TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』特集/第5回:唐澤和也×内藤圭祐「鼻水は稲田先生の作画のアイデンティティ」

1989年〜1996年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険(以下、『ダイの大冒険』)』(原作:三条陸、作画:稲田浩司)。人気RPG『ドラゴンクエスト』の世界観をベースに、魔王軍の脅威に対し、少年勇者・ダイとその仲間たちの戦いを描いたバトルファンタジーだ。

強大な敵とのバトルシーンは、一瞬も目が離せない手に汗握る展開。さらに友情、成長、絆、愛など、涙なしには語れないドラマも特筆すべき内容で、コミックスの累計発行部数は4,700万部超を記録。まさしくジャンプ黄金期を支えた不朽の名作が、2020年10月、新たにTVアニメ化を迎えた。

ライブドアニュースは今回、2020年版『ダイの大冒険』に大注目。キャラクターに命を吹き込むキャスト陣、最新CG技術とのハイブリッドで作られた映像を生み出すスタッフたちにインタビューを行い、新生したアニメ『ダイの大冒険』の魅力をシリーズでお届けしていく。

シリーズ第5回に話を聞いたのは、約30年ぶりのアニメリブートを手掛ける東映アニメーションの唐澤和也シリーズディレクター(監督)と内藤圭祐プロデューサー。「『ダイの大冒険』を愛するスタッフが集まっている」と語るとおり、言葉の端々から原作愛を感じることができた。

取材・文/川俣綾加

「TVアニメ『ダイの大冒険』」特集一覧

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原作が大好きだったメンバーが集結してアニメ化へ

原作漫画の完結から24年。2020年の今、なぜ再びアニメ化に至ったのでしょうか?
内藤 集英社さんから声が掛かったと聞いております。『ダイの大冒険』の連載を当時リアルタイムで楽しんでいた世代がそれぞれの会社で中堅クラスのポジションになっていたことも大きなポイントだと思います。

今この時代に『ダイの大冒険』を再びアニメで盛り上げたいという各自の熱が高まって、アニメ化に向けて企画がスタートしました。
今回のアニメは毎週土曜日の朝9時30分からの放送になりますが、親子がターゲットに?
内藤 個人的に理想としているのは、『ドラゴンボール』のTVシリーズのような存在になることです。

『ドラゴンボール』も現在30〜40代の人たちが子どもの頃に楽しんでいた作品で、ちょうどこの世代の子どもたちが今は『ドラゴンボール超』を観ているんですよね。『ダイの大冒険』もまた、親子2世代で一緒に楽しめる作品にしたいと思っていました。
たしかに親子で一緒に同じアニメを楽しめることは幸せですよね。
内藤 子どもにとって、自分の好きなことを肯定してくれる親はとてつもなく大きな存在だと思います。親子でお互いに「好き」を肯定する、この作品を観ればきっとそういうシチュエーションになるはず。

『ダイの大冒険』を視聴する体験そのものも家族の思い出にしていただけたら、僕たちも最高に幸せですね。
唐澤さんはシリーズディレクター(監督)として制作に携わるのが初めてだったそうですね。
唐澤 はい。「ついに来た! やってやるぜ!」とガッツポーズな気持ちでした(笑)。僕はずっと演出をやっていて、やっぱり憧れの仕事だったので。しかもそのタイトルが『ダイの大冒険』でしたから。
9月6日に行われたアニメ放送記念スペシャルイベントの生配信でも、唐澤監督が『ダイの大冒険』が大好きで、とても気合が入っている様子が伝わってきました。
唐澤 そうですね。シリーズディレクターを任せてもらえるということで上司に呼ばれ、複数のアニメ化企画タイトルを提示されたんです。「どれがいい?」と。

