幼い頃の“ひとり遊び”が今も続いている。変幻自在な歌声を奏でる、悠木碧の原点

アニメのエンドクレジットを目にするまで、彼女がキャラクターボイスを務めていたと気づかない人も多いのではないだろうか。

新しいキャラクターを演じるたび、声優・悠木碧は聞いたことのない声やお芝居で我々を魅了してやまない。その技巧は業界トップクラスである。

そしてそれは、ソロアーティストとしての悠木碧も同じ。「声優が歌う意味」を体現するかのように、楽曲ごとに別人のようなパフォーマンスを披露するその姿は、変幻自在と呼ぶにふさわしい。

そんな悠木のルーツは、幼い頃から面白い音を見つけてはそれを真似していた“ひとり遊び”にあるという。音に対する豊かな感受性と探究心こそが悠木の個性なのだろう。

さらにはそれを「楽しいからやっているだけ」と言い放つ。エンターテインメントの作り手はハッピーであるべき――そう語る彼女はインタビュー中ずっと、楽しそうに笑っていた。

撮影/小嶋淑子 取材・文/岡本大介

歌は大好きだけど、人前で披露するのは苦手だった

歌うことは子どもの頃から好きだったんですか?
めちゃくちゃ好きでした。テレビの前で『美少女戦士セーラームーン』や『魔法騎士レイアース』の主題歌を熱唱していました。
カラオケで歌ったりもしていましたか?
私と母と、友だちとそのお母さんで近所にあるカラオケ屋さんによく行っていました。近所といっても車でしか行けない距離だったので、当時の私にとっては特別感があって、すごく楽しいイベントごととして覚えています。
悠木さんは子役としても活躍されていましたが、仕事関係で歌う機会もありましたか?
テレビ特番などでちびっ子のカラオケ大会があって、親戚一同で参加した記憶があります。
大勢の人の前で歌を披露したんですね。
あ、でも見知ったスタッフさんや出演者がほとんどで、お客さんは入っていなかったので、私としては近所のカラオケ屋さんで歌っている感覚で、楽しく歌っていたような気がします。
あまり人前で歌うことは好きではなかった?
小さい頃はとくに人見知りでしたし、何より人に聴かせるために歌っていたわけではなかったですから。単純に楽しいし気分が上がるから歌っていたのであって。なので、誰かに自分の歌を聴かせることには無関心というか、そんなに得意じゃないんだなと思っていました。
中高生になると、親睦を深めるためのカラオケなども多くなってきますよね。
それが嫌だったんですよ(笑)。しかも歌の上手い下手って、学校でのヒエラルキーにも微妙に影響してくるじゃないですか。その感じもすごーく嫌でした。
わかります。では率先してみんなの前で歌うタイプではなかったんですね。
もう全然です。小学生の頃から家族連れで歌っていた友だちとは相変わらずカラオケに行っていましたけど、中学校で新しくできた友だちとはほとんど行かなかったような気がします。ホント、人に聴かせるようなものだとは思っていなかったんです。
高校生になってもそれは同じ?
高校生になると、もうはっきりと自分がオタクであると自覚していたので、オタク仲間とはアニソンを歌いに通っていました。オタク同士のカラオケって、歌を聴かせたいというよりもその作品についての話をしたいので、ラクなんですよ。

歌の最中でも推しが画面に出てくれば平気で「キャー!」とか叫びますし。歌いたいというよりは、アニメの映像が見たいがために曲を入れたりとか(笑)。それが楽しくて、高校時代はよく行っていましたね。
カラオケは今でもよく行きますか?
行きます行きます! ただそれも、高校時代のオタク仲間だったり仲良しの声優仲間とだけ。いろいろな人が集まる打ち上げや飲み会の流れでカラオケに行くことはほとんどないです。少なくとも自分から「カラオケ行こーぜ!」とは絶対に言わない(笑)。
ちなみに声優さんだと誰とよく行きますか?
早見沙織ちゃんとか、寿美菜子ちゃんとか。ユニットを組んでる竹達彩奈ちゃんとは、次の現場まで少し時間が空いているときに、休憩するためにカラオケに行って、休むつもりがなぜか盛り上がって熱唱しちゃったり(笑)。
カラオケではゴリゴリのロックを歌うことが多いそうですね。
アドレナリンが出たほうがストレス発散にもなりますから。ひとりでカラオケに行くことも多いんですけど、ガンガンに盛り上がって歌っています。
いろいろな声色を使い分けながら歌うこともあるんですよね。
ありますね。その時どきの気分でいろいろと遊びたくなっちゃうんです。とくにひとりカラオケでは自由に遊べるので、「次はSiriみたいに歌ってみよう」とか(笑)。
Siriみたいに……!? ひとりでそこまで盛り上がれるのはスゴいですよね。ひとり遊びがお上手というか。
“ひとりっ子あるある”なのかな? Siriみたいに歌って、「わっ、めっちゃ上手くできたー!」って盛り上がったりして。ひとりで笑い転げながら延々と歌っていられますよ。めっちゃ楽しいですから、今度ぜひやってみてくださいよ!
は、はい。
……え? もしかして私ってヤバい人なの?(笑)

