5分の4の読者に嫌われる覚悟で。『五等分の花嫁』春場ねぎが語る、ヒロイン創作秘話
ラブコメのメインヒロインは基本ひとりだ。……だって主人公が誰と結ばれるのか、わかっていたほうが安心できるじゃないか。
ところが春場ねぎが連載している漫画『五等分の花嫁』には、そんなヒロインが5人もいる。『週刊少年マガジン』(講談社)で2017年8月の連載スタートから丸2年、さながらミステリーのように「誰が結ばれるか?」の答えはいまだ見えない。
その理由はタイトルが示すとおり、“五等分”に振り分けられた魅力的なヒロインと、彼女たちが紡ぐ物語にある。
高校生の上杉風太郎は、貧しい家を支えるために「富豪の娘の家庭教師」というアルバイトに飛びつくが、その相手はなんと「五つ子」の姉妹だった――。何とも驚きの設定だが、すぐに気にならなくなるほど、彼女たちの仕草にドキドキし、真剣な想いに心を動かされる。
単行本は累計発行部数720万部(2019年9月時点)を突破。1〜3月からはテレビアニメが放送され、5月には「第43回講談社漫画賞」の少年部門を受賞。さらにアニメは第2期も決定した。五つ子旋風は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
今回、ライブドアニュースでは原作者・春場ねぎにインタビュー。五つ子たちのヒロイン創作術と共に、理想的なラブコメ像を聞いた。同氏が語る言葉の中に「誰が結ばれるのか?」の答えは見つかるのだろうか。
キャラクターの「属性」重視で生まれた5人のヒロイン
- 『五等分の花嫁』は前作『煉獄のカルマ』(2014〜2015年に『週刊少年マガジン』で掲載。原作は廣瀬俊、春場は作画を担当)よりも前に構想があったとか。じつに6年以上も前から春場さんの頭の中に構想があったのですね。
- 当時はまだ「五つ子が同じ相手に恋をしたら面白いかも?」というアイデアレベルで、簡単なメモ書き程度だったと思います。でも、そのときは担当編集さんに見せたもののボツだったんですよ。
1年後、『煉獄のカルマ』の連載が終わってから再び「自分がどんな作品を描きたいか?」を担当編集と話し合ったとき、いくつかアイデアを出したんです。その中に五つ子のネタも忍ばせたところ、編集さんも「いいんじゃない」と言ってもらって。 - それから連載に。
- いや、それからまた連載会議には2〜3度落ちまして(苦笑)、いろいろと構成を変えていくうちに今の形が見えてきました。そこから「まずは読切で試してみよう」という話になり、そこで好評だったことで連載に至りました。
- そもそも四つ子でも六つ子でもなく、五つ子である理由は?
- もともと最初にあったアイデアが五つ子だったので、自然な成り行きだったと思います。とはいえ、まだ企画を練っている最中に「いったん五つ子以外でも考えてみよう」という話はありましたね。でも、担当編集さんが30秒ぐらいジッ……と黙ってから「いや、五つ子だな」って。
そのときの理由は定かではないんですけど、『スーパー戦隊』シリーズがモチーフになっていたのかも。 - つまり、キャラクターを色で考えていたと?
- 色ベースでキャラクターを考えていた時期はあったかもしれません。今もイメージカラーはひとりずつあって、一花は「黄」で、二乃が「黒」、三玖が「青」、四葉が「緑」、それで五月が「赤」と決めてあります。
逆に名前に数字を入れるアイデアは、キャラクターの設定がほぼ固まったあとだったと思います。 - 5人の設定はどんな感じで決まっていったんですか?
- まずはいろいろな作品に登場している「自分が心の底から大好きなキャラクター」を15〜20人くらいリストアップしました。
- たとえばどんな作品ですか?
- それは秘密ですけど、女の子だけが登場する日常系とか、ですね。
「そういうヒロインがもしも恋愛漫画にやってきたら、どんな反応をするだろう?」とイメージしながら決めました。そういうモデルがいたほうが、僕にとっては設定を考えやすかったんですね。 - 5人のうち、誰が最初に決まりましたか?
