焦りはなくなった。賀来賢人はブレイクを経て「自分にしかできない表現」を追求する。
2018年、ドラマ『今日から俺は!!』で金髪ヤンキーの主人公・三橋貴志役を演じ、世代を超えて幅広く認知されることとなった賀来賢人。
ドラマでは、画面いっぱいに暴れ回ったり、変顔を連発するなどの振り切った姿が話題となり、自身のInstagramのフォロワー数も100万人を突破(※6月末の時点では約139万人)。今最も輝くコメディ俳優として大ブレイクを果たした。
賀来賢人、30歳。役者としてのキャリアは12年。だんだんと長くなってきた芸歴に「“守りに入る”というよりは、まだまだ攻めていきたい」と話す。
そこには、とことん「面白み」を追求するプロの姿があった。
スタイリング/小林新(UM) ヘアメイク/SHUTARO(vitamins)
子を持つ親としては、子どもたちに囲まれるのは嬉しい
- ドラマ『今日から俺は!!』で主演を務めて以降、さらなるブレイクをしていますが実感はありますか?
- そうなんですか?(笑) 実感はまったくないです。ただ、街で気づかれたり声をかけられたりすることはすごく多くなったので、それは(以前とは)違うかなと感じています。
- 子どもたちに囲まれることもあるそうですね。具体的にどのように声をかけられるのでしょうか?
そうなんです。
— 賀来賢人 (@kentkaku) 2018年11月5日
ちびっこに囲まれるという現象が起きてます😍嬉しすぎる。 https://t.co/zUas2vXayb
- (自分の)子どもと公園で遊んでいたら「あれ、三橋じゃね?」って言われたりしますね(笑)。あとはマンションのエントランスで登校前の子どもたちに囲まれることもありました。
- (笑)。やはり役名で呼ばれることが多いですか?
- 子どもには、ですけど。大人の方々から「うちの子が大好きなんです」とか、親戚に会ったときに「友達の子どもにサインください」と言われることもあります。
- それを受けてどのように感じますか?
- 嬉しいですよ、すごく。自分にも子どもがいるので。子どもに認知されるって『仮面ライダー』とか特撮ヒーローものに出演しない限りはなかなかないですよね。しかも、子どもがドラマを観るということは親も観ているということなので、そのあたりで振り幅が広がったのかなと思います。
でも最近は子ども中心に生活しているので、『(それいけ!)アンパンマン』以外はテレビをつけなくなってしまったんですよ(笑)。だから、自分がテレビに出ている姿をほぼ見たことがないんです。ただ、見られ方は確実に変わってきているなとは思います。
なので、ここで気を抜かず、飽きられないように気合いを入れていかないとな、と思っています。
活躍する「ケント」たちに埋もれないよう、がんばりたい
- もうすぐ30歳を迎えますが(取材は6月中旬)、節目の年齢を迎えることに対してどのような思いがありますか?
- 早く30歳になりたいと思っていました。若いとどこかなめられたり、大人として扱われなかったりしたので、やっと大人の仲間入りができたのかなと。
「30歳だからしっかりしなきゃ!」とは考えすぎずに、より行動的に。仕事の面でもプライベートでも、生きたいように生きようと思っています。 - 若い役者が次々とブレイクしていますが、焦りなどはあったのでしょうか?
- 前はありましたよ。めちゃめちゃありました。でも今はそんなにないですね。
- いつ頃からなくなりましたか?
- いつからだろう…。自分の強みを考えたり、自分にしかできない表現をやろうと信じてからはなくなりましたね。人の真似をしてもできるようにはならないですから。
- 賀来さんや山﨑賢人さん、中島健人さん(Sexy Zone)、林遣都さんなど「ケント」さんたちが活躍していることについて、Twitterで言及されていましたね。
ケントいっぱい❗️
— 賀来賢人 (@kentkaku) 2018年12月26日
ありがとうございます! https://t.co/UoPb1omg9A
- ケントがたくさんですね、がんばっていきましょう(笑)。山﨑賢人に関しては字も同じですからね、本当迷惑な話ですよね(笑)。でもいいやつなんで。僕は埋もれないように、消えないように、がんばっていこうと思います。
「上手い」「下手」は気にせず、自分が面白いと思った表現を
- お子さんが生まれてからテレビを観なくなったということですが、それは教育方針でしょうか?