その中に『ダイの大冒険』があったので、「僕は『ダイの大冒険』がいいです!」と即答でした。ど真ん中の世代で、めちゃくちゃ好きな作品だったので迷いはありませんでしたね。こんな嬉しいことはないです。
▲写真右からダイ(CV:種﨑敦美)、ゴメちゃん(CV:降幡愛)。
種﨑敦美さんがインタビューで、スタジオオーディションの際に唐澤監督が「クロコダイン好きが高じて体を鍛えている」とおっしゃっていて、「この人と絶対に一緒に作りたい!」と話していました。
唐澤 それならよかったです(笑)。オーディションは僕らも役者さんもやはり緊張してますから、何か言わなきゃなって。もともと筋肉美を追求した体型が好きなんですよ。趣味もウェイトトレーニング。クロコダインは、中身も肉体も僕にとって本当にカッコいい憧れのキャラクターです。
内藤 スタジオオーディションでは、参加してくださった声優のみなさんにまず今回のアニメ化に際しての方針をご説明したのですが、唐澤監督のクロコダインのくだりでつねにみなさん和んでいらっしゃいましたね(笑)。
放送がスタートして、それぞれの役の声のハマり具合も話題です。少年の声を巧みに演じる女性声優の方はたくさんいますが、ダイ役が種﨑敦美さんに決まった理由は?
内藤 ダイ、ポップ、マァムは先述のスタジオオーディションをさせていただき、そこでいろいろなセリフを演じていただきましたが、とくに種﨑さんのお芝居は、僕らの中ですぐに「この人だ」って空気がありましたよね。
唐澤 そうなんです。種﨑さんについては飛び抜けて“ダイ感”がありました。
オーディションではどんなことをしたのでしょう?
内藤 原作やシナリオから複数のシーンのセリフを拝借して、バトルで必殺技名を叫ぶところや、くだけた日常会話を演じてもらいました。

その中でもとくに……これ言っちゃって大丈夫かな、バラン(CV:速水奨)が絡んだバトルの後、ダイの心からの叫びがあるのですが、種﨑さんの芝居が素晴らしくて。
本編で聞くのが楽しみです。
唐澤 僕はアフレコで演出と一緒に音声や演技をチェックする立場なので、「もっとこういうふうに言ってください」とディレクションをしたときのレスポンスも拝見させていただきました。

種﨑さんがダイを演じると、頭の中でダイが動いている姿がいちばん想像できたんです。ポップ、マァム、レオナもそれが決め手でした。映像のイメージがすっと入ってくる感じで。
内藤 種﨑さんのダイは「純粋」な感じもとくにありましたよね。『ダイの大冒険』にはそのキャラクターを象徴する性質がそれぞれあるのですが、その雰囲気を非常に感じることができました。
原作だと序盤はギャグっぽいテイストも多く見られますが、種﨑さんは「アニメでは最初からわりと、物語中盤以降のシリアスな雰囲気が漂っている」と話していました。演技の方向性にも影響はあるのでしょうか?
唐澤 (原作の)前半に多かったギャグ表現を軽減しているので、その観点でいえば演技もトーンがおとなしめではあります。「ボヨヨ〜ン」みたいなギャグも抑え気味にしていて。

ただ、ダイは「元気な少年」がキャラクターの軸にあるので、あくまでも元気なイメージは崩さず、種﨑さんにはそこからもう一歩、物事に理解力のある少年の演技も取り込んでいただいて。後半の落ち着きのあるダイをベースに、前半のギャグっぽい部分を演じていただきました。とはいえギャグをやるときは思いっきりやる、とメリハリをつけるようにしています。
▲ポップ(CV:豊永利行)。

