いつでも全力で、初心を忘れずに。松本梨香が『ポケモン』と歩んできた22年間。
「読んだ人が元気になるような記事にしてくださいね」
国民的TVアニメシリーズ『ポケットモンスター』の主人公・サトシを演じ、日本中の子どもたちに勇気と元気を与えてきた松本梨香は、取材陣にも満面の笑顔を見せてくれた。
TVアニメ『ポケットモンスター』の放送が始まったのは1997年。放送開始後、たちまちブームとなり、1998年にはポケモン映画第1作目『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が公開された。この作品は興行収入76億円を記録し、全米でも約3000の映画館で公開。アメリカで公開された日本映画の最高記録を樹立している。
この作品が21年のときを経て3DCGによって「進化」したのが、7月12日(金)から公開されている『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』である。そこでも松本は変わらず、サトシとして勇気と元気を振りまいている。
1997年から現在まで、子どもたちの憧れのヒーローを演じる彼女に、芝居にかける想いを聞いた。
今作に運昇さんの声を遺すことができて、本当によかった
- 人間につくられたポケモン・ミュウツー(声/市村正親)が、サトシらポケモントレーナーに逆襲を図る『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』。21年ぶりにこの作品に取り組むことになり、どんなお気持ちでしたか?
- 最初は驚きましたね。でも劇場版第1作目の映像が3DCG化されて進化することは嬉しかったですし、これまで見ていなかった方や初めて見る小さいお子さんに、劇場の大きな画面で『ミュウツーの逆襲』を楽しんでもらえるのがありがたいです。
- 映像こそ3DCGになっていますが、ストーリーやテーマは21年前に公開された内容と変わりませんね。
- はい。しかも、オープニングで流れる『めざせポケモンマスター‘98(2019 Remaster)』も、21年前に私が歌ったものがそのまま使われているんです。スタッフのみなさんが22年前の音源を探し出してくれたようで。
- それも、過去の雰囲気を大事にしたかったからなのでしょうか。
- 監督たち(湯山邦彦監督と榊原幹典監督)がこだわって、「昔のままでやろうよ」と言ってくださったんです。
最初は自分の声がかわいらしく聞こえて、すごく恥ずかしくて。録り直した最新バージョンのほうがいいんじゃないかと思ったのですが、試写で拝見したときに「初心忘れるべからず」というメッセージとして受け取りました。
平成のできごとが令和に受け継がれているのを目の当たりにして、昔と今がつながったような感じがしましたね。 - ミュウツー役の市村正親さん、ボイジャー役の小林幸子さん、ミュウ役の山寺宏一さんも1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から引き続き参加となりました。
- 市村さんも小林さんも変わらず元気でいらっしゃるから、今回は絶対に参加してほしいと思っていました。おふたりとの収録は別々だったのですが、こうしてご一緒できて嬉しかったです。
山さん(山寺さん)とは養成所のときからの仲で、一緒に立ち上げた劇団も8年間やりました。ケンカもいっぱいして…まさに同志なんですよね。彼が頑張っている姿を見ると、泣けてきちゃう。でも、そんなこと、本人には絶対に言わないですけどね(笑)。
- 昨年お亡くなりになったオーキド博士役の石塚運昇さんも、今回ナレーションとして出演されています。
- 今回の映画に運昇さんの声を遺すことができて、本当によかったと思います。『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』は、運昇さんにとっても初めてのポケモン映画でしたし、今回で声が変わってしまうのは、私としても絶対に嫌でしたから。
- 松本さんにとっても石塚さんの存在は大きいのですね。
- もちろんです。劇中で運昇さんが語りかけてくれるシーンは、運昇さんからの大切な贈りものだと思っています。
- 石塚さん以外にも、ピカチュウ役の大谷育江さん、ムサシ役の林原めぐみさんや、コジロウ役の三木眞一郎さん、ニャース役の犬山イヌコさんなど、長年共演されてきた方々がいらっしゃいますが、松本さんにとってどんな存在ですか?
- 何もないところから作り始めてここまできたメンバーですから、語りつくせません。
やっぱり、彼らと一緒にいると安心感があります。といっても、家族に抱くような安心感ともちょっと違っていて、そんじょそこらで結べる関係ではないと思います。素敵な仲間と巡り会えたことに感謝しています。
22年間演じ続ける秘訣は「新鮮な気持ちで向き合うこと」
- 初めてサトシと出会ったときのことを覚えていますか?
- きのうのことのように鮮明に覚えていますよ。オーディションのとき、セリフに「パジャマはジャマだ」とか、ダジャレがいっぱい並んでいたんです。
小さい頃から父親とダジャレや言葉遊びをするのが好きだったから、私が普段から言いそうなセリフが多いなと思いました。
スタッフのみなさんから「(松本さんは)サトシそのものだね」と言われていましたし、私もあまり作らずに演じようと思っていました。 - 今作を含めて劇場版を22作、TVアニメシリーズは1000話以上を収録されました。長いあいだサトシを演じ続けるために意識していることはありますか?