- 子どもと遊んでいるので、単純に観る暇がないですね。前はテレビに携わる者として、映画やドラマも勉強だと思って見ていたんですけど、家にいるときくらい遮断してもいいのかなって。最近はプライベートを充実させて、それが役に活きればいいなと思っています。
- なるほど。ちなみに、お子さんとは何をして遊んでいますか?
- 積み木をやりますね。あとはごっこ遊びとか。かくれんぼもしますし、赤ちゃんの人形を育てる遊びもやっていますね。ベッドに寝かせて布団をかけたり。
- ミルクを飲ませるお人形ですか?
- そうそう、「メルちゃん」! いっつも服を脱がせてしまうのでメルちゃんが全裸でダラーンとなっていますけど(笑)。あとはやっぱり『アンパンマン』ですね。
- お子さんが賀来さんの出演される番組を観るようになるのが楽しみですね。
- いつかは。今はまだ何が何だかわかっていないので(笑)。早く子ども向けの番組とかにも出たいですね。
- たとえばどんな番組に?
- (NHK)Eテレですかね。この前、妻が『アンパンマン』の映画(『それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫』)に声優として出演していたのですごく悔しかったですね。「いいなあ」って思いました(笑)。僕もそういうのに出たいです。
- 家族ができたことで仕事への取り組み方も変わりましたか?
- “守りに入る”ことがあまりなくなったかもしれない。自分のやりたい表現をやるようにしています。
- と言いますと?
- “置きにいく”ということもできるようになってきたんですよね。ある程度キャリアもあるし、監督からのダメ出しも少なくなって。それでもトライしてみる。自分が面白いと思ったことや、やりたいと思った表現を一度提示するということは、ずっと続けていきたいです。
- それは20代では考えられなかったことですか?
- 最初はそうでしたね。最近では「上手い」「下手」も気にしなくなりました。
テクニック的なものは、10年くらいやっていれば身についてくるんですよね。でもそういうことじゃない。自分にしか出せない面白みをいかに出せるかだと思うので、それを意識しています。
男には「モテたい」という思いが絶対にある
- 賀来さんが主演される7月5日スタートのドラマ『アフロ田中』(WOWOW)は、累計発行部数570万部を突破し、映画化もされている人気コミックシリーズ(小学館)が原作です。主演が決まったときはいかがでしたか?
- もともと漫画の存在は知っていて、前に少し読んだことはあったんですけど、決まってから改めて読ませていただきました。
1巻あたり15分くらいで読める作品で、それくらい展開が速くて読みやすい。それを監督が台本に起こしたときに、この通りにやれば間違いなく面白くなるだろうなと思ったので、純粋にそこに乗っかろうと思いました。 - 現場に入ってみていかがでしたか?
- すごく楽しかったです。どのシーンも明るいんですよね。(主人公の)田中くんの一喜一憂はあるんですけど、暗いシーンはなく、基本的に田中くんの恋愛模様とバカな男たちの話。
普通はシリアスなシーンがあると、台本を読んだだけで気持ちが落ちたりするんですけど、まったくそんなことなく撮影ができました。
- 田中に共感できる点はありましたか?
- やっぱり男には「モテたい」という思いが絶対にあって。女性にはバカだなと思われるかもしれないんですけど、男は常にそういうことを考えている生き物なんですよ(笑)。
「モテる!」って思ってやってる方法が間違っていても、その方向に突き進んでしまったり、モテない先輩に「モテたい」と相談して、アドバイスを鵜呑みにしてしまったり。
僕も男子校に通っていて、そういうことって本当によくあったので。男なら誰でも共感できる部分だと思います。 - 賀来さんもモテない先輩に相談したことがあったんですか?
- ありましたよ! 「とにかくクールでいろ!」みたいなことを言われて、ずっと黙ってた時期がありました。そしたら周りからは「怖い人」と言われて(笑)。
一方でモテる人は「面白いやつが一番モテる」と言っていたので、どっちを聞けばいいんだろう? という感じでしたね。
原作漫画は、一字一句セリフを言えるくらいに読み込む
- ご自分のアフロ姿はどう思いましたか?
