「パント!のお姉さん」に20歳で抜擢。上原りさと「おかあさんといっしょ」の7年間

幼児向け教育番組「おかあさんといっしょ」(NHK Eテレ)のパントマイムをモチーフにした身体表現のコーナーで、「パント!のお姉さん」として親しまれた上原りさ。

宝塚歌劇団のファンである母親の影響もあって、子どもの頃から歌や踊りが好きだったという。ピアノとバレエを習い、音大のミュージカルコースに進学。大学在学中にオーディションを受け、“5代目・身体表現のお姉さん”に選ばれた。

20歳の若さでお姉さんに抜擢された当初は、「泣いている子に対して、どう接すればいいのかわからなかった」という。手探り状態の中でやっと手応えを掴んだのが2年目のこと。そこから昨年3月に卒業するまで、7年のあいだ、無我夢中でお姉さんの職務を全うしてきた。

今回のインタビューでは“りさお姉さん”時代の思い出や、貴重な子ども時代の話、今後の夢についても語ってもらった。

撮影/曽我美芽 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

就任当初は20歳。手探りで掴んだ、自分らしいお姉さんの姿

上原さんは2012年4月から2019年3月までの7年間、5代目・身体表現のお姉さんとして活躍されてきました。今、思い返すと、どんなことが浮かんできますか?
私が最初に身体表現のお姉さんとして出させていただいたときは20歳で、まだ大学生だったんですね。最初は子どもたちの思いをどうくみ取ればいいか、泣いている子にどう接したらいいのか、すごく悩みました。
そのお悩みはどう解決されていったのでしょうか?
先輩たちの姿から学ぶことが多かったです。

でも、ある方から「ひとつのお手本として先輩たちのマネをするのもいいけれど、そこにりさちゃんらしさを足していけたらいいね」と言われたのがすごく印象的だったのを覚えています。
とはいえ、当時の上原さんはまだ20歳。子どもたちへの対応に自分らしさを見つけるのは大変ではなかったですか?
とても難しかったです。最初は本当に手探り状態でした。

でも、2年目ぐらいから、自分の要素を入れていけるようにしたいなと頑張って。少しずつではあるのですが、子どもたちとの接し方が身についていったように思います。
子どもたちと接する中で気づいたことはありますか?
子どもは叱られると、逆に頑なになってしまうところがあるんだなと。なので、いかに収録を楽しんでもらえるのかをいちばんに考えていました。
子どもたちから刺激を受けることも?
私が番組でやっていた『パント!』はパントマイムをモチーフにしたコーナーだったのですが、子どもたちは大人の想像を遥かに超えたものを表現してくるんですね。そういう意味では、子どもたちが私の先生でもありましたし、大きな刺激を受けました。
子どもたちとしても想像力や発想力が広がりそうですね。
身体表現の醍醐味は、子どもたちが身体ひとつで遊べること。遊具がなくても楽しんでくれている子どもたちの姿を見るのは、私自身も楽しかったです。

宝塚ファンの母親の影響で、歌や踊りが好きだった

子どもの頃から身体を動かすことがお好きだったのでしょうか?
私の母親が宝塚歌劇団のファンだったので、その影響もあったのか、私自身も踊ったり、歌ったりすることが好きでした。

小さい頃からバレエとピアノを習っていて、大学でもミュージカルコースを専攻していたので、そういう意味では母の影響を受けていたんでしょうね。
お父さんはどんな方でしたか?
父はよくも悪くも昔かたぎの人だったので、頭ごなしに叱られることもしばしば。勉強のことでは、よく父親に叱られていましたね。こんなことを言うと父は悲しむかもしれませんが、そのせいで私は勉強嫌いになってしまいました(笑)。

結局、父に叱られる勉強よりも、母が習わせてくれたバレエやピアノのほうが好きになって、この道に進んでいるので。

自分に「絶対に病気にならない」という暗示をかけていた

「おかあさんといっしょ」は、毎朝月曜〜土曜の午前8時から放送されている帯番組です。上原さんがレギュラーでお姉さんを務められているときは、1週間のスケジュールはどのような感じだったのでしょうか?
月曜から水曜までが収録で、木曜日がリハーサル。金曜日は移動日で、土曜日には地方でファミリーコンサートを行う、というスケジュールでした。
“よしお兄さん”こと小林よしひささんが「寝ても覚めても“よしお兄さん”の感覚でいました」と言われていましたが、本当に1週間丸ごと、ほぼ毎日と言っていいほど『おかあさんといっしょ』と一緒の生活なんですね!
そうでしたね(笑)。でも、「おかあさんといっしょ」のときは、1週間のスケジュールがルーティン化されていたので、体調の管理がしやすかったです。

番組を卒業した今は立て続けに地方に行くこともありますし、テレビ局もNHKとは違うところに行くことも多いので、それはそれで緊張します(笑)。
NHKのスタジオが故郷のような感じ?
20歳から7年間も通い続けてきたので、そういう感覚はありますね(笑)。ほかのテレビ局にうかがうと、どうしても緊張してしまいます。
先ほど「おかあさんといっしょ」の仕事はルーティン化されているので、体調管理がしやすかったと言われていましたが、そこに関してはいかがですか?
これは今も続けていますが、インフルエンザを含めて予防接種は必ず受けるようにしています。とくに「おかあさんといっしょ」では小さなお子さんが近くにいるので、体調管理には必要以上に気をつけていました。