- 誰かが最初に決まった、という感じではなかったと思います。というのも、そういったモデルをそのまま五つ子に落とし込んだわけではなく、いいと思ったキャラクターたちの要素(属性)を足したり引いたりと組み合わせていったので。
だから五つ子たちの設定は、ビジュアルよりも先に文字情報から作っていった感じです。たとえば、「真面目で年上っぽいお姉さん」というベースのキャラクターがいたとしたら、その要素を分裂させて一花(年上っぽいお姉さん)と五月(真面目)を考えていくイメージですね。
……あ、そういう意味では最後に追加されたのは三玖かもしれませんね。
- キャラクターが生まれた順番でいえば、三玖が末っ子なんですね。
- 前述のように年上キャラ(一花)と、毒舌キャラ(二乃)、元気なキャラ(四葉)、真面目なキャラ(五月)……とキャラクターのバランスを調整していったときに、三玖のダウナーっぽい雰囲気は、読切を描く段階でようやくしっかりとまとまった感がありますね。
- それまでは他の姉妹と比べてちょっと印象が弱かった、と。
- 当初の三玖はどちらかというとクールビューティ系だったんですけど、連載ならともかく、1話だけの読切でキャラクターのイメージを定着させるには難しく、この子の可愛さは伝わりづらいかな、と。
編集さんから「三玖をもっと大げさに描いてほしい」と言われ、もっとテンションを落とす方向に振り切って個性を出しました。
そうして理想的な5人を作ったあとに、「こういう要素があるならこんな見た目だろう」と、ビジュアルを練っていきました。
『五等分の花嫁』ヒロイン紹介
パンチラしたら負け。想像をかきたてる色気で興味を引く
- キャラクターの描きわけで意識したことは?
- 髪型やファッションはそれぞれ違いますが、基本的なつくりは同じですね。
- プロフィールはざっくりと公開されていますが、スリーサイズなどは個体差があるのかな、と思っていました。
- たしかに五月はよく食べるから、正確に測るとちょっと違うかもしれませんね(笑)。でも、風太郎が相手を間違えたり、五つ子側も入れ替わったりと、見分けがつかないからこそ生まれるイベントが面白いと思うので、5人が一緒であることが大切だと思っています。
- 少年漫画で男子高校生が複数のヒロインにアプローチされる……というラブコメだと、もっとセクシーな要素があっても不思議ではないのですが、『五等分の花嫁』はあまりないですよね。
- ああー、そうですね(笑)。以前Twitterで書いたことあるんですけど、(直接的なアダルト描写を)あんまりさせたくないんですよ。パンチラしたら負けだと思っているんです。
本編では余程のことがなければ着用時の下着は見せないようにしています。これはパンツを見せたらヒロインの格が落ちるという謎の宗教に入っているせいでもあります。裸は大丈夫なので本当に謎です。よく読んでる方は知ってるかもしれませんが一度だけ不安になって描いちゃったことはあります。
— 春場ねぎ 9/17 11巻発売 (@negi_haruba) 2019年3月11日
- 負けなんですか? (笑)
- キャラクターたちの隠れている部分を知っちゃうと、それ以上の興味が失せてしまう気がして……。見えそうで見えないことがキャラクターへの興味を引いてもらう上で重要で、想像させるようなお色気シーンのほうが、長続きする興味が生まれるんじゃないかと思っています。
でも、最初は入れなきゃと思っていましたよ。なにせ少年漫画だし、(読者も)とっつきやすい入り口ではあるので。第1巻ではけっこう積極的に入れました。 - それ以降は?
- 基本的にストーリー上で必要なときにお色気が発生するイメージですね。あとは暗いシーンが続いたときとか。
- 先の「パンチラさせたら負け」の話にもつながってくるのですが、読んでいても五つ子の身体性を大切にしてくれていると感じます。
- たしかにそれは意識している部分です。アダルトな要素の強い漫画は、すでに大勢の先生方が描いているし、素敵な作品もたくさんありますから。逆に自分は安心してこれをできるというか、別の方法でラブコメを見せていこうと振り切ってやれています。
- そんな中で第92話は水着回でした。
- あはは。連載開始から丸2年、コミックスも11巻まで出させていただいたので。「このまま水着なしで終わるわけにはいかない! 読者の皆さまよくぞここまで読んでくださいました!」という感謝の気持ちを込めた水着回です(笑)。
- 水着だけでなく、私服や小物も五つ子の個性に合わせたものですよね。毎回どうやって描いているのでしょうか?