活動休止を経て、ソロデビューから駆け抜けた7年

20歳でソロアーティストとしてデビューして約7年が経ちました。2017年にソロ活動を休止されるまでの5年間というのは、改めてどんな期間でしたか?
当時は今よりもずっと自分に好きなものに特化した音楽を作っていて、好き勝手にやらせていただく楽しさはもちろんありました。でも何よりも、モノがゼロから作られていく瞬間を目の当たりにすることができて、それがすごく勉強になったなと感じます。

たとえば身の回りのものにしたって私たちは当たり前に買って使っているけれど、このペットボトルだって、中身はもちろん、容器はどこのメーカーのどんなプラスチックを使おうとか、この部分は少し豪華に金のシールにしようとか、それぞれの部品や素材にかかる予算を考えて、それを決定して発注している人がいるわけですよね。もちろんそれを製造している人たちもたくさんいるわけですし。

当たり前のことなんですけど、当時の私はそれすらよくわかっていなかったんですよね。CD制作で言えば、作曲や作詞、編曲、レコーディング、ミックス、デザイン、MV撮影、流通など、それ以外にも本当にさまざまな人が関わって形になっていく過程を、これ以上なく間近で体験できたことがいちばん楽しかった。自分の考える音楽を思いっきりやりきったということ以上に糧になった気がします。
音楽表現を突き詰めていくこと以上に、そういったモノづくりへの視点を大事にされるのは、まさに悠木さんならではの感性ですよね。
私、結局のところモノづくりが好きなんです。子どもの頃から歌やお芝居が好きで、それこそよくひとりで“あおちゃん劇場”をやって遊んでいたんですけど、そもそもどうしてそういうクリエイティブな分野に惹かれるのかなと考えたときに、おそらく「想像することが好き」なんだと気づいたんです。
なるほど。そんな発見がありつつも、やりたい音楽はやりきったという感覚から、一度はソロ活動を休止されますよね。
そうですね。「やりきったぞ」「情熱を全部使いきったぞ」と思った瞬間があったんです。作りたいものを形にする楽しさとともに、クリエイティブの限界も知って、とりあえず現状の私だとここまでかなと思い、いったん落ち着こうかなと。

休止とは言いつつも、当時の心境としてはこのままソロ活動は辞めちゃおうと思っていたくらいでした。
その決断力がスゴいですよね。5周年といえば活動が軌道に乗ってこれからという時期ですから、なかなかそれをできる人はいないと思います。
それはもう、周囲の方々が優しかったとしか言いようがないです。私のわがままにつき合ってくださったばかりか、休止することも許容してくださって。
しかし休止宣言から約半年後、今度は新しいレーベルにて復帰を果たしました。
先ほど少し触れたように、当時はこのまま辞めてもいいと思っていたんです。でも新しいチームからお声がけしてもらったときに、環境がガラリと変わればまた違った景色が見えてくるのかなと、そこに興味を持ったんです。そういう勉強もしてみたいし、何よりもまた楽しくなりそうだなという予感もあって。
復帰後は楽曲のテイストや方向性もかなり違っていますよね。
以前は周りから何を言われても自分の作りたいものを作るっていうスタンスだったんですけど、復帰後は私自身が歯車のひとつとなり、他の人が作りたい音楽に素直に乗っかろうと思っているんです。その結果、音楽の方向性がどこに向かうのか、あるいは向かわないのかはまだわかりませんけど、今はいろいろと試している段階です。
自分のやりたいことは一度やりきったから、今度は逆に歯車のひとつになってみようと。
そうですね。若い頃……って言っても私もまだ若いっちゃ若いんですけど(笑)、自分の個性を主張したい時期ってありますよね。でもじつは、特別に主張しなくても自然と出てくるのが本当の個性だったりする。