それでも少し調子が悪いなと思ったら、加湿しながらマスクをして早めに寝たり、体調を整えていましたね。
“病は気から”という言葉がありますが、それこそ1週間フルに“りさお姉さん”でないといけないという緊張感で、体調不良が治ってしまうこともあったのではないかと思います。
それはあるかもしれません(笑)。収録前日に熱を出していても、翌日の本番ではすっかり元気になっていることもありましたから。

もちろん、インフルエンザなど人を介して感染するものや、自分の対処ではどうしようもない病気もあるので、すべてにおいて“病は気から”とは言えないと思います。でも、私に関することだけで言えば、当時は自分に「絶対に病気にならない」という暗示をかけて、それを信じ込ませる不思議なアドレナリンが出ていたような気がします(笑)。

“よしお兄さん”は、いつでも頼りになる先輩

『映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!』は、映画としても“りさお姉さん”としても前作に続いての2作目。出演が決まったときの感想を教えてください。
正直に言うと、呼んでいただけるとは思っていなかったので、びっくりしました(笑)。

私とよしお兄さんが番組を卒業した後、新しいお兄さん、お姉さんになってから初めての映画でもあるので、そこに参加させていただけてとても光栄です。
“よしお兄さん”ともひさびさの再会だったのでは?
番組からの卒業後、3ヶ月ぶりにお会いしたのですが、やはり安心感がありました。

私が最初に「おかあさんといっしょ」の世界に入らせていただいたとき、すでに“よし兄”は8年目で、みんなのお兄さん的存在だったんですね。番組では本当に頼りっぱなしだったのですが、今回また映画でご一緒させていただいたときも“よし兄”は頼りになる先輩で、いろんな場面で助けていただきました。
改めて、今回の映画の見どころを教えてください。
子どもたちへの声のかけ方やもらい方も「おかあさんといっしょ」の世界観そのままで、それでいて映画ならではのスケールで楽しめる作品になっています。

さらにアニメと、“すりかえかめん”が大暴れする実写のシーンが次々に進行されていくので、新たな楽しみが盛りだくさんで。かつ、「おかあさんといっしょ」としての普遍的なメッセージも込められているので、ぜひ多くの方に楽しんでもらえたらうれしいです。
りさお姉さんファンにとっては、今後の活動についても気になるところだと思います。1月29日にはデビューシングル「はみがきジョーズ/ベイビーシャーク」がリリースされますが、今後は歌手としての活動も?
私自身、「おかあさんといっしょ」で歌うことはなかったのですが、もともと歌は好きなので、歌の活動もやっていければと思っています。

「はみがきジョーズ」のPVでは子どもたちにも参加していただいて、とてもかわいい作品に仕上がっているので、ぜひみんなで踊りながら歌っていただけるとうれしいです。
歌もダンスもお得意ということならば、近い将来はミュージカル舞台も?
大学で専攻していたのがミュージカルコースだったので、ミュージカル俳優として舞台に立つのは自分の夢でもありますね。「ミー・アンド・マイ・ガール」や「アーネスト・イン・ラブ」といったコメディ色のある作品に挑戦してみたいです。
上原りさ(うえはら・りさ)
1991年9月17日生まれ。兵庫県出身。O型。2012年、大学在学中に「おかあさんといっしょ」(NHK Eテレ)のオーディションに合格。同年4月より5代目・身体表現のお姉さんとして活動し、2019年3月に7年間の在任期間をもって卒業した。その後は活動の幅を広げ、1月29日には歌手としてデビューシングル「はみがきジョーズ/ベイビーシャーク」をリリースする。

映画情報

『映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!』
1月24日(金)ロードショー
https://eiga-okaasan.jp/2020/

歌って踊って、クイズにチャレンジ! 親子で楽しめる約60分!
“映画館でいっぱい遊ぼう!”のコンセプトのもと、お兄さんお姉さんたちと歌ったり踊ったり、参加型のクイズなど、お楽しみがいっぱい!
番組を卒業した、よしお兄さんとりさお姉さん、だいすけお兄さん、そして俳優の賀来賢人さんが登場!
お兄さんお姉さん、豪華なゲストたちとの共演にも注目!
そして、番組の人気キャラクター“すりかえかめん“と“すりかえお嬢”が大騒動を巻き起こす! 映画館デビューにぴったりな親子で楽しめる体験型映画。

出演:花田ゆういちろう 小野あつこ 福尾 誠 秋元杏月
/小林よしひさ 上原りさ 横山だいすけ/賀来賢人
チョロミー ムームー ガラピコ
声の出演:吉田仁美 冨田泰代 川島得愛

©2020「映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!」製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、上原りささんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2020年1月29日(水)12:00〜2月4日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/2月5日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月5日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月8日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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