- とりあえずネット検索してちょうどいいものを探しています。5人それぞれ検索ワードを決めていて、一花は「セレブ」「大人っぽい」、二乃は軽めのロリータっぽいブランドがいくつかあるので、そのブランド名で調べます。
三玖はもう「黒タイツ」ありきなので、黒タイツに合うファッションですね(笑)。あと、四葉は「ボーイッシュ」、五月は「清楚」みたいな感じです。
毎回、検索結果をもとに5人分の服を考えています。ネームを描き始めるときは、調べるのに時間がかかるので仕事の1日目が一番大変ですね(苦笑)。
花嫁以外の4人を切り捨てるドラマにはしたくない
- 第1話の冒頭から、主人公の風太郎が五つ子のうちの「誰かと結ばれる」ことを象徴する、結婚式を描いていることに驚きました。
- 未来のカットを入れたのは、とにかくわかりやすくするためでした。第1話の時点では長期連載を考えていなくて、各回&各シーンで読者の興味を引くこと、作品のテーマを伝えることが優先事項だったんです。だからまず「ゴール」を定めておこうと思いました。
こういう展開のラブコメ漫画でファンが何に盛り上がるのか考えたとき、やっぱりいちばんは「誰が花嫁になるか」だと思うんです。逆に、「どうせ5人全員と結婚するんだろ?」という結末がもっとも水を差す行為だと思うので、その可能性を最初につぶしてしまおう、と。
とにかくファンの皆さん同士で盛り上がれる作品にしたかったので、そのための要素をどんどん追加していった感じですね。 - まさにその通りの盛り上がり方をしています。でも、花嫁が決まっているということは、決まらない4人がいるわけで……。
- そこは本当に申し訳ないと思っている部分です(苦笑)。連載をはじめる前に「(作品の)ファンの5分の4から嫌われるだろうな」と覚悟を決めていたので……。
- 嫌われる覚悟、ですか?
- 今は「好き!」と言ってくれていても、いざ風太郎の花嫁が誰なのかわかったとき、選ばれなかった4人を推している80%のファンから「なぜだ」「ひどい」と批判を受けるだろうなって。
- 推していたヒロインが選ばれなくて悲しかった、と。それは春場さんの中にも原体験があるからでしょうか?
- もちろんありますよ。いろいろなラブコメを読んでいたら、当然理解できる感情じゃないですか。気持ちがわかるぶん、申し訳ない気持ちもいっぱいで。
- SNSを見ているかぎり、5人それぞれに大勢のファンがいますよね。
- そうですね。五つ子それぞれに推してくださるファンがいるのは素直に嬉しいし、だからこそ盛り上がる部分もあります。
そのぶん作者としては、ラストまで全身全霊で頑張らなくちゃいけない。花嫁ではない4人を切り捨てる結末ではなく、それぞれ女の子たちが風太郎としっかり決着をつけるラストにしたいです。 - 「この子が選ばれるなら悔しいけど納得」や、「(失恋したけど推しの子も)いい未来を歩む予感する」ような結末ですか?
- そうですね。そうなるといいなと思っています。
- 現在、『五等分の花嫁』は第11巻まで発刊されています。物語はゴール地点に向かって今どれくらいの位置にいるのでしょう?
- うーん……、70%くらいまでは来ていると思います。あと残り30%がこの漫画の限界というか、それ以上は蛇足になっちゃう気がしていて。
- 春場さんの中では、ラストまでのイベントがどう発生するのか決まっているんですか?
