僕の役を、みなさんが僕以上に愛してくれる。阿部寛はファンへの感謝を忘れない

2006年に大ヒットしたドラマ『結婚できない男』(関西テレビ)。こだわりが強く、余計なひと言を発してしまいながらも、憎みきれない愛すべき主人公・桑野信介は、多くの人から支持され、観た人たちを笑顔にさせてくれた。

その名作が、13年の時を経て『まだ結婚できない男』として復活。もちろん主演は、当時も桑野を演じた阿部寛が務める。

『TRICK』の自称・天才物理学者に『テルマエ・ロマエ』の古代ローマ人、『下町ロケット』の情に厚い町工場の社長、『新参者』の洞察力に優れた刑事――。まったく違うキャラクターを見事に演じきり、すべてを“ハマリ役”と言わしめるほどの実力の持ち主だ。

今回は、お芝居で大切にしているという“新鮮さ”から、読み込みの速さと個性的なデザインで話題となっている“爆速ホームページ”のことまで、ひと言ひと言に思いを込めて話してくれた。

撮影/アライテツヤ 取材・文/吉田可奈

13年ぶりに再会した桑野は、あのままの桑野でした(笑)

13年前のドラマ『結婚できない男』の主人公・桑野信介を、再び演じる感想を聞かせてください。
また桑野を演じることができると聞いて、すごく嬉しかったです。『まだ結婚できない男』の脚本を読ませていただいたときは、令和の時代の背景も取り込まれ、前作から続いて共演できる方はもちろん、新たなキャストの方も入ってくることで、どういった作品ができるのかというワクワクでいっぱいになりました。
改めて桑野信介という人物について、どう思われましたか?
「桑野はやっぱり桑野だった」って(笑)。1話の最後に、彼が演説をするシーンがあるのですが、そこに仕事に対するプロフェッショナルな部分や、新しい時代のとらえ方が詰め込まれている。人間としてはすごく面白いんですよ。
一方で、「少しめんどくさい」とも思われてしまう、すごく不器用な人ですよね。
ですね(笑)。じつは桑野は人嫌いのようで、人が好きなんです。今作でも、積極的に人に関わっていく。その行動が周りの人たちを動かし、話が展開していくので、ぜひ楽しみにしていてもらいたいですね。
桑野は13年経っても変わらない姿を見せてくれましたが、阿部さんはこの13年でどんな変化がありましたか?
今は経験を重ねていろんな役もやらせていただくようになり、少しは余裕が出てきたと思うぐらいかな。今回は「当時の桑野をもう一度よみがえらせたい」という思いがあるので、当時の自分を思い出しながら、桑野を演じたいと思っています。
13年越しで同じ役を演じることは、ほぼないことですよね。
これだけ空いたのは初めてです。13年前の共演者のみなさんとまたご一緒できることも嬉しいですし、また桑野を演じられることに運命を感じています。

僕はつねに「今までやったことのない役を演じたい」と思っているんです。

前作から13年もの月日が経っていることで、僕自身が桑野をどのように演じていたかを忘れていたんですよ。そのおかげで、すごく新鮮に取り組めました(笑)。
そういった考え方もあるのですね!
はい(笑)。前回も一緒だった塚本高史くん(村上英治役)とお芝居をするなかで、「あぁ、桑野はこういうヤツだった!」と、どんどん記憶を取り戻していったんです。その作業もとても楽しみながら演じています。
個性的な役を演じることが多いからこそ、パブリックイメージに役が影響することも多いと思うのですが、阿部さん本来の姿とみなさんからのイメージで、ギャップは感じますか?
僕、自分のことはわからない。いろんな役を演じることで、「自分にはこういうところがあるんだ」と発見することが多いんです。

それに、毎回僕が演じる役を、観てくださるみなさんが僕以上に愛してくれることがすごくありがたいですし、嬉しいんです。“ハマり役”だと言われることは光栄で、喜んでいます(笑)。

ドラマや映画には、最後に前向きになれる要素があるべき

阿部さん自身が、個性的な役を楽しんでいるんですね。
そうですね。僕は、テレビドラマや映画って、観てくれた人たちが前向きになったり、あすに向けての元気をもらえたりするような作品作りが好きですね。観て暗い気持ちになるのは嫌じゃないですか。
そう思うようになったのは、何かキッカケがあったのでしょうか。
以前の僕はたとえ暗い作品でも、観終えたときには気持ちが払拭されるものだと思っていたんです。でも、10年ほど前に観たある映画がものすごく暗くて、映画館から家に帰ってきても、ずっと重い気持ちのままになってしまったことがあるんです(苦笑)。

そこで、「エンターテインメントというのは、最後に前向きになる要素がないとキツイんだな」と言うことを実感しました。
では、『まだ結婚できない男』のラストも、観た人の心が救われるようなものになりそうですね。
そうありたいですね。まだ最後がどうなるか、僕もわかっていないんですが、桑野が結婚を選んでも選ばなくても、彼や周りの人が幸せになれるような作品にしていけたらいいなと思っています。
お話を聞いていると、視聴者のことをすごく大事にされているように感じます。ドラマの公式サイトで、桑野の人物紹介が阿部さんのホームページ風になっていると話題ですが、もともと阿部さんのホームページはファンの方が作られたもので、それを公式にしたとお聞きしました。
ははは! そうなんです。僕はInstagramのようなSNSは得意じゃないので…(笑)。ファンの方が作ってくれたものだからこそ、すごくありがたいですし、これからも大事にしていきたいと思っています。
阿部寛(あべ・ひろし)
1964年6月22日生まれ。神奈川県出身。A型。1985年にモデルデビュー。1987年には映画『はいからさんが通る』で俳優デビュー。主な出演作に、『TRICK』シリーズ(テレビ朝日系)、『新参者』シリーズ(TBS系)、映画『テルマエ・ロマエ』、ドラマ『下町ロケット』(TBS系)など。2020年夏には出演作である映画『HOKUSAI』の公開が控えている。

ドラマ情報

ドラマ『まだ結婚できない男』
毎週火曜21:00〜 カンテレ・フジテレビ系列全国ネットにて放送
https://www.ktv.jp/kekkondekinaiotoko/index.html

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、阿部寛さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年10月22日(火)12:00〜10月28日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/10月29日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから10月29日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき11月1日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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