人間臭さ”にすごく親近感を覚える
- きょうはよろしくお願いいします。今回の対談は、板垣先生が小林さんに注目されていると聞いて、セッティングさせていただきました。
- 小林 光栄です。きっかけは、何だったんですか?
- 板垣 月並みですが、「ポッキー」のCMなんです。それまであまりEXILEにくわしくなかったのですが、初めて観たときから、本当に小林さんにしか目がいかなくて。
- 小林 それはまた、奇特な(笑)。
- 板垣 いやいやいや(笑)。あまりの強烈な個性に、ものすごく惹かれたんです。芸能界でもいちばん好きなビジュアルというか、なんだか告白みたいで申し訳ないのですが…(苦笑)。
- 小林 僕も「ポッキー」のCMのおかげで、さまざまな方に認知していただいたので、とても印象深い仕事なんです。
あれは三代目JSBで活動している中でいただいたお話だったのですが、岩ちゃん(岩田剛典)と登坂(広臣)と僕で、笑顔のスタイルが異なる、というディレクションで撮っていただきました。王子的なスマイルが岩ちゃんで、正統派クールな登坂。で、ニヒルな直己みたいな(笑)。 - 板垣 ニヒル…なるほど!(笑)
- 小林さんは『BEASTARS』にどんな印象をお持ちでしたか?
- 小林 全部ではないのですが、漫画とアニメを拝見していて。うちで漫画といえば世界(EXILEのメンバー)なので、きょうは先生のことをいろいろと聞いてから来ました。
- 板垣 ありがとうございます(笑)。
- 小林 『BEASTARS』は動物を描きながらも、人間の本性をあぶり出している点が面白いですね。レゴシ(ハイイロオオカミ)やルイ(アカシカ)といったキャラの対立は、一見すると「草食と肉食だから」ですが、「これって、もしかして人間のこと…?」とも思えてくる。
あと、レゴシにすごく親近感がわきます。背が大きいし、顔怖いし、ちょっと暗いし。自分と似てるなと思っていました。 - 板垣 あはは(笑)。
- 小林さんがおっしゃったレゴシの「人間臭さ」は、先生も意識して造形していたのでしょうか。
- 板垣 「こういうふうに作ろう」よりは、「等身大の男の子を描こう」という感覚でしたね。レゴシはナチュラルに描けたキャラだったのですが、小林さんに共感したと言っていただけて、すごく嬉しいです。
- 小林 きっと何十回も聞かれているかと思いますが、この漫画はどうして動物をモチーフにしているんですか?
- 板垣 小さい頃から「ディズニー」が好きで、擬人化した動物の絵ばっかり描いていたのですが、その絵でいつも物語を想像していたんです。だから、動物の漫画を描こうというよりは、今まで考えてきたものを描いている感覚のほうが近いかもしれませんね。
- 小林 じゃあ、人間よりも描きやすいとか?
- 板垣 そうですね。動物のほうが圧倒的に描いてきた回数が多いので、逆にもう人間を描くほうが怖くて(苦笑)。
- 小林 漫画を読みながら、リアルな人間臭さをすごく感じていて、「これ、すぐ実写にできるな」と思っていました。なんならレゴシをやりたいくらいで。
- 板垣 えっ、やってほしいです…!(笑)
- 小林 本当ですか。お願いします!
- (笑)。
- 小林 アニメを拝見していても、声優さんの演技の方向性が実写っぽくて面白いですよね。自分が漫画に感じた世界観が、すごくアニメに投影されているなと思いました。
- 板垣 アニメは実写っぽいお芝居を意識されているそうで、最初に声優さんたちが演技したものに、あとから絵をつけていると聞きました(編注:「プレスコ」と呼ばれる手法。セリフを先行して収録し、あとから映像を制作する。欧米では主流だが、日本では珍しい)。
- 小林 へえー、それはスゴいですね! まさに世界に誇れる作品ですね。
小林さんを動物にたとえるなら「草食最強」のサイ
- 先ほどレゴシに親近感を覚えるという話もありましたが、もしも板垣先生が小林さんを動物にたとえるとしたら、どんなイメージになりますか?
- 板垣 えっと、じつはきょう描いてきたんです…。よかったらどうぞ!(と原稿袋に入った色紙を渡す)
- 小林 ありがとうございます。じゃあ、さっそく拝見して…(色紙を取り出す)。これはもしかして…サイですか!?