- ハッキリしたものはないです。ここまで長くなるとは思っていなかったし、連載しながら作っていった部分もあるので。ただ、ある程度ストーリーが進行してからゴールが見えてきた感じはありますね。
でも、「このキャラクターがこうなればいいな」という理想は頭の中にずっとあって、今はそれをもとにストーリーを考えているイメージです。
魅力的なキャラクターは欠点に立ち向かう姿から生まれる
- 主人公は風太郎ですが、五つ子のひとりひとりが主人公だったとしてもおかしくないほどキャラクターに奥行きがあって、人間として魅力的です。5人の物語を同時進行させるにあたって、どのようにストーリーを練っているのでしょうか?
- 五つ子という設定の長所であり短所なのが、姉妹のうちのひとりが動き出すと、必然的にほかの4人も動かざるを得ないところです。
もし彼女たちが暮らしている家でストーリーが動き出したら、ほかの姉妹が必ずその瞬間を見ているはずだと。見ていないことにもできるけど、見ているほうがより自然だと思うので。 - ストーリーで最初に転換があったキャラクターは三玖でしたね。
- 三玖が風太郎を意識しはじめたことで、ほかの姉妹たちも彼女に引っ張られるかたちで少しずつ変化する。そういった流れは作品の性質上やらざるを得ないし、やったほうがいいと思いました。
5人全員が同じように進行していくことで、ストーリーが次から次へと生まれていく。そういった構成が読者を引き込む吸引力になると思います。 - 風太郎に恋をする前後で、ヒロインたちの表情や接し方に大きく変化があります。
- そこはかなり意識しているので、気づいてもらえて嬉しいです。僕自身、最初から主人公に好意を寄せているキャラクターに魅力を感じないので……。
主人公への感情が、嫌い→好きに変わっていく振り幅を描きたくてやっているので、兎にも角にも五つ子たちは全員、風太郎にマイナスの感情から入っていくことは最初から決めていました。
ただ序盤のストーリーを動かす案内人に、風太郎と距離が近いキャラクターがほしかったので、そこは四葉に動いてもらって……。それ以降は三玖や一花など、エピソードごとに風太郎と距離が近い、あるいは遠いキャラクターを軸に物語を動かしていくイメージです。
- 二乃みたいなキャラクターは振り幅で読者の心を掴めるかどうか、ギャンブルじゃないですか? 今でこそ風太郎にデレていますが、当初はかなりキツイ性格だったと思います。
- そうですね、その点についてのドキドキは内心とてもあります(笑)。
- 最初から勝算があったとか?
- 勝算というか、「長く続けないとこれは取り返せないぞ」という感覚はありました。でも、その楽しみがあったから、きょうまで連載を続けられた気がしますね。
- 泣いたり笑ったり怒ったり……五つ子たちの等身大のドラマは、読者にとってとても共感できる内容になっていると感じました。
- そう感じていただける要因があるとしたら、キャラクターの欠点がいい働きをしているのだと思います。どのキャラクターも完璧な存在では決してなくて、自分へのコンプレックスや、姉妹への憧れや嫉妬などの感情を持っている。そういう欠点にいざ立ち向かおうとする姿は、やっぱりいきいきすると思うんです。
そうじゃないとストーリーが動かないですし。コンプレックスをプラスに変えてくれた風太郎を好きになる必然性も生まれます。
- ストーリーを考える上で「これはハズせない」ポイントは?
- 過去の話をきちんと反映させる、ですね。……少し話はそれますが、尾田栄一郎先生の『ONE PIECE』の「アラバスタ編」って読んだことありますか?
- はい、人気の高いエピソードですよね。
- あのエピソードでは、一時的にルフィたちの仲間になったビビが、やがて別れることになりますよね。
何が言いたいのかと言うと、その別れた次の回で、麦わらの一味がビビとの別れを悲しむ場面からはじまっているんですよ。
それが当時、ひとりのファンとして読んでいて嬉しかったんです。エピソードごとにリセットされるんじゃなくて、「ちゃんと前の話が反映されてる!」って。 - キャラクターたちの感情と、読者の感情がリンクしているんですね。
- そのときの感動は今も大切にしていて、自分の漫画にも取り入れようと決めていました。
たとえば第12話(第2巻収録)で花火のエピソードが終わったとき、そこで一花と風太郎の距離が近づきますよね。そしたら次の回は、ふたりが一緒に登校するところからはじめよう、みたいな。
前のエピソードで好感度が上がった子を、次回で風太郎とやり取りさせる。そういう象徴的な部分を入れることで、エピソードが分断されずに、ちゃんとつながっているように見せられたら、と考えていたんです。
女性から圧倒的に支持があるのは一花と二乃の”強い女性”
- 最近は女性ファンが急増しているそうですね。
- 女性コスプレイヤーの方々が五つ子のコスプレをしているところを見たときはビックリしました。本当にもう喜びしかないのですが、「女性もこの漫画を読んでくださっているんだ!」と実感したのはそこからでした。
サイン会にも女性の読者が来てくださるのですが、面白いのがイラストを入れる際にリクエストされるキャラクターが決まっているんですよ。 - それは誰ですか?