ポップとハドラーは三枚目の芝居が配役の決め手に

もうひとり、ファンが多いキャラクターといえば豊永利行さんが演じるポップです。
内藤 もうひとりの主人公としてかなり人気がありますよね。読者的にはダイよりポップのほうが感情移入しやすいキャラクターなんだと思います。
今回のアニメでも、豊永さんがいい感じにヘタレ感を発揮していますね。
内藤 そうですね(笑)。原作を読んだ方はご存知だと思いますが、作中でもとくに成長を感じさせるキャラクターですし、その愛すべき人間性に癒やされるんですよね。オーディションではポップのカッコいいお芝居はもちろんなんですが、少しスケベなところだったり小狡かったりと、三枚目のお芝居のところをとくに重視しました。
唐澤 カッコいい演技はみなさんとてもお上手なんですよ。でも案外、くだけた演技が難しくて。
アニメ放送記念スペシャルイベント映像で、キャスト陣からイジられている豊永さんがポップらしくもありました。
内藤 アフレコ現場でも豊永さんがいい雰囲気を作ってくださっています。5月に配信された新プロジェクト発表会に出演した際も、視聴者からのコメントで「リアルポップだ」と言われていて。
唐澤 僕も「ポップと話しているのかな?」って思うくらい、豊永さん自身がポップっぽさをお持ちですよね。
内藤 アフレコでも隙あらばアドリブを差し込んできますし(笑)。
放映中の本編でも「もしかしたらここはアドリブかな?」みたいな楽しみ方も。
唐澤 ありますね。あくまで原作に忠実でありつつも、ドタバタしたシーンなど羽目を外したい場面では遊んでいただいています。
小松未可子さんが演じるマァムはいかがですか?
唐澤 マァムは、原作で三条先生が明言しているとおり、みんなのお母さん役なんですよね。名前も“母(mom)”から来ていますし。

あの世界ではダイもポップも精神年齢的にまだまだ子どもなので、彼らを軽くあしらったり、傷ついたヒュンケル(CV:梶裕貴)を優しく包み込んだりと、包容力を感じられる演技ができる小松さんに決定しました。お芝居的にはマァムは村娘、一方でレオナ(CV:早見沙織)は気品もあるイメージで演じていただいています。
レオナはお姫様ですもんね。
唐澤 お転婆なお姫様ですよね。それでいて品性もある。マァムとハッキリ区別をつけるためにも、レオナ役には早見沙織さんはぴったりでした。レオナはキツいこともハッキリと言うキャラクターなので、セリフが嫌味に聞こえてしまわないように。そういう絶妙な演技ができる声優はやっぱり早見さんなんですよ。
▲写真上はマァム(CV:小松未可子)、下はレオナ(CV:早見沙織)。
アバン役の櫻井孝宏さんについてはどうでしょう?
唐澤 アバン先生は、軽妙だけど軽いわけじゃない、包容力があって優しい声。ダイたちをきちんと諭して、しっかりと導いてくれる感じの演技やニュアンスができるのは、オーディションでは櫻井さんがダントツな印象でした。

優男だけど優男に留まらず、隠された何かを持っている感じ。反面、けっこうふざけたキャラクターでもあるじゃないですか、先生って。
初登場時はうさんくさいですよね。
唐澤 そうなんですよ、すごくおどけてますし(笑)。櫻井さんが演じるアバン先生のシリアスとギャグのメリハリがすごくよかったですね。
内藤 原作への思い入れの強いスタッフが制作に携わっているので、それぞれが思い描くアバン先生の声があるんです。櫻井さんのアバン先生は監督が話したポイントをすべて表現されていて、ほぼ満場一致で決まりましたね。
唐澤 櫻井さんの人柄もアバンっぽいですよね。ちょっと引いたところで真をついたひと言をぼそっと言って「あはは」と笑うようなところとか。
内藤 それはすごくよくわかります(笑)。
▲アバン(CV:櫻井孝宏)。
旧作では「メ・ガ・ン・テ」とアバンが技名を叫ぶ場面は、“ためる”演技でした。新作では「メガンテ!」と勢いと力を感じさせる叫び方で、櫻井さんは「今回の映像や演出の方向性を考えたらこっちなのかなと思って」と話していました。ここはどんなディレクションがあったのでしょうか。
唐澤 役者のみなさんは今まさに役を生きている状態だと思うんですよね。画面の演出もあるので「この演技でお願いします」とオーダーはしますが、基本的には役者さんの中に自然に出てきたものを優先しています。