- 板垣 はい、サイです!(笑)
- 小林 かなり(角が)尖っていますね。首の太さとか僕と同じだ。スーツなんですね。
- 板垣 すみません、CMの印象が強くて。すごくスーツが似合う方だなと思っていたんです。
- 小林 ありがとうございます。
- 板垣 サイは草食動物の中でも硬質なイメージというか、「何者にも屈さない」ような硬い強さを持っていると思っていたんです。草食でもいちばん強いイメージがあるので、小林さんにぴったりだと思って描かせていただきました。
- 小林 先生は動物の生態にも興味があるんですか?
- 板垣 どちらかというと造形に惹かれるタイプです。動物って、生きていくために何かに特化しているデザインじゃないですか。それに対して、人間って何も特化していないから、いちばん醜いデザインだなと思っていて……。ただ、その中で、小林さんには動物並みに個性を感じていたんです。
- 小林 ありがとうございます。ちなみに、サイの直己でストーリーを描くとしたら…?
- 板垣 そうですね……(考え込む)。肉食獣たちがはびこる社会で、たったひとり、草食獣として名を馳せている、めちゃくちゃ強いサイの話なんてどうでしょう(笑)。
- 小林 いいですね。クライムサスペンスっぽい作風が合いそうです。大都市の、大人の社会で…。
- 板垣 面白くなりそう! いいかもしれないですね。
新型コロナで変わった、表現者としての矜持
- 小林さんはご自身のビジュアルについて、どのように考えているのでしょう。
- 小林 先ほど造形を褒めていただきましたが、僕、もともと身体のパーツが大きいことが、コンプレックスでした。でも、ダンスを始めたことで自分の気持ちが解放された気がして、どんどんのめり込んでいった過去があったんです。
- 板垣 そうだったんですね。
- 小林 ただ、これまでダンスで言葉を使わなかったぶん、言葉の面でサボっていたなと思うようになって。最近は今回のように違うジャンルで活躍している方と対談したり、芝居に取り組んだりと、新しいことに挑戦しています。
- 板垣 海外ドラマにも出演されていますよね。
- 小林 はい。そのためアメリカでいくつかアクティング(演技)のトレーニングも受けたのですが、その中に「アニマルトレーニング」というものがあるんですよ。
役柄に対して自分が受ける印象にハマる動物を探します。「このキャラクターはオープンな性格じゃないけど、目元に自分の強さを持っている。表立って活動するわけではなく、闇の中で動き回るタイプ――じゃあ、ジャガーだ!」という感じで、ジャガーの動きをひたすら調べて形態模写するんです。 - 板垣 そんなトレーニングが! お芝居も本格的に勉強されているんですね。小林さんは声もすごく素敵だから、声のお仕事も向いているのでは…と思っていました。
- 小林 いつか声優にも挑戦してみたいです。
今はもっと自分の新しい可能性を模索していきたいと思っています。新しいことに挑戦することを、とても楽しんでいます。 - 板垣 それがイメチェンされたきっかけだったんですね。個人的にちょっと気になっていたんです。
- たしかに、これまでは黒髪バックでワイルドな印象が強かったのですが、ヘアスタイルなどを一新して、より親しみやすくなった気がしました。
- 小林 それは、新型コロナウイルスの影響もとても大きかったですね。
去年は「LDH PERFECT YEAR 2020」という形で、LDH総出でライブを300公演以上する予定だったのですが、年始に行ったEXILEのツアー以降、すべて中止になってしまいました。表現する場所が全部なくなったことで、自分に大きな変化がありました。 - 板垣 たしかに…。
- 小林 自分の居場所がなくなった中で、どうやって多くの方々に自分の気持ちを届けられるか。いろいろと試行錯誤するうちに、SNSに注力するようになりました。
- 僕の配信を観てくださった方々から、「元気が出ました!」「ライブができる日を待ってます!」など、たくさんリアクションをいただけて…。自分が活動できるのは、みなさんが応援してくれているから。当たり前だけど大切なことに、改めて気づくことができました。
それまでは「自分の芸を突き詰めたい」という意識が強かったのですが、「多くの人に届けられるようになりたい」と考えるようになりました。もっと自分にオープンになって、新たなファッションやルックスに挑戦したり、コミュニケーションの取り方を変えてみたり、と。 - 板垣 コロナ禍が、自分を見つめ直すきっかけになったんですね。
今はまだ、少年漫画という世界の最前線で戦いたい
- 小林 板垣先生は、コロナ禍による影響を受けましたか?