- 一花と二乃です。たぶん意思の強い女の子が女性に人気なのだと思います。
逆に男性なら三玖が多くて、守ってあげたくなる女の子だからかもしれません。人気ではその3人が高いのですが、すでに主人公のことを好きになっていて、キャラクターとしても変化が大きかったこともあると思います。 - 春場さんはご結婚されていますよね。ご家族から感想をもらうことは?
- えっと……妻は最終的に誰が花嫁になるのかを知っているので、そのキャラクターを応援してくれています。初期の頃から「この子がどうやったら花嫁になるのか?」という視点で読んでいるようです。
- ちなみに、SNSでエゴサすることはありますか?
- もちろんしますね(笑)。僕は何でも受け入れちゃうタイプなので、自分だけだとあんまり客観的な分析ができないんですよ。
だから、感想を気にしてエゴサするというよりも、「ちゃんと読者が自分の想定した感想を抱いてくれているのか」を知りたくて検索しています。イメージとは違う捉え方をされていたとき、どうしてそうなったのか、じゃあどうすればいいかを考えられるので。つまりは答え合わせですね。
なぜ受け入れられなかったのかを知ることは楽しいことばかりじゃないけれど、勉強だと思って読んでいます。 - そういった感情線をコントロールするために、エゴサ以外にしていることは?
- やっぱり編集者の反応から学んでいくしかないと思います。自分の伝えたいものが反映できているか。そのためのコマ割りや絵づくり、話づくりができているかどうか。そもそも面白いのかどうか……。
担当編集さんはいわば最初の読者ですから、客観的な視点でストレートに感想を言われないと気づけない部分も多いんです。僕がエゴサに求めている部分もまさにそこですね。
逆にいえば、漫画家の成長はそれしか方法はないんじゃないでしょうか。この作品を通して自分が読者にどう感じてほしいか。それを明確にしながら描き続けることで、つねに答え合わせをしてくイメージです。
だから、編集さんに読んでもらったネームが一発で通ったりすると、「少しは上達したかも?」と嬉しくなります。
アニメで驚いた二乃の人気。声優の力はやっぱりスゴい
- 今年1〜3月にはテレビアニメも放送されました。ここで新たに『五等分の花嫁』の世界に触れたファンも多いのでは?
- そうですね。Twitterを見ていると、やっぱり原作の人気の出方をなぞっていて、原作で起きた反響がそのまま繰り返されているようで面白かったです。ただ、二乃の人気が最初から非常に高かったのはちょっと意外でした(笑)。
- 声を務めた竹達彩奈さんの効果でしょうか。
- そうかもしれませんね。最初の頃の二乃って風太郎の敵みたいな感じなのに。
アニメから入ったファンには二乃を推している方も多くて。漫画では三玖の人気がいちばん高いですが、同じくらいのレベルで反響がありました……やっぱり声優さんの力ってスゴいですね。 - 第2期も発表されましたが、「フーくん!(風太郎の呼び方)」とデレる二乃に、また反響がありそうです。
- ふふふ、この先どんなふうに人気が変わっていくのかも楽しみですね。
- アニメを作るにあたって、制作陣に対して何かオーダーはしましたか?
- そうですね……お色気シーンはなるべく減らして、パンチラはしないでほしい、とか。いろいろと細かなお願いをさせていただきましたが、ひとつずつ丁寧に対応してくださってありがたかったです。
- 脚本については?