- 毎回、新鮮な気持ちで向き合うことですかね。サトシが歳を取らないこともありますが、「初心」を意識していないと、ここまで続けられないのかなと思います。
細かい部分を言えば、サトシが知らないポケモンは詳しく覚えないようにしています。それは、彼が新しいポケモンに出会ったときのワクワク感や、ゲットしたときの喜びを表現したいから。
- サトシに向き合うスタンスはずっと変わらないんですね。
- もちろん(自分が)歳を重ねたことで、細かい描写や表現など、技術的にできるようになったことはありますが、根本は変わりません。
最初の数年は若いなりに、がむしゃらにやっていたこともあって。それはそれで当時のよさだったと思いますが、今は演技に奥行きを出せるようになったんじゃないかな。 - 22年間ものあいだ、同じ役を演じ続けるのは誰もが経験できることではないと思います。
- 私としても、「夢の中にいるみたいです」…みたいな。たまに、「いつか目覚めちゃうのかな」って思います。毎週『ポケモン』という作品に向き合ってきたら、いつの間にか20数年が過ぎていたっていう感じです。
今、私がこうして『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』を紹介しているのも……何だか変な感じなんです。タイムカプセルに入って過去と現在を行き来しているみたいな。まあ、私自身は確実に年齢を重ねているんですけど(笑)。
後輩にあれこれ言わなくても、自分の本気を見せれば伝わる
- 音響監督の三間雅文さんとも、1997年のTVシリーズからの仲になりますね。三間さんとのこれまでのやりとりで、印象的だった言葉があれば教えてください。
- 劇場版ではゲストとしてタレントさんが参加してくださいますが、どうしてもアフレコのスケジュールが合わないことが多いんです。でも、私としては気持ちを込めて演じたいので、なるべく一緒に収録したいと三間さんにお願いしていたことがあったんです。
- かけあうことで生まれるものもありますしね。
- でもどうしても予定が合わず、私は悶々としながら収録を終えたのですが、そのときに三間さんが「一緒に収録できなくてごめんな。(作品のことを想ってくれて)ありがとう」と言ってくれて。その言葉はいまだに忘れられませんね。
「いいものを作りたい」という気持ちは伝わっていたんだなと感じました。
- そんな思い出があったんですね。本当に『ポケモン』は多くの方が熱意を込めて作り上げてきた作品ですが、今やベテランの声優さんのみならず、多くの若手声優も参加されています。後輩とはどのように接していますか?
- 大きい作品なので、たぶんほかのアニメの現場とは違った雰囲気なんだろうなとは思います。ですが、先輩、後輩関係なくみんなに楽しんでもらいたいので、元気がなさそうな人には声をかけるようにしています。
私からどんどんダジャレを言うし、みんな遠慮なくツッコんできてくれますよ。とくに浪川大輔くん(TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』のロトム図鑑役)がツッコミ役ですね。「あなたに言われたくないわよ!」って切り返しています(笑)。 - (笑)。松本さんが現場のムードメーカーになっているんですね。
- 現場でベテランと若手が離れてしまうのはよくないと思っているんです。なるべくみんなの架け橋になるために、収録ブースから出ないようにしています。
- 若手の方にアドバイスされることはあるのでしょうか?
- あまりないですね。でも、テスト収録からしっかり声を出しています。ああだこうだと言うより、それが一番伝わると思うから。
私としてはテストも本番も変わらず本気でやるタイプなので、テストだから力を抜くとか、そういう加減はわからないんですけれど(笑)。 - 劇場版もTVアニメシリーズもゲームも、引き続き今後の展開が楽しみです。最後に松本さんにとって『ポケモン』とはどんな存在か、教えてください。
- やっぱり特別ですよね。これまでいろんな作品に携わってきましたが、私にとってものすごく大きい作品です。
劇場版もTVアニメシリーズもゲームもカードゲームも多くの方々に愛されていますし、海外への影響力もある。「サトシになりたい!」と言ってくれる子どもたちもたくさんいます。だからこそ責任を感じるし、これからもひとつひとつ全力で挑み続けていきたいです。
- 松本梨香(まつもと・りか)
- 11月30日生まれ。神奈川県出身。O型。父が大衆演劇の座長を務めており、幼い頃より舞台女優として活動する。1991年の『絶対無敵ライジンオー』で初の主演を務めた。1997年からはアニメ『ポケットモンスター』の主人公・サトシ役を担当。以来、22年にわたり、アニメ『ポケモン』シリーズをけん引する。歌手としての活動も活発に行っている。2019年10月中旬より、松本梨香公式ファンクラブ「JOLLY DOG」が、リニューアル。海外にも対応。
映画情報
- 映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』
- 7月12日(金)よりロードショー中
- https://www.pokemon-movie.jp/
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
©Pokémon ©ピカチュウプロジェクト
サイン入りプレスプレゼント
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- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
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— ライブドアニュース (@livedoornews) July 19, 2019
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は7/25(木)18:00
インタビューはこちら▼https://t.co/n1zDiaF2B2 pic.twitter.com/tfC9f2QL59- 受付期間
- 2019年7月19日(金)18:00〜7月25日(木)18:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/7月26日(金)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月26日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月29日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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