「ああ、無理に声高に訴えかけなくてもよかったんだ」と、ようやく気づいたんです。そういう意味では、むしろ今のほうが個性的だと言えるかもしれません。
復帰時のメッセージでは、ファンからの応援に心を動かされたともありましたね。
そうなんです。私はもともと、自分のやりたい音楽がお客さんの求めるものだとはあまり思っていなかったんです。どちらかと言えば、お客さんのほうが私の無軌道っぷりに「やれやれ」という感じでつき合ってくれていると思っていて。

だから活動休止を発表したときに、想像以上に反応が大きくてびっくりしました。
どんな反応がありましたか?
「帰る場所がなくなった」とか「寂しいです」とか……私は声優の仕事を辞めるわけじゃないから、アニメやイベントにも出ているんですけどね。

事務所にお手紙もたくさん届きました。「アニメの感想だー」と読んでいたら「ところでいつ音楽活動を再開するんですか?」みたいな(笑)。私の音楽を求めてくれる人がいて、さらに心の拠りどころにしてくれている人が少なくないことを初めて自覚しました。
ソロアーティストとしての悠木さんを求めているファンの熱量を感じたんですね。
そこまで真剣に応援してくれる人たちの声をないがしろにしたくないと思って、音楽活動を続けようと決めました。

声に特徴がない自分が、声優業界で生き残るために

2017年11月に音楽活動を再開。再開後初のフルアルバム『ボイスサンプル』は非常に面白い作品でした。
ありがとうございます。『ボイスサンプル』は、じつは私がずっとやりたいことでした。

私はデビュー当時から「声優である私が歌う意味は何だろう?」というテーマをずっと考え続けてきました。というのも声優は作品の中の歯車のひとつであって完全なる裏方なんですね。もちろん宣伝のためにはいくらでも表舞台に立ちますけど、本質的には作品やキャラクターのために存在すべきだと思うんです。

声優としての技巧を駆使したアルバムは、そのひとつの答えになるのかなと。だったらやってみようと思って作ったんですけど、これがもうすごく大変で。だから誰も作らなかったんだと思い知りました。これまで世に出てなかったということはすごく大変だってことなんですよ(笑)。でもずっと楽しくもあって。
ここまでさまざまな声色を詰め込むことができるのは、悠木さんの技術力の高さがあってこそという気がしますが。
そんなことはないです! とくに女性の声優さんは器用な方が多いので、だいたいの方が多くの声を使い分けることができるんです。できない人もいるんですけど、それはその必要がないだけ。そもそもの声に唯一無二の特徴や魅力があるということですから。

私の場合、声やお芝居に特徴がないので、いろいろと器用にできないとダメで、生き残るためにオールラウンダーになるしか道がなかっただけなんです。歌にしてもそうで、「自分のカラーで歌ってください」って言われても、いつもわからなくて困っちゃうんですよ。

だから私からすれば、歌や声やお芝居そのものに自分の世界がある人たちのことはいつも羨ましいなと思っちゃいますね。
悠木さんは、我々の見えないところで努力を重ね、その結果、技術を身につけたんですね。
あ、血の滲むような努力はしていないです(笑)。私はもともと変な音を見つけたり真似したりするのが大好きで、カラオケでSiriっぽく歌うとかもそうですけど、日常的に“遊び”としてやっているんです。
子どもの頃からそうなんですか?
そうです。あの、孔雀の鳴き声ってわかりますか? 小さい頃に動物園に行って、そこで孔雀の鳴き声を初めて聞いたときに「こんなふうに鳴くんだ」ってびっくりしたんですね。それから動物園にいるあいだ、ずっと孔雀の声真似をして遊んでいたんですけど、そしたら園内の孔雀たちがいっせいにキレ出して(笑)。
孔雀が、悠木さんの鳴き声に反応した?
私が知らないうちに孔雀語で啖呵を切っていたのかもしれないし、「人間風情が下手な孔雀語使うんじゃねえよ」って怒られていたのかもしれない(笑)。真相はわかりませんけど、でも孔雀たちに反応してもらえたことが単純に嬉しかったんです。それからいろいろな動物の声を真似したり、アニメやドラマのお芝居を真似したりするようになりました。

今でも現場で素敵なお芝居を目にするたびに、家に帰って台本を読み返しながらその人の真似をするんです。「うーん、半音低いか」とか「どうも私とは違う部分の声帯を使ってるよなあ」とか、ブツブツ言いながら調整したりして(笑)。
幼い頃のひとり遊びの延長線上にいるわけですね。
そうですね(笑)。ひとり遊びって楽しいんですよ。気づいたら何時間も経っちゃいますから。