- 1行ごとに細かく確認させていただきました。1話分の尺に収まらない場合は、「ここを削ってほしい」とか「逆にこれを削ると成立しない」とか……。
実際に完成したアニメを拝見させていただいて、すごく要素の詰まった、濃厚な仕上がりにしてくださって。スタッフの皆さんには本当に頑張っていただいたと思います。 - アニメだと五つ子を見分けやすくするため、髪の色をそれぞれ変えていますよね。花嫁のシーンで「あれ、この髪の色ってあの子?」とヒントが隠れていた気がして。
- ああー、たしかに(笑)。5人の髪の色を変える、という提案は僕からお願いしたんです。五つ子を見分けやすくしてほしかったので。なので、花嫁の髪の色は五つ子たちの中間色を選んでいただいたのですが……。
結果的に、二乃や五月寄りのカラーに見えなくもないのですが、とくに深い意味はないんですよ(笑)。
完結したときに喪失感を与えられるような漫画にしたい
- 『週刊少年マガジン』といえば、これまでに多くの名作ラブコメを世に送り出している雑誌です。春場さんがラブコメを描く上で、大切にしているものは何ですか?
- 一応、基準みたいなものはあります。自分の中でというよりも、今の時勢を読んだ上での基準ですけど……。
10年前であれば受け入れられたキャラクターも、今ではNGなことがありますよね。そういうものを見逃さないように気をつけること。男性読者に喜んでもらおうというよりは、読者というすべての人に向けて描くことを意識しています。
あとは、すべての漫画に言えるかもしれないですけど、その世界に没入できるかどうか。その世界で起きるシチュエーションを楽しんでもらえるかどうか。それがラブコメでいちばん大切ではないでしょうか。 - たしかに没入感は大切ですよね。
- 五つ子たちが暮らす家庭が読者にとって理想的な世界だといいなあって。それで物語が終わったときに「悲しい」と感じてもらえれば僕は本望です。
- 悲しい気持ち?
- 「もう5人の世界に入れない」という悲しさというか、喪失感を与えたいというか……。それは僕が好きだった漫画を読んで味わってきたことでもありました。それが描けたら、ちゃんと描けていたんだなって実感できるというか。
- 春場さんがその同じ気持ちを感じさせた漫画って……。
- 赤松健先生の『魔法先生ネギま!』(2003〜2012年に『週刊少年マガジン』で連載)です。
- 即答ですね(笑)。
- 『ネギま!』連載中は「学園に行きたい!」と思いながら読んでいたし、終わったときは完全に取り残された気持ちになりました。キャラクターたちの日常は続いているのに、僕だけがそこに行けない。それぐらい本気で好きだと感じた漫画です。
そういう漫画を自分も描きたい――。今はそんな気持ちで『五等分の花嫁』と向き合っています。
- 春場ねぎ(はるば・ねぎ)
- 1991年7月27日生まれ、愛知県出身。O型。専門学校在学中に描いた『カワードクロスワールド』が講談社の第89回週刊少年マガジン新人漫画賞で入選を受賞。同作が『マガジンSPECIAL』2013年No.4に掲載され、商業誌デビューを果たす。また2014〜2015年には、廣瀬俊原作の『煉獄のカルマ』で作画を担当し、『週刊少年マガジン』で連載デビュー。2017年からは『週刊少年マガジン』で『五等分の花嫁』を連載開始。同作は2019年8月現在、累計発行部数560万部を突破。2019年1〜3月にテレビアニメが放送、すでに第2期の放送も決定している。
作品情報
- 漫画『五等分の花嫁』第11巻
- 9月17日(火)発売
- 486円(税込)
サイン入り色紙プレゼント
今回インタビューをさせていただいた、春場ねぎさんのサイン入り色紙を抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\9/17は最新11巻が発売!/#春場ねぎ 直筆サイン入り色紙を、1名様にプレゼント!#五等分の花嫁
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年9月17日
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は9/23(月・祝)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/qvMJGjCCkA pic.twitter.com/ZA5BWQb3CP- 受付期間
- 2019年9月17日(火)12:00〜9月23日(月・祝)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/9月24日(火)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月24日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月27日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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