- 板垣 漫画家という仕事はいつも家の中で作業するので、仕事面ではあまり影響はなかったかもしれません。ただ、精神面ではそうですね…。
私は今年で27歳になるのですが、この1年に、知人から結婚や出産を報告されるケースがたくさんあったんです。きっとみんな、家にいる時間が増えたことで、プライベートを大切にしたいと考えるようになったのかなって。
私は今まで、「家庭を持つ」ことに興味を持てなかったのですが、周りの変化を感じるうちに、私自身にも人間の本能みたいな心境の変化が出てきて…。赤ちゃんを見て「かわいいなあ」と思ったりとか。 - 小林 その気持ち、なんだかわかる気がします。
僕もこれまで「日常を犠牲にすることで芸が磨かれる」と思っていたところがあるのですが、今は「日常がしっかりとあって、そのうえに芸がある」と完全に覆されました。さらに、それに付随して表現があるし、しかも正解はひとつじゃない。
そういう考え方の変化は、漫画の中にも影響がありますか? - 板垣 そうですね。今は『BEASTARS』の連載が終わって、次回作の準備をしているのですが、そうした心の変化が反映されるかもな、と思います。自分の中にある“老いた”一面、というか…。
- 小林 もう構想は浮かんでいるんですか?
- 板垣 まだゆるーくです(笑)。ただ、若いうちは「少年漫画で頑張りたい!」って気持ちもあって。
- 小林 それはなぜですか?
- 板垣 やっぱり(漫画の)最前線だと思うので…。漫画の世界のいちばん前に行けるというか、週刊連載で子どもたちが読んでくれる、このジャンルでまだ戦いたくて。先ほどお話したような自分の成熟とバランスを取りながら、今はまだ少年の心を描きたいなと思っています。
- 小林 なるほど。
- 板垣 ただ、『BEASTARS』はデビュー作で、今の自分から見ると稚拙な部分がありますが、そのぶん当時の初々しさはもう出せないんですよね。複雑な気持ちですが、それはそれでいいかなーとも思っていて。
- 小林 たしかにそういう感覚はありますよね。『BEASTARS』を連載する前後で、変わったこと、変わってないことは?
- 板垣 『BEASTARS』でデビューしたときは、「普通の少年漫画とは違うものを描いている」という自覚があったんです。それもあって、「好きな人だけ読んでくれればいい」と思いながら描いていたんですが、最近はやっぱり「漫画家は売れなきゃダメ」だとも考えていて(苦笑)。
- 小林 へえ…、そういうものなんですか?
- 板垣 いろんな考え方はありますけど、結局、部数が伸びているのが正義だから、目指すところはそこだなって。そういう意味で、ものすごくリアリストになったところはありますね。いちばん大きな変化かもしれません。
逆に、変わってないのは、それでも「人と違うものを描きたい」っていう気持ちですかね。やっぱり、売れるジャンルはあるんですが、自分が描きたいのはそこじゃないって思いはずっとあって。「誰も読んだことがない新しいものを描かなきゃ!」と思っています。
ダンスも漫画も、向上は「破壊と構築」の繰り返し
- おふたりにぜひ伺いたいのですが、漫画とダンス、それぞれの表現のトレーニングはどのように行っているのでしょう?
- 小林 10年以上やっていることもありますが、できないことができるようになるのが楽しい性格なので。あとは、とにかく反復練習ですね。
最初は誰かのコピーでも、どんどん自分のできる幅が広がっていって、「自分はこういうことをしたい」が見えてくる。そうして、徐々に細部を埋めていっている感じです。 - 板垣 私も学生時代は、好きな漫画家の絵の模写ばっかりしていました。これって、すごくいい訓練になるんですよね。好きな漫画家の遺伝子がだんだん自分の身体に入ってくるみたいで、結果的には新しい自分の絵になる。
- 小林 板垣先生が描かれる絵や、『BEASTARS』のアニメに対しても感じるのですが、体重の乗り方が特徴的だなと感じます。
メンバーともよく話すのですが、ダンスは“重み”が出るか・出ないかがすごく大事なんです。体の中のグルーヴから生まれる重み、目に見えない筋肉や骨格の動きで出てくるような重み、それがちゃんと表現できているかどうか。
そういう視点で観ると、『BEASTARS』で描かれるキャラクターは、まったく違和感がなく表現できていますよね。アニメではモーションキャプチャーを使っていると聞きましたが、キャラたちの重みをしっかりと感じることができました。
