4人での「無言飲み」も信頼の証。レーベル移籍を決めたKEYTALKの、変わること・変わらないこと

“メンバー全員フロントマン”と評したくなるほどにひとりひとりの個性が際立ちながら、絶妙なバランスの上に調和しているバンド、KEYTALK。

5月15日にリリースしたシングル『BUBBLE-GUM MAGIC』からは、レーベルをユニバーサル ミュージック/Virgin Musicに移し、新たな環境に。移籍を発表した下北沢のライブでは、これまでのポップかつダンサブルなイメージとは異なるアコースティックなアレンジを披露し、進化していくことへの決意を感じさせた。

一方で、いざインタビューを開始すると、4人の持ち味である軽快なトークは変わらず健在。全員が30代となった今も、時折“小学生男子”のようなやんちゃな表情を見せてくれた。

撮影/横山マサト 取材・文/有竹亮介
▲左から、小野武正、首藤義勝、寺中友将、八木優樹。

4人で飲んだとき、最初の1時間はほぼ無言だった

5月12日は、寺中(友将)さんの誕生日でしたね。おめでとうございます!(編注:取材を行ったのは5月中旬)
寺中 ありがとうございます。31歳になりました!
当日は、メンバーでお祝いしたんですか?
小野 しましたね。
寺中 ちょうど仕事で一緒だったので。
小野 仕事じゃなくても、お祝いしようと思ってましたよ!(笑) みんなでシャンパン開けてね。
寺中 開けたね。八木(優樹)くんがベロベロになってました。
八木 はい。めでたかったんで、調子に乗っちゃいました(笑)。
いつもメンバーの誕生日はお祝いするんですか?
小野 なんだかんだで、してますね。
寺中 去年、おととしと誕生日にライブがあったんで、来てくれたお客さんからサプライズしてもらったり。去年は『MATSURI BAYASHI』を歌ってるときに、みんなが「祭」って書かれたうちわを出して踊ってくれて。
八木 あれはスゴかったね。
寺中 スタッフやメンバーにも、サプライズでケーキを用意していただいて。毎年、喜ばしいです。
首藤(義勝)さんは、誕生日の思い出はありますか?
首藤 僕は2月生まれなんですけど、だいたいライブをやってない時期なんで、あんまり祝ってもらえなくて。他のメンバーがちょっとうらやましいです。
寺中 たしかに、1月、2月はライブが少ないもんね(笑)。
首藤 でも印象的だったのは、巨匠(寺中)が出身地の熊本県でフルマラソンを走った日のことで、それがたまたま僕の誕生日だったんです。42.195kmを走り終えた直後に、巨匠が僕のところに駆けつけてくれて「誕生日おめでとう」って。フルマラソン走り終えた直後の人に祝われるって、めったにないじゃないですか。
小野 感動的だったね。
誕生日のエピソードだけを聞いていても仲の良さが伝わってきますが、普段から4人で飲みに行ったりするんですか?
小野 4人だけで飲んだのは、もう4年ぐらい前なんです。スタッフの人たちと一緒にっていうのは、年がら年中ありますけど、4人だけの飲みは、そろそろ予定立てないとね。
寺中 何か達成したときに行こう。
YouTubeチャンネルの『KEYTALK TV』では、寺中さんと首藤さんがふたりで飲みに行ったけど、終始無言だったって話をしてましたよね。
寺中 飲みに行くとだいたいそうなりますね。それこそ4年前に4人だけで飲んだときも、酔っぱらうまでの1時間くらいは全員ほぼ無言。
小野 俺は積極的に話しかけてたと思うよ? なのに1時間ぐらい無視され続けて…。
寺中 たしかに。みんな「はい」「うん」しか答えてなかった(笑)。
小野 「あれ、返ってこねぇな…」って。会話のキャッチボールができなかったんですよ。でも飲み始めて1時間ぐらいしたら、急に剛速球が返ってくるようになって。
寺中 酔っぱらってスイッチが入ってね。
八木 …ねぇ、本当に僕ら、仲がいいんですよね?
全員 (爆笑)。
長く一緒にいるから、今さら話すこともない、って感じですか?
寺中 普段からこうやって一緒にいますからね。
小野 俺はみんなのことを、もっと知りたいですけどね。何考えてんのかなって。
首藤 調べてもらっていいよ。…Wikipediaとかで。
小野 おい! そうじゃなくてさ、生の声が聞きてぇんだよ!
全員 …(沈黙)。
小野 だいたいいつもこんな感じです。
八木 和むわぁ(笑)。
寺中 小野くんはね、メンバーの秘密を知りたがるんですよ。
小野さん、最近暴いたメンバーの秘密を教えてもらえませんか?
小野 それはちょっとここでは言えないですねえ(笑)。
首藤 むしろ、自分が暴かれてたよね?
寺中 そうだよ(笑)。小野くんがプライベートを暴かれてた記事のリンク、貼っといてあげてください(笑)。

