オレがあいつであいつがオレで!?  ZIGGYがふたり、「本物のロック」はどっちだ

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2017年にデビュー30周年を迎え、精力的に活動しているZIGGY・森重樹一。音楽活動のみならず、バラエティ番組での面白キャラクターもおなじみとなり、すっかりお茶の間の人気者になっている。しかし、果たしてそれでいいものか?

ZIGGYといえば80年代から群雄割拠の音楽シーンをサヴァイヴしてきた、日本ロック界のレジェンドである。今一度、本来のZIGGYらしさを思い出してほしい。そんな願いを込めて改めて問う。「ZIGGYにとって、ロックとは何か?」。

その答えを探るべく4月3日にニューシングル『ヒカリノアメ』を発売した森重にインタビューを申し込み、取材場所へと向かった。レジェンド登場を前に緊張する取材班。「あっ!」。ドアが開いた瞬間、誰かが声を上げた。そこで私たちが見たものは…ふたりのZIGGYであった。

撮影/横山マサト 取材・文/岡本貴之

取材現場で問題発生。ZIGGYがふたりいる

あの〜、本日はZIGGY・森重樹一さんにインタビューを申し込んでおりまして。いざ取材現場に来てみたところ、森重さんがおふたりいらっしゃるようで。大変失礼ですが、どちらがホンモノの森重さんなのでしょうか?
自分がホンモノです。
自分がホンモノですね、当然。
では、おふたりともホンモノのZIGGY・森重樹一さんということで通常どおりインタビューを進めてもよろしいでしょうか。
もちろんです。
ありがとうございます。まずは、ニューシングル『ヒカリノアメ』完成おめでとうございます。
(食い気味に)ええ、ありがとうございます。
(笑)。
シングル発売に当たっての率直なお気持ちを、お聞かせください。
非常にうれしいですね。ありがたいです。最近、露出も増えてきたので、若い人にもZIGGYを知っていただけるという意味では、良いタイミングでの発売かな、と思っています。
森重としてはですね、非常にうれしいですね。まあ、やっぱりありがたいです。良いタイミングでの発売というか、ここのところ露出も増えていますし…
おっしゃってることが完全にかぶってますけど。
それはもう、どちらもZIGGY、どちらも森重ですから。
そうでした、大変失礼しました。ZIGGYデビュー30周年を迎えた2017年から、春先に欠かさず楽曲をリリースされていますよね。春というのは、森重さんにとって創作意欲をかき立てられる季節なのですか?
う〜ん…
そうですねえ。とくに花粉症に悩まされているわけでもないですからね。
その辺は大丈夫ですね(笑)。まあ、通年でいろいろ作っているんですけど、強いて言えば、レコード会社的にそのタイミングでリリースするのが都合が良いとか、そういう事情もあるんじゃないですかね。アーティスト的には、季節を問わず年中作っている感じです。
“変わらないものなんて 何ひとつありはしないから”そんな感じで創作に挑んでますね。
ははははは! そう、何ひとつないですよ。
“無理もない話だね”ということです。
自ら『DON'T STOP BELIEVING』の歌詞を引用して語っていただけるとは、感激です。
ああ、すいませんつい。偶然出てしまいました。
ホンモノ感が漂いますよね。
ホンモノ感?
いや、ホンモノです、ホンモノ。

「ただキャッチーなだけでは、僕は生理的に嫌なんです(森重A)」

では、より深く曲についてお伺いします。シングルの表題曲『ヒカリノアメ』は「future disco ver.」と「hyper punk ver.」と、アレンジの違う2バージョンが収録されています。なぜでしょうか。
▲『ヒカリノアメ(future disco ver.)』のMV。
え〜と、どうだったかな?
アレンジでオーディエンスの興味をキャッチすることって可能だと思うんですけど、僕にとって大事なのは、「キャッチするために何をするか」ではなくて、曲が生まれてきたときの熱量だと思っているので。そういう意味で仕上がる方向性はどっちでもいいなと思ったわけです。
今までの長いキャリアの中で、同じ曲を2バージョンでレコーディングしたことはないし、シングルということもあって、ちょっと企画感があったほうが自分も飽きないし、こういう形になったんです。
『ヒカリノアメ』は、雨をテーマにした歌詞ですよね。
そうですね、サビの“光の雨は