“全力少年”から40代の“おっさん”に。スキマスイッチの考える、愛のカタチ
2018年の「新語・流行語大賞」に選ばれ、Twitter世界トレンド第1位を獲得するなど社会現象を巻き起こしたドラマ『おっさんずラブ』。この夏、あのドラマが『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』として帰ってくる!
ハラハラしてキュンキュンするおっさんたちの“愛のカタチ”を彩ったのが、スキマスイッチの『Revival』。ドラマのためではなく、もともとアルバム用の1曲として生まれたこの楽曲は、今や『おっさんずラブ』には欠かせない存在となり、ドラマに引き続き劇場版でも主題歌に起用されている。
この楽曲を生み出したスキマスイッチも、今年で結成20年、“全力少年”から40代の“おっさん”に。彼らの考える“愛のカタチ”はどのように変化したのだろうか。
スタイリング/袴田能生 ヘアメイク/赤木悠記
▲左・大橋卓弥(おおはし・たくや)1978年5月9日生まれ。愛知県出身。AB型。ボーカル。右・常田真太郎(ときた・しんたろう)1978年2月25日生まれ。愛知県出身。O型。鍵盤。
歌詞に合わせたドラマのカメラワークは、「作者冥利に尽きる」
- 2018年4月から放送されたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)は、2018年の「新語・流行語大賞」に選ばれるなど、日本の注目を一気に集めました。ドラマに引き続き、8月23日公開の映画でも『Revival』が主題歌に決まりましたが、どのような想いがありますか?
- 大橋卓弥(以下、大橋) 『Revival』はドラマのために書き下ろしたわけではなく、アルバム『新空間アルゴリズム』(2018年3月発売)用に作ったもので、それを気に入っていただいて起用されたという経緯があって。
起用が決まったときも嬉しかったのですが、こんなに世間のみなさんに愛されるドラマになって、改めて「素晴らしいドラマと出会えたんだな」と感じています。そしてまた、映画でも使っていただけるということで、映画館の大音量で『Revival』が流れる…っていうのは、ちょっと想像がつかないくらいスゴいなって思います(笑)。 - ドラマファンからすれば、“はるたん(主人公・春田創一/演:田中 圭)たちのバックに流れる楽曲は、『Revival』じゃないとダメ!”って感じです。
- 大橋 そう思っていただけたらすごく嬉しいし、そうやってドラマと映画がつながってくれたらさらに嬉しいです。
- ドラマ放送中は視聴者が歌詞をドラマの内容にリンクさせ、それがSNSでも話題になっていました。
- 常田真太郎(以下、常田) それはきっと、ドラマのほうが曲に寄り添ってくれたからだと思うんです。さっき卓弥が言ったように、『Revival』はアルバムの収録曲のひとつで、ドラマを意識することなく作った曲なんです。
歌詞に合わせたカメラワークを意識していただいたのは、作者冥利に尽きることで。僕らはよく曲に人格を持たせて、「よかったね〜、おまえ」って言うんですけど、まさに…。 - 「大きく育ったね〜」と(笑)。
- 常田 そうそう(笑)。録音したのが2年前の夏の終わりで、歌詞の通りの時期だったんです。アルバムの1曲として作った曲でしたけど、作りたいようにまっすぐに作ってよかったです。
- 『Revival』のミュージックビデオ(以下、MV)には田中 圭さんと“Bar スキマスイッチ”が登場しますよね。しかも、13年前に田中さんが出演された『飲みに来ないか』(2005年)のMVともつながっていたりして。
- 常田 そうです、そうです。
- 大橋 ドラマの第4話に出演させていただいたんですけど、僕が圭くんに向かって言うセリフが「また、飲みに来ないか?」だったんですよね。監督も含めて、現場のみなさんの遊び心がすごくありますよね!
- 本当にそうですね。ドラマの撮影はスムーズにいきましたか?
- 大橋 最初は、「春田と牧(凌太/演:林 遣都)がチラシ配りをしているところに通りかかる」だけの予定だったんですけど、当日になったらセリフがついていて、「どうしよう!」って(笑)。
緊張でガチガチな僕らでしたが、圭くんと遣都くんが現場で引っ張ってくれて。お芝居は専門じゃないのでうまくこなせるとは思ってなかったんですけれど、彼らのおかげで楽しく撮影ができて、すごくいい思い出になりました。 - ドラマに引き続き、映画にもまた出演するなんてことは……?