漫画だと、板垣先生はどうやって描いているんですか? - 板垣 あくまで私個人の考え方ですが、漫画の絵って、極論を言うと正確さを優先しすぎちゃいけないと思っているんです。重さのように、そのコマで大切にしたいものを第一に考えて、デッサンが狂っていようが恐れずに描けたらいいなと…。
ある意味、漫画は念で描くもの、線は魂を込めて描くものだと思っていますね(笑)。 - 小林 ああ、なるほど。自分も、わかるような気がします。整合性が取れていなくても、理性を超えて伝えたい思いが人の心を動かすことがあるし、画面の向こうの人に届くことがあるんだと。
- 小林さんはダンスを踊るとき、完璧に身体をコントロールしたうえで、どのようにパッションを表現しているのでしょうか。
- 小林 まず考え方として、何事も破壊と構築の繰り返しだと思っているんです。練習を重ねることでうまく踊れるようになったら、逆につまらなく感じることも多いですしね。
だから、意識的にルーティンを変えるようにしています。たとえば、普段生活している力加減のまま踊りに入る、など。頑張って力いっぱい踊るのが、必ずしもいいダンスじゃないと思うので。
たとえ筋力がなくたって、ダンスで誰かを感動させることはできる。逆に、僕は筋力や体型に頼ってきたところがあるので、今はもっと表現自体を大事にしたいと思っています。だからこそ最近は、日常を大事にしたいんですよね。 - 板垣 フィジカル以外にも、人を感動させる手段があるわけですね。感情とか。
- 小林 いろいろあると思います。たとえば「母は強し」みたいな覚悟とかもそうですよね。そういうことにも興味が広がってきました。
最後のひとりになるまで、アナログ作画を突き詰めたい
- 先ほどモーションキャプチャーの話が出ましたが、ここからは『BEASTARS』のモーションキャプチャー映像を観ながら、お話を伺えればと思います。
- 小林 (映像を観ながら)これはスゴい。バレエの動きですね。モーションアクターの方の表情とかも、動物たちに反映されているんですね。面白いですね。
- 板垣 小林さんもモーションキャプチャーに興味があるんですか?
- 小林 ものすごくありますね。キャプチャリングにも作品によって特徴があると思いますが。生身による表現と、デジタル処理をしたあとの表現で、どんな化学変化が起きるのかも興味深いです。
- 板垣 近い将来、デジタル上でダンスをする小林さんも観られる日が。
- 小林 LDH JAPANでも、今はJr.EXILEが『BATTLE OF TOKYO』というプロジェクトをやっていて、そこでモーションキャプチャーを取り入れているんです。彼らからその様子を聞いていると、ものすごく面白そうだなとウズウズしますね(笑)。
ただ一方で、この技術を突き詰めていくと、パフォーマーっていなくなっちゃうのかなという不安もあって。 - 板垣 そこまで!
- 小林 あるアメリカの映像会社に行ったときに、「いくつか表情と声のパターンを録れば、表情も音声も全部アバター(分身)で表現できる」と言われて衝撃でした。デジタルの可能性はどんどん広がっていますね。
ちなみに板垣先生はデジタルで漫画を描いているんですか? - 板垣 いえ、じつは完全にアナログ派で…。めちゃくちゃ考えが古いタイプの人間なので、「デジタルなんてけしからん!」と思ってます(笑)。
- 小林 なるほど。
- 板垣 今のところは、アナログ1本で頑張りたいと思ってます。みんながデジタル作画を進めていく中で、このまま自分がずっとアナログでやっていたら、最後の生き残りみたいになれるかもって…(笑)。
グループの中で身につけた「遠くに飛ばす」表現方法
- せっかくなので、板垣先生から小林さんに何か聞きたいことはありますか?
- 板垣 三代目JSBとして音楽番組などに出演されるとき、身長が高いぶん、後ろのほうで踊っていらっしゃることが多いと思います。それなのに、存在感を出せるコツを知りたいです。
- 小林 着眼点がスゴいですね! 三代目だと、僕は後方の真ん中に立っていることが多いのですが、これは完全に背の順というか、立ったときのバランスで編成されています。そういう中で、自分がどういう動きをすると、この画の中で美しくなるのかっていうのは意識していますね。
振り付けでも、もしも自分の右側にいるメンバーが右に手を伸ばしていて、左側のメンバーは左に伸ばしたら、「僕はじゃあ、上に伸ばそう」みたいな。そうやって全体のビジュアルを俯瞰して考えるのが好きなんですよ。 - 板垣 なるほど…!