あとは、物語があり、キャラクターの感情があったうえでの技名のセリフなので。前後の文脈を踏まえて「もっと抑え気味に」「苦しそうに」など調整をお願いすることもあります。
敵キャラクターについてもお聞かせください。ハドラー役に関智一さんを選んだ理由は?
唐澤 ハドラーって初登場時だと強めのチンピラなんですよ。ポップと同じで、カッコいい演技だけでなく三枚目な演技も求められる。
内藤 ハドラーもストーリーの中で大きく成長します。関さんは、初出のチンピラ感から格のある武人感までの芝居の使い分けが素晴らしかったです。
子安武人さん(ミストバーン役)、岩田光央さん(ザボエラ役)、速水奨さん(バラン役)など、魔王軍はベテラン声優がそろっていますね。ダイたちが若手の方々、魔王軍がベテラン勢なのは意識してキャスティングしたのでしょうか?
内藤 もちろんキャラクターと声が合っているかが大前提ですが、六大軍団長はそもそもイケおじが多いので、おのずと年配の頼もしい声優の方々が集まってくださいました。
唐澤 旧作からキャストを一新したのは、『ダイの大冒険』を10年後、20年後も愛され続けるコンテンツにしたい、という考えがありました。旧作のキャストの方々の続投を望む声も多かったのですが、長く演じていただける方かどうかはキャスティングにおけるひとつの指針だったんです。
▲ハドラー(CV:関智一)。

シナリオのト書きにもある「ハナタレ驚愕」のこだわり

原作前半のギャグテイストを控えめにして中盤以降のトーンで進めているとのことでしたが、キャラクターデザインも同様でしょうか?
唐澤 原作の連載は7年続いたので、その期間に絵柄もだいぶ変わってるんですよね。演出と同じく後半の絵柄を軸に、少し現代風にリファインしています。
内藤 稲田先生らしさが損なわれないようにしつつ、ですね。
稲田先生からは何か要望はありましたか?
唐澤 頭身やキャラクターの胴と足の長さのバランスの面で「ちょっとカッコよすぎ」、「デフォルメしすぎ」など、1つひとつを先生方と密にやりとりしながら微調整しています。
原作後半の絵柄を踏まえつつも、第5話でアバンが「メガンテ」を発動したときのハドラーの鼻水の表現は「やってくれた!」という気持ちになりました。
内藤 ありがとうございます。鼻水の表現に関してはシナリオの段階から非常にこだわっていた部分でした。

後半に合わせたキャラクターデザインだと、必然的にギャグ表現は控えめになります。でも、『ダイの大冒険』における鼻水って、稲田先生が描く象徴的な驚愕の表現であり、アイデンティティのひとつです。だから絶対に外せませんでした。
唐澤 シナリオのト書きにも「ハナタレ驚愕」としっかり指示があるんですよ。
「ハナタレ驚愕」は語呂もよくて、いいワードですね(笑)。
内藤 シナリオの中でもお決まりのワードになっています(笑)。今後もいろいろなキャラクターのハナタレ驚愕シーンがあるので楽しみにしてください。
『ダイの大冒険』の魅力といえばアクションですが、原作を読むと戦闘中のモノローグや解説が多い印象がありました。映像に落とし込むうえで、どのように演出しているのでしょうか?
唐澤 解説パートも『ダイの大冒険』のアイデンティティのひとつだと考えていました。そういったセリフを「見ればわかるから」とバッサリ切ってしまうと、作品らしさが失われてしまいます。それは残しつつ、映像で観てもリアルタイムでバトルが進行していると感じられるよう、シナリオや絵コンテで調節しています。
必殺技や呪文を映像化するには、動きの解釈が必要になるかと思います。解釈が難しかったものはありますか?
唐澤 特殊な技は難しいですよね。「メラ」なら炎、「ヒャド」なら氷とわかりやすいですが、たとえば重圧呪文「ベタン」の重力を使う表現だったらどうしよう……と。

あと「メドローア」も、氷の呪文と炎の呪文を合わせる魔法で……何色になるんだろう?と悩みました。シンプルに考えれば青(氷)と赤(炎)を混ぜるので紫になるけど、紫ってあまり「メドローア」っぽくないですよね(笑)。