- 大橋 今回は沢村一樹(狸穴 迅役)さん、志尊 淳(山田ジャスティス役)さんが出演されますから、僕らが入るスキマはないですよ(笑)。
常田は乙女な黒澤部長タイプ、大橋は男らしい牧タイプ
- おふたりから見た『おっさんずラブ』の魅力ってどんなところでしょう。
- 大橋 やっぱり、“純愛”ですよね。それがとくに人々に刺さったんじゃないかな? 僕らはついつい、コメディの面白さにハマりがちなんだけど、ファンの方の多くは恋愛の“カタチ”より、彼らの“想い”にグッとくるんでしょうね。各キャラクターの気持ちへの共感具合が絶妙なんだろうなぁ。
- 常田 僕は、90年代のトレンディドラマへのリスペクトをすごく感じました。僕らも「昔のJ-POPみたいなタッチの曲だね」って言いながら曲を作ることがあるけれど、そのドラマ版というか……。
トレンディドラマって「絶対にこうなるだろう」っていうベタな展開とか、僕らや僕らより少し上の世代が懐かしく感じる部分があるじゃないですか。『Revival』のMVでも夜景がハートになるシーンを入れたんですけど、そんなアナログな演出を2020年目前にやるという(笑)。 - まさにそこも『Revival』ですね。
- 常田 そういう意味ではそうですね(笑)。
- ドラマでは何をやってもポンコツな春田、乙女な黒澤(武蔵/演:吉田鋼太郎)部長、ドSな牧など、個性豊かな人物が登場しますが、おふたりを登場人物に置きかえると、誰に近いでしょうか?
- 大橋 シンタくん(常田)は、黒澤部長タイプじゃない?
- 常田 でしょうね(笑)。
- 大橋 僕とシンタくんだと、シンタくんのほうが乙女なんですよ。それに、風貌も吉田鋼太郎さんに通じるところがあるし…。
- 常田 卓弥はやっぱり、牧くんですよね。男らしさがある。
ちなみにスキマスイッチの歌の主人公は、春田タイプが多いんじゃない? 男性からも女性からも好かれて、「しょうがねえなぁ」って思わせる、ちょっと気弱な愛されキャラ。
“おっさん”になっても、ラブソングのカタチは変わらない
- “全力少年”だったおふたりも40代に突入して、いわゆる“おっさん”になったわけですが、「おっさんになったな〜」って思うことってありますか?
- 大橋 日々、思いますよ(笑)。階段を上れば息切れするし、痩せにくくなったし、お酒も抜けにくいし…。朝起きて鏡を見て、「あれ、僕こんな顔だったっけ?」って思うときもあって、すべてにおいて年齢を感じます。そんなに意識せず40代に入ったと思っていたけれど、身体は正直だった(笑)。
- 常田 僕は身体的な部分もありますけど、とりあえず涙もろくなりました(笑)。CMで泣いちゃうもん。
- 長く音楽活動を続けているミュージシャンの方には、「40代になってから生き方が楽になった」とか「自由になった」とおっしゃる方が多いような気がしますが、おふたりは?
- 大橋 あ〜、先輩方を見ているとそうですね。楽しそうですし、実際に「楽しい」って話も聞きますし。ある程度自分のやりたいことをカタチにしてきて、40代からセカンドシーズンに突入するみたいな。「次は何をやろうか」っていうのを楽しんでいる気がするんですよね。
- 1999年にスキマスイッチを結成されてから、変わったなと思う部分はありますか?
- 大橋 最初の頃は、「スキマスイッチのカラーを定着させたい」って思いが大きくて、「この曲はスキマスイッチらしい」とか「この曲はスキマスイッチがやらなくてもいいんじゃないか」というのを大事にしていました。
でも今は「やりたいことをとりあえずカタチにしよう」と感じることが多くなってきました。それって何年もやらせてもらっているからだと思うんですけど。 - 今年、結成20周年を迎えられますが、これだけ長くふたりで続けてこられた秘訣はあるのでしょうか?