- 小林 あとは、自分がライブを観に行ったとき、アーティストがこっちを向いてくれるとすごく嬉しかった経験があるので、観客のみなさんに身近に感じてもらえるよう、意識を“遠くに飛ばす”ような踊り方を意識していますね。身体の少し前で手や足を動かして、自分を大きく見せるテクニックです。
- 板垣 ありがとうございます! あと、私は「グループで活動する」ことに、すごく興味があるんです。漫画家は基本的にひとりの作業ですし、学生時代もクラスで「完全に変わってる子」っていう位置づけだったので(苦笑)。
だからこそ、グループの中で「自分の色を出す」って、どういう感覚なのか気になります。役割みたいなものもあるんでしょうか? - 小林 グループにいることで自分が経験したのは、役割を意識することで、自分では考えられなかった場所に行けて、スキルも伸ばせたことですね。そこで見た景色、得られた体験は、自分の中で大きな財産になっています。学校や会社みたいな、組織にいることで感じるものと一緒かもしれません。
- 板垣 なるほど…。今までの黒髪&オールバックみたいなビジュアルも、ある意味、役割みたいなものだったんでしょうか?
- 小林 たしかに、グループの誰かとかぶらないように、試行錯誤の中で生まれてきたスタイルかもしれません。
もちろん役割を演じていた部分もあります。自分のやりたいことが役割と重なっているときもあれば、ズレているときもあって。役割にとらわれすぎて、「自分はどうしたいのか?」と自問自答もたくさんしました。
それが年齢や経験を重ねて、グループ内の立場も変わりました。以前はただのパフォーマーで、いちばん年下だった自分が、今ではEXILE TRIBEの中でも年上のほうになって。いつのまにか自分と役割とのバランスを自然とすり合わせられるようになってきたかも…。こういうのを「大人になる」って言うのかもしれませんね。 - 板垣 なるほど、たしかに…。
- 小林 そういう意味で、この1年は本当に意識が変わるきっかけになりましたね。もっと自分自身を大切に生きたいなと思いましたし、自分を大切にすることで人も大切にできると実感しました。
- 板垣 めちゃくちゃ満足しました。どうもありがとうございます!
- 板垣巴留(いたがき・ぱる)
- 1993年9月9日生まれ。東京都出身。A型。左利き。武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業後、2016年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で4話構成の『BEAST COMPLEX』を短期集中連載し、商業デビュー。同年から『BEASTARS』の連載を開始する。同作は2018年に「マンガ大賞」ほかを受賞し、2021年1月時点で累計発行部数600万部を突破。2021年1月に最終巻22巻が発売。現在、フジテレビ系「+Ultra」ほかでテレビアニメ第2期が放送中。
- 小林直己(こばやし・なおき)
- 1984年11月10日生まれ。千葉県出身。EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマー。 俳優としても活動し、Netflix映画『アースクエイクバード』(2019年)では、米アカデミー賞女優のアリシア・ヴィキャンデルと共演。「箱の中」(2020年)にて長編映画初主演を果たす。
作品情報
- TVアニメ『BEASTARS』 第2期
- 第1期:Netflixにて独占見放題配信中!
第2期:フジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24:55から放送中!
ほか各局でも放送中!
Netflixにて毎週木曜日独占見放題配信中!(日本先行)
関西テレビ:毎週木曜日25:55〜
東海テレビ:毎週土曜日25:45〜
テレビ西日本:毎週水曜日25:55〜
北海道文化放送:毎週日曜日25:10〜
BSフジ:毎週水曜日24:00〜
※放送日時は予告なく変更の可能性があります。
【スタッフ】
原作:「BEASTARS」板垣巴留(秋田書店 少年チャンピオン・コミックス刊)
監督:松見真一
脚本:樋口七海
キャラクターデザイン:大津直
CGチーフディレクター:井野元英二
美術監督:春日美波
色彩設計:橋本賢
撮影監督:蔡伯崙
編集:植松淳一
音楽:神前暁(MONACA)
制作:オレンジ
オープニングテーマ:YOASOBI「怪物」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
エンディングテーマ:YOASOBI「優しい彗星」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
Twitter(@bst_anime)
https://twitter.com/bst_anime
公式ホームページ
https://bst-anime.com/
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
サイン入り色紙プレゼント
今回インタビューをさせていただいた、板垣巴留先生×小林直己さんのサイン入り色紙を抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\本日深夜、TVアニメ『#BEASTARS』最終回!/#板垣巴留 と #小林直己 のサイン色紙を1名様にプレゼント!#EXILE #三代目JSOULBROTHERS ##bstanime
— ライブドアニュース (@livedoornews) March 24, 2021
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は3/30(火)22:00
インタビューはこちら▼https://t.co/E9zQ3Wt5oS pic.twitter.com/0rM66O9mY3- 受付期間
- 2021年3月24日(水)22:00〜3月30日(火)22:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/3月31日(水)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月31日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月3日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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