新曲は馬乗りになって殴り続けているイメージ

ここからは、2020年1月15日にリリースのニューシングル『Unbreakable』についてうかがっていきます。テレビアニメ『インフィニット・デンドログラム』のオープニングテーマなんですよね。
タイアップ曲の場合、私は作品の一部であり歯車ですから、意見や希望はほとんど何も言わないようにしています。楽曲や歌詞は事前に確認させていただいているんですけど、「オッケーです」しか返さない(笑)。「何か注文はありますか?」って言われても「強いて言うなら“ん”と“い”を伸ばすのが苦手です」と答えるくらいです。
アニメ制作陣や新チームのアイデアに丸ごと乗っかるんですね。
そうです。結果的に、お客さんがすごく盛り上がれて共感できる楽曲になったと思います。
悠木さんのこれまでの楽曲と比べると、かなりストレートで王道のロックナンバーですね。
作品そのものがとてもストレートで、無限の可能性というものを感じさせてくれるので。
悠木さんは、メロディに繊細な表情やニュアンスをつけるのが抜群に上手い印象ですが、今回は単純に力勝負ですよね。
もうずっと馬乗りになって殴り続けているようなイメージでした。とくにサビは怒涛のラッシュ、みたいな。
そこはそういうディレクションがあったんですか?
いえ、勝手に私がそういうイメージを持っただけです(笑)。

これまでソロでがっつりロックを歌ったことはなかったんですが、今回やってみて、単純に声量が必要なんだなと思い知らされました。私はとくに身体が小さいので、音が身体の中で増幅しにくく、苦戦しました。(水樹)奈々さんとか、あれだけの声量があるって、どれだけ身体と喉を鍛えてるんだろう……と。

そう考えると恐ろしくなりました。やっぱり一朝一夕でできるものじゃないんだなって。でもその一方で“何くそ根性”もあるので、「できません」とは言いたくなくて(笑)。

だから、そういう意味ではこの楽曲のテーマである諦めない姿勢というのは、歌っている私自身とすごくシンクロしていると思います。
そういうストレートな歌唱は、ファンにとっても新鮮かもしれませんね。
ソロアーティストとしての楽曲をメインに聴かれてきた方にとっては新鮮だと思います。アニソンで言えば『戦姫絶唱シンフォギア』などは馬乗りタイプの楽曲が多いので、そちらから入ってくださった方からは、「あおちゃんがまたストレートなロックを歌っているぞ」と喜んでくださっている声も聞こえてきていて、それも嬉しいですね。

足が出せないぶん、腹は出そうと頑張りました(笑)

ジャケットのビジュアルも新鮮でした。これは軍服ですか?
そうです。前のシングル『帰る場所があるということ』のカラーが白と黒だったので、今回は赤をモチーフにしようかという話にもなったんですけど、さすがに27歳になって真っ赤なドレスはちょっと恥ずかしくて(笑)。

じゃあどうしようかと考えたときに、ふと軍服が思い浮かんだんです。昨年の「アニサマ」に出演した際、『幼女戦記』のターニャに扮して軍服を着たんですよ。そのときはかなりリアルな感じだったんですけど、今回はちょっと印象の違う軍服を描いてみようかと。私のイメージ的には、ちょっと近未来の軍服ですね。
ご自身でデザインを?
そうです。昔から絵を描くのが好きで、洋服も好きなので。『ボイスサンプル』のときも自分で服装をデザインしたんですけど、あの頃は自分の体型を把握しておらず、絵で描いた体型と現実の体型が違いすぎて、イメージした通りにはならなかった(笑)。

だから今回は露出できるところとできないところをちゃんと考えたデザインにしました! 足が出せないぶん、せめて腹は出そうと頑張りました!!(笑)
『Unbreakable』のMVは、悠木さんがさまざまなものを壊しまくるという、なかなか刺激的な内容になっていますね。
リップシンクとかもまったくないですし、やりたい放題ですよね(笑)。スカッとする楽曲だからMVもスカッとしたものがいいなと思ったんです。最初はアクションを盛り込みたいと考えたんですけど、私はすごく運動音痴なのでそれは諦めました。