金色のほうが特別感や最強っぽさがあるなとか、魔法の表現はまだまだ試行錯誤中です。
内藤 魔法力なのか闘気なのかわからない部分なども、制作側で作った技の参考設定を原作側に見ていただきながら作業を進めています。
こういった演出方法は、東映アニメーションならではの「子どもがわくわくする表現」のノウハウが活かされそうですね。
唐澤 それはありますね。僕が演出として関わっていた『ドラゴンボール超』でも、「かめはめ波」を出す際の見得の切り方、カッコいい見せ方が必要なシーンがたくさんあるので。そういったノウハウを学ばせていただいたので、『ダイの大冒険』にも反映できていると思います。
表現でいえば、原作にはマァムが胸をつつかれたり、マトリフが女性キャラのお尻を触ったりなどのシーンがありますね。
唐澤 今では難しい表現ですね。ただ、そういったシーンの中にも『ダイの大冒険』らしさがあるので、たとえばマトリフの場合は「一瞬だけ匂わせるけど実際にはやらない」といった具合に、現代の流れにカスタマイズしつつも、可能な限り残すようにしたいと思っています。
もうひとつ、流血描写はどうですか?
唐澤 『ダイの大冒険』は「血」が作品の根幹にあるテーマでもあるので、流血描写は基本的にアリでやっています。ドラゴンの血の色、人間の血の色もキーになりますから。

もちろん剣で斬ったときのグロテスクな表現はNGですが、1カット血が跳ねるのはOK。鮮血ではなく濁った色にしたり、モンスターの血は緑色にしたりと工夫はしています。

作画では、CGを使って難しいカメラワークにも挑戦

CGを使うことで奥行きが出て、ダイたちが本当に世界を駆け巡っているような感覚になりました。
唐澤 東映アニメーションでは珍しく、BG(背景)もCGにして、作画では厳しいカメラワークに挑戦しています。第2話のキラーマシーン戦ではフルCGで、CGの得意な表現を盛り込みました。
手描き、撮影処理、CG、それぞれ制作上のメリット・デメリットがあるかと思います。「これはCGで」「あっちは撮影で」と、どう判断しているんですか?
唐澤 絵コンテが上がった段階で、撮影処理にするかCGにするか、CGのスタッフと打ち合わせをして決めています。

基本的にはガイドライン化していて、呪文類はCG。また、「アバンストラッシュ」のような必殺技も、放つときのバチバチといった派手なエフェクトなど撮影処理では難しいものはCGを採用してます。
物語の後半になるほど呪文は派手になっていくので、どんな表現になるのか楽しみです。モンスターはいかがですか?
唐澤 場面によって分けて考えていますね。たとえばモンスターでも、泣いたり痛がったりする表情は、CGだとつけづらいのが弱み。表情を見せたいときは作画に置き換えて作業しています。

逆にモンスターが群れで走っているところをカメラがバーッと抜けていくシーンはCGとか、作画とCGのよいところを取りながら作っていますね。
モンスターのCGは東映アニメーションでの制作ですか? スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)からのアセット(CGの素材データ)があるのでしょうか?
唐澤 スクエニさんから参考素材をいただいて、アニメ側で設計しています。
内藤 『ダイの大冒険』はいちからモンスターの設定を起こしているので、いただいた情報をもとに改めて作って進めています。
▲写真左のきめんどうし、ブラスを演じるのは緒方賢一。

『ダイの大冒険』は親子で楽しめる“王道の教科書”

制作するうえでいちばん力を入れているのは、やはりアクションシーンでしょうか?
唐澤 僕自身がアクション畑の演出家なので、アクションの派手さや激しさはぜひ注目して観ていただきたいです。

でも、それと同じくらい『ダイの大冒険』は人間模様の変化や心の揺れ動きも魅力的で、感情面ではすごくウェットな作品だと思います。アクション一辺倒ではなく、アクションは大事にしつつ感情の機微も描いていきたいですね。
敵キャラクターにもそれぞれの背景があるのがまた魅力ですよね。
唐澤 みんなきちんと理由があって戦っていますよね。
内藤 シナリオを三条先生、稲田先生に確認していただく中で、やっぱり先生方が大切にしているところも感情や心情だと改めて感じました。感情の動きは、原作でも一貫して丁寧に描かれている部分でもあります。
唐澤 そこをしっかり表現するため、アニメが原作のダイジェストにならないように気をつけています。シナリオの1話数あたりの内容とテレビの放送尺は決まっておりますので。ストーリーの流れが早すぎると「さっきまで悩んでいたのにもう切り替えたの?」と、観ている人が置いてきぼりになってしまう。キャラクターの心の整理がついて次の展開に移るまで、きちんと尺を取って見せられるよう心がけていますね。
老若男女に楽しんでもらうため工夫していることはありますか?
内藤 物語の構成上、並行して複数のバトルが展開されることもあるため、視聴者を混乱させないようシリーズ構成の千葉克彦さんが時系列や見せる流れをしっかりと整理してくれました。