新しい環境で、フラットな意見をもらえたのは貴重だった

単刀直入に聞きますが、なぜレーベルを移籍しようと決意したんですか?
小野 メジャーデビューから5年間活動してきたことで、「環境を変えて、新しい人たちと今までと違うKEYTALKを見せられないかな」って話が出てきたんです。新しい環境でさらに挑戦するなら今かなって。
実際に移籍して楽曲制作はいかがですか?
首藤 環境が変わるってやっぱり大きくて、フレッシュな気持ちで制作に取り組めています。
寺中 今までになかった意見もたくさんもらえますし、「ここまで変わるんだ!?」ってびっくりしてます。新曲の『BUBBLE-GUM MAGIC』も、その環境下で引き出してもらったという感覚が大きいです。
とくに参考になった意見は、どのようなものでしたか?
寺中 楽曲制作に入る前に、「こういう曲があったらいいんじゃないか」ってスタッフさんに言ってもらえたのは新鮮でしたし、参考になりましたね。歌詞に関しても、「こういうふうに変えたらよくなるんじゃないかな」って意見をもらえたので、柔軟に取り入れて、新しいことができたと思います。
八木 レーベルが変わるってことは、スタッフとの関係値もほぼゼロから始まるわけじゃないですか。だから、すごくフラットな意見というか、情が入ってしまってからだと言ってもらえないようなことも聞けました。客観的に僕らを見たときに、足りないものとか。
具体的に、何が足りないと気づきましたか?
八木 個人的な話なんですけど、純粋にドラムが下手っていうことを再確認しました(苦笑)。今まで改めて意識することがあまりなかったので、すごくいい環境だなって感じてます。
“踊れるバンド”というところがKEYTALKの魅力のひとつだと思いますが、レーベル移籍を発表したライブは、イメージとは異なる全編アコースティックアレンジでしたね。あの試みも、変化への第一歩ですか?
首藤 そうですね。アコースティックアレンジは、去年の幕張メッセでのライブで2曲披露させてもらったときに「良かった」って感想を多くいただいて、またやってみたかったんです。あと、移籍発表のライブの会場が僕らのゆかりの地である下北沢(東京)だったので、特別なものにできたらいいなと思って、アコースティックにしました。
バンドとして初めてのアコースティックライブの感触は?
寺中 楽しかったですね。
小野 普段と違った感じでいろんな発見があったし、これからもやっていきたいことのひとつです。
環境を変えて、新たな試みも成功して、今後はどんなチャレンジをしていきたいですか?
小野 いろんな人にKEYTALKの楽曲を届けたいって思いは、変わらず持ってます。そのうえで、メンバーで「2年後の目標を立てよう」って話し合ったんですよ。出てきた目標は、2年後に横浜スタジアム(神奈川)でワンマンライブを実現させること。そこに向かって、走り出した感じです。

自然と、モデルさんから目を逸らしちゃったよね(笑)

横浜スタジアムに向けて、始めた準備はありますか?
首藤 楽曲制作は、ライブで演奏したときの風景を想像しながら進めることが多いんですけど、『BUBBLE-GUM MAGIC』は、まさにスタジアムで演奏してる姿が思い浮かべられるように作った曲なんです。
楽曲のどのような部分に、スタジアムのイメージが反映されているんでしょうか。
首藤 今まで僕らのライブで核になるような曲って、速いテンポでガンガン盛り上げるものが多かったんです。でも、さらに広い会場になったら、ずっしりとした大きなビートで会場全体を揺らしたほうが楽しんでもらえると思って、今のスピード感になりました。
爽やかな曲調とは裏腹に、ドキッとするようなMVですよね。
小野 セクシーなMVに仕上がりました。
MV撮影の裏話はありますか?
首藤 モデルさんはニップレスをつけてもらって撮影してたんですけど、じつは(小野)武正くんも本番中にニップレスをつけてました。
小野 なんで俺がつけてんだよ! っていうね。
寺中 気分出すためでしょ?
八木 いつもはブラだもんね。
小野 つけてねぇよ!
寺中さんが女性の胸元をチラ見するシーンが、ファンの間で話題になってましたけど。
寺中 監督さんに言われたのでやりました。
演出で?
寺中 (食い気味に)演出です!
八木 必死すぎる(笑)。
首藤 逆にウソっぽい(笑)。
寺中 ひとりずつ撮ってるときに、監督さんに「じゃあ次、巨匠、1回胸元をチラッと見てリアクションお願いします。どうぞ!」みたいに言われて。
ムチャ振りだったんですね。
寺中 そうなんですよ!八木くんも同じ振りをされてたんですけど、普通に聞こえなかったみたいで彼は何もやってなくて…。
八木 たしかに、監督が何かしゃべってるなとは思ったんですけど「いいね〜、いいね〜」みたいに言ってるんだと受け取っちゃって(笑)。
寺中 結果、俺ひとりだけチラ見してるシーンが使われてて、晒されてる感じがありますよね。あのとき、本当にテンパって、MVに映ってるのはありのままのリアクションなんです。どのタイミングで見ればいいかもわかんなかったし。
首藤 でも、巨匠はキャラクター的に一番許されそう。
八木 いやらしくない。
寺中 本当に?
八木 うん。“少年スケベ”って感じ。