- もっとコントっぽくなるのかと思ったら、思った以上にしっくりきましたね。最初(ウィッグを)被ったときに「これだ!」って(笑)。現場の空気も「これだ!」ってなっていましたね。アフロとのフィーリングはすごくよかったです。
日よけにもなりますし(笑)。寒いときは温かいし、軽いし、ヘアメイクもいらないですし。そんなにモコモコもしていないので、いい具合でした。 - フリーターで童貞という役どころですが、何か準備はされましたか?
- 田中くんは奇抜な頭をしていて個性的な人かと思いきや、すごく真っ当でピュアなんですよ。だから、奇をてらわずに、素直に台本を読んだ印象で演じました。
変に笑いを取りにいくよりも、必死に生きている様が面白いのかなって。そこは役作りというよりは台本の通りに「弱気でいいやつ」を演じました。 - 今回は座長ですが、どのように現場を盛り上げていたのでしょう?
- 今回は現場を引っ張ろうという気持ちは…ごめんなさい、まったくなくて(笑)。周りの方が盛り上げてくれたので甘えちゃって、みんなに抱きかかえられながら撮影を終えた感じです。このキャストでよかったなと思います。
- とくに盛り上げていたのはどなたですか?
- 松尾諭さんと小澤征悦さんの大人チームふたりですね。本当に、バカなおじさんたちで(笑)、楽しく引っ張ってくれて。何かあったらネタにする! という感じでした。
- ドラマ内では顔芸のシーンも多いかと思いますが、ご自宅で練習されたりも?
- いえ、もう一発で。顔の筋肉は柔らかいほうなので(笑)。
- そうなんですね(笑)。近年は、映画『斉木楠雄のΨ難』『今日から俺は!!』など漫画原作の個性的な役柄が続いていますが、どのように感じていますか?
- ハードルも高いし、プレッシャーもあるんですけど、実写ならではのよさもあると思っています。原作とは違ったいいものが作れる可能性があるんですよね。だから、上手いこと乗っかろうという気持ちでやっています。もちろん原作へのリスペクトも忘れずに。
プレッシャーがあっても、それを凌駕するくらい原作への愛があればいいのかなと考えています。原作ファンとして、現場に入る前に一字一句漫画のセリフを言えるくらい読み込んではいるので。 - 20代前半と比較すると、コミカルな役が増えていることに対しては、どのように感じているのでしょうか?
- ありがたいですよ。シリアスとコメディの両方を演じられる、どんな役にもすぐ対応できる役者のほうが面白みがあると思うので、ありがたく受け止めています。楽しんでいますよ。
バスケに関わるお仕事、募集しています!
- プライベートについてもお伺いします。最近ハマっていることはありますか?
- ハマっていること…海外旅行に行きたいと思っているので、海外の観光サイトや旅行サイトを見ていますね。どこに行こうかずっと調べています。
- TwitterやInstagramではよく「バスケがしたい」と呟かれていますよね。
連日、新作、撮影、楽し、頑張る。
— 賀来賢人 (@kentkaku) 2019年3月22日
バスケ、したい。 pic.twitter.com/XJ4XCQiEAA
- そうですね。運動が好きなので。その中でも自分が一番長くやってきたスポーツが、バスケなんです。一番いいのは、バスケをする役の仕事が来ることですよね。そしたら練習もできるし。そういう役を募集していると書いておいてください(笑)。
- (笑)。たとえば『SLAM DUNK』とか…。
- それはちょっと風当たりが強すぎる(笑)。もう高校生役はさすがにキツイと思いますしね。ほどよい、バスケの仕事を募集しています(笑)。
- 賀来賢人(かく・けんと)
- 1989年7月3日生まれ。東京都出身。O型。2007年に俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『花子とアン』、ドラマ『Nのために』(TBS系)、『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)、映画『斉木楠雄のΨ難』、『ちはやふる -結び-』など多数の作品に出演。10月に、映画『最高の人生の見つけ方』、来年1月には『AI崩壊』が公開予定。
作品情報
- WOWOWオリジナルドラマ『アフロ田中』(WOWOWプライム)
- 7月5日(金)スタート
毎週金曜深夜0時〜(第1話無料放送) - ©のりつけ雅春/小学館 ©2019 WOWOW
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- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) July 5, 2019
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・応募〆切は7/11(木)18:00
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- 2019年7月5日(金)18:00〜7月11日(木)18:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/7月12日(金)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月12日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月15日(月・祝)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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