じゃあ私の代わりにモノにアクションしてもらおうと思いついたのが今回のMVです。あ、もちろん壊しているモノはすべて廃品ですから、そこはご安心ください(笑)。
『Unbreakable』(割れない)というタイトルとは裏腹な映像で、とても面白いですよね。
これはですねえ……カップリング曲の『Break down』(壊す)から『Unbreakable』(割れない)をつなぐ映像だと思って観てもらえると、しっくりくるんじゃないかと思います。
たしかにこの2曲は対構造になっていますし、『Break down』もめちゃくちゃカッコいい曲ですよね。
ありがとうございます! タイアップのシングルを出すときはいつもそうなんですが、カップリング曲は音楽チームが想像するこの作品のテーマソングなんですよ。
時系列でつながっているように聴こえるのはそのためなんですね。
そうです。『Break down』の“現状をぶっ壊す”というテーマが、『Unbreakable』の“そのことを諦めない”というテーマにつながっていて。その一連の流れを意識すると、私がいろいろなものを壊している姿が納得できると思います。テレビからパソコンからぬいぐるみから、いろいろなものを壊していますからね。
思いっきり暴れていますが、撮影は大変でしたか?
撮影前は、スカッとするんじゃないかなと楽しみだったんですよ。でもいざやってみたら、やっぱり罪悪感があるんですよね。
壊すことを躊躇してしまう?
撮影中は私もカッとなっているので大丈夫なんですけど(笑)、撮影が終わったあとの惨状を見たときに、肝が冷えました。たとえ廃品ばかりだとしても、ここに流れ着く前はそれぞれが誰かの愛用品だったわけですよね。最後にこういう壊され方をするために生まれてきたわけじゃないよねって……。
道徳心や倫理観が強いですね。
そういった気持ちが芽生える人に育ててくれたことが嬉しくもあって、思わず親に感謝しました。でも、彼らのおかげでド派手な映像になったので、そこは見応えがあると思います(笑)。

作り手がハッピーであることが大切

これはお芝居でもそうですけど、声を聞いても悠木さんだとは気がつかず、クレジットで初めて知るというケースも多いです。最近のシングルもアルバムも、楽曲ごとに歌い方がまったく違うのはスゴいですよね。
そう言っていただけるのは、すごく嬉しいです。名前を出してソロ活動をしておいてなんですけど、声優は基本的に黒子でいるべきというスタンスなので、純粋に歌やキャラクターを楽しんでもらうのって、私にとってはすごく大切なことなんですよね。
そういう匿名性と、アーティストとしての表現を楽しみながら両立させている人もなかなか珍しいなと思います。
これはちょっと違う話かもしれないですけど、なんか私、“何にでもなれる”っていうことが嬉しいんです。声優をやっている以上、私のどこかに変身願望のようなものは確実にあって、それが叶うわけじゃないですか。もちろん現実には悠木は悠木にしかなれないので、そこはちょっと残念ではあるんですけど(笑)。
それは先ほどの“想像”の話とも通じますね。変身も想像の先にあるものですから。
アニメをはじめエンタメって根源的にそういうものなのかなとも思います。その結果としてお客さんもハッピーになるんですよね。とくにアニメは「幸せ」というものをいちばんストレートに具現化しているメディアなので、だからこそ作り手がハッピーであることも大切なんだな、とつい最近気がつきました。

私たちが楽しまないとお客さんも楽しめないですよね。だから私も「楽しいことをしよう」って素直に思えるようになりました。
挑戦も追求も、悩みつつも本気で楽しんでいるのが伝わってきます。
はいっ。今、本当に楽しいんです!
悠木碧(ゆうき・あおい)
3月27日生まれ。千葉県出身。A型。4歳から子役として活躍。2003年に『キノの旅』(さくら役)で声優に初挑戦し、2008年に『紅』(九鳳院紫役)で初ヒロインを演じる。主な主演作は『魔法少女まどか☆マギカ』(鹿目まどか役)、『戦姫絶唱シンフォギア』(立花響役)、『ブギーポップは笑わない』(ブギーポップ / 宮下藤花役)など。2012年にはソロアーティストとしても活動開始。2017年に活動休止を宣言するも、半年後に日本コロムビアにレーベルを移して復帰した。

CD情報

5thシングル『Unbreakable』
2020年1月15日発売

左から初回限定盤[CD+DVD]、通常盤[CD]

初回限定盤[CD+DVD]
¥1,800(税抜)
通常盤[CD]
¥1,200(税抜)
©海道左近・ホビージャパン/インフィニット・デンドログラム製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、悠木碧さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年1月15日(水)12:00〜1月21日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/1月22日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月22日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月25日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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