1話およそ30分の中で、原作をメリハリをもってアニメに落とし込んでくださっています。お子様でもストーリーをすんなりと理解できると思います。
今の若い人たちが『ダイの大冒険』をどのように視聴するのか楽しみです。
唐澤 『ダイの大冒険』は今のさまざまな作品のフォーマットになっている、まさに“王道の教科書”だと感じています。今回のアニメには『ONE PIECE』に関わった演出家も参加しているのですが、「『ONE PIECE』と通じるところがある」と言っていて。そうしたジャンプ作品の遺伝子を感じてもいただけるんじゃないかと。
唐澤監督が 「早く演出したくてたまらない」シーンはありますか?
唐澤 まだまだ先の話ですが、バランの「変わらず…寝かしつけるのが下手だな…」とつぶやくシーンは個人的に楽しみにしています。もちろん他にも見せ場はいっぱいありますが、しぶくてカッコいい彼の不器用さは、大人になってから心に来るものがありました。

あと、今ではハドラーの中間管理職の苦労もすごくわかるようになりました。上は厳しいし、下を管理するのも大変だし、「わかりますよ、ハドラーさん!」と言いたくなる(笑)。
ハドラーに感情移入してしまう大人は多そうですね。改めて、唐澤監督と内藤さんが考えるアニメ『ダイの大冒険』の魅力は何でしょうか?
唐澤 まず、原作がいつまでも色あせない素晴らしい漫画であること。『ダイの大冒険』は脈々と次世代に受け継ぎたい名作です。

アニメのシリーズディレクターとしては、とにかく新たな『ダイの大冒険』をあらゆる人たちに観ていただきたい。時代も変わったのでところどころ変更はありますが、旧作も最大限リスペクトしながら作っているので、旧作ファンの方にもぜひ観ていただきたいです。「これが令和の時代に作られた新たな『ダイの大冒険』だ」と感じてもらえたら嬉しいです。
内藤 『ダイの大冒険』の音楽は、ご自身も作品の大ファンである林ゆうきさんにお願いしました。「早く発注してください!」と催促が来るくらい高いテンションで音楽を作ってもらったので、すごく贅沢な曲ばかり。映像と合わせて音楽も楽しんでもらいたいですね。

作品が好きな人ばかりが集まっているので制作に対する熱量も高くて、「ダイの魅力ってこうだよね」と都度、確認しながら作っています。長年のファンの方にもきっと納得してもらえるアニメになっているはず。子どもがいる方は、ぜひ親子で観ていただけたらと思います。
唐澤和也(からさわ・かずや)
7月5日生まれ。東京都出身。シリーズディレクター。2012年に東映アニメーション入社。これまでに関わった作品に『ドラゴンボール超』、『ワールドトリガー』、『ドラゴンボール超 ブロリー』、『スーパードラゴンボールヒーローズ』など。
内藤圭祐(ないとう・けいすけ)
2月3日生まれ。東京都出身。A型。プロデューサー。2007年に東映アニメーション入社。これまでに関わった作品に『ワールドトリガー』(AP)、『魔法つかいプリキュア!』、『HUGっと!プリキュア』、『映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』など。

作品情報

TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』
テレビ東京系列で毎週土曜日朝9:30から放送中
※放送日時は編成の都合などにより変更となる場合があります。
公式サイト
https://dq-dai.com/
Twitter(@DQ_DAI_anime)
https://twitter.com/DQ_DAI_anime

© 三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 © SQUARE ENIX CO., LTD.

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受付期間
2020年11月7日(土)10:00〜11月13日(金)10:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/11月16日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
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