- 大橋 何でしょう。別に仲良くしようとしているつもりもないんだけど…なんて(笑)。
お互いのキャラクターは全然違うんですけど、唯一音楽の趣味は似ているんですよね。スタジオに入ったら、まず話すのが「あの曲聴いた?」とか「あ、僕もそのCD買った」とか「これ面白いから聴いてみて」って音楽の話ばっかりで。それが何か、すごくいい距離感なんですよね。 - 学生時代から変わらない感じですね(笑)。
- 大橋 そうですね。教室で「ミスチルの新曲聴いた?」とか言ってるのと一緒ですよね(笑)。
- 先ほど『おっさんずラブ』の魅力を「純愛」だと答えてくださいましたが、愛のカタチを歌にするラブソングへの向き合い方は“おっさん”になっても変わらない?
- 常田 僕は変わってないですね。親になったという変化はありますけれど、基本的には学生のときの気持ちのまま。成長してないのかなぁ(笑)。
最新曲の『青春』もそうなんですけど、僕にとって恋愛の曲を書くことって“昔の記憶をムリヤリ引っ張り出す”作業ではないんですよ。“ついこのあいだ”みたいな感じで、「そういえばこうだったな」ってすぐ思い出せるんですよね。
- 学生の頃というと?
- 常田 中高校生の頃ですね。過去の記憶のほうがたしかというか、天気や匂いまですごく覚えてるんですよ。だから、ラブソングを作るにあたっては助かっています。そのときどうだったかって話すと、卓弥には「細かすぎて気持ち悪い」って言われるんですけれど(笑)。
- 大橋さんは、どうですか?
- 大橋 考え方は変わってきましたけれど、アップデートされてるだけで、基本は昔と変わらないですね。
それは、リスナーのみなさんも同じなんじゃないかな? 僕らと同年代のファンの方は、僕らが20代の頃に書いていたラブソングに当時の恋愛経験を重ねてくださっていたと思うんです。でも、今はもう少し大きな意味での愛を表現する楽曲を作るようになったし、人間愛のようなものを感じてくれるファンの方も増えているみたいで。 - 常田 昔のほうが“人間愛”に対して構えて書いていたかもしれないですね。
- そもそもラブソングって、どうやって生まれてくるのですか? ご自身の経験から?
- 大橋 よく「実体験ですか?」って聞かれるんですけれど、100曲以上のラブソングを書いていても、100通りの恋愛をしてるわけじゃないからなぁ(笑)。
- 常田 えっ、してないの?(笑)
- 大橋 してないよ(笑)。いろんなパターンがあると思いますけど、僕の場合は自分の願望とか理想像を主人公に乗せて書くことも多いです。今回はこういうストーリーで書いてみようって、ふたりで話し合って作ることもありますね。
- 今年の夏も『Revival』というラブソングに乗せて、さまざまな人が想像を育んでいくと思います。最後に映画『おっさんずラブ』でこの曲を知る人に、どんなふうに聴いてほしいか教えてください。
- 大橋 『Revival』=『おっさんずラブ』というイメージができあがっていると思うので、切り離して聴くというよりは、一緒に楽しんでもらえたらいいなと思っています。
- スキマスイッチ
- 大橋卓弥(Vo)、常田真太郎(Pf)のふたりで1999年に結成。2003年に1stシングル『view』でメジャーデビュー。2004年にロングヒット曲となる2ndシングル『奏(かなで)』をリリースし、翌年には5thシングル『全力少年』で第56回NHK紅白歌合戦に初出場。その後も映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』の主題歌となった『ボクノート』や、映画『ラフ ROUGH』の主題歌である『ガラナ』などをリリースし、幅広い世代から支持されている。10月からは、全国約40ヶ所をまわるツアー「スキマスイッチ TOUR 2019-2020 POPMAN'S CARNIVAL vol.2」の開催を控えている。
映画情報
- 『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』
- 8月23日(金)ロードショー
- https://ossanslove-the-movie.com/
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、スキマスイッチのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
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— ライブドアニュース (@livedoornews) August 19, 2019
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は8/25(日)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/6bFfI3tQrJ pic.twitter.com/rCRtungOHs- 受付期間
- 2019年8月19日(月)12:00〜8月25日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/8月26日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月26日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月29日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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