いい距離感のメンバーだから、10年間やってこられた

2009年の結成から10年が経ちますが、KEYTALKでやってきてよかったと思うことは?
全員 …。
どなたか…?(笑)
小野 こっ恥ずかしいこと言うのは、巨匠が得意なんで。
寺中 なんでだよ!
八木 タケ(小野)はそういう球を投げるから、みんなとキャッチボールできないんだよ(笑)。
寺中 「すごく仲いいですね」ってよく言われるんですけど、仕事でずっと一緒だからプライベートでは遊んだりしないし、休みの日も会ってたらちょっとキツいかもな(笑)。ちょうどいい距離感を保ってるから、いいんだと思いますね。普段しゃべりすぎないようにしてるから、ライブのMCも新鮮で楽しいし、お客さんにも「こいつら面白い」って思わ…。
首藤 思わせてる? 俺らビジネス仲良し?
全員 (爆笑)。
寺中 …そうじゃなくて、思ってもらえてんのかなって。
いい距離感だから、10年間続けてこられたと。
寺中 そうだと思います。
小野 プライベートに深入りしようとする人が、僕しかいないんでね。
八木 自覚あるんだ(笑)。
ひとりくらいコミュニケーションを図るメンバーも必要ですよね(笑)。では最後に、ここまでバンドとしての進化について聞いてきましたが、個人的に進化させたいことはありますか?
八木 草野球チームに入ってるんですけど、人生で一度もホームランを打ったことがないんで、打てるように進化したいです。
小野 プライベートの進化か。…香水をつけようと思います、もう30代なんで。
八木 体臭を隠すために?
小野 違うよ! もう大人だから。どの匂いにするかはまだ決めてないので、いろいろ嗅ぎに行きたいと思います。
八木 嗅ぎに行きたい…表現が気持ち悪い(笑)。
首藤 僕はよく遅刻してマネージャーに怒られるので、時間を守れる大人になりたいです。以上です。
(笑)。寺中さんは?
寺中 ここ1年ぐらい、ちょっとしたときにタクシーに乗ってしまっている自分がいるな、って思って。…あ、でもこれは4人ともそうなんですけど。
首藤 巻き込むなよ。
寺中 「じゃあな」って別れると、それぞれ手をあげて、タクシーを捕まえに四方に散るんですよ。
小野 (タクシーの)赤いランプを見つけると「空車だ!」って、つい手あげちゃうよね。
寺中 だから、タクシーを1回も使わないぐらいの勢いで、歩きたいと思います。健康にも気をつけないといけない年齢になってくるんで、いっぱい体を動かしたいですね。
KEYTALK(キートーク)
2009年7月に小野武正(ギター)、首藤義勝(ボーカル&ベース)、寺中友将(ボーカル&ギター)、八木優樹(ドラム&コーラス)で結成したダンスロックバンド。2013年11月20日にシングル『コースター』でメジャーデビューし、2015年10月28日には初の日本武道館(東京)単独公演を開催。昨年9月8日には幕張メッセ(千葉)で単独公演を開催し、チケットは即完売。ユニバーサル ミュージック/Virgin Musicに移籍し、5月15日に『BUBBLE-GUM MAGIC』をリリース。

作品情報

『BUBBLE-GUN MAGIC』
5月15日リリース


左から初回生産盤[CD+DVD]、通常盤[CD]

【初回生産盤[CD+DVD]】
¥1,800+tax
【通常盤[CD]】
¥1,200+tax

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、KEYTALKのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年6月7日(金)18:00〜6月13日(木)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/6月14日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月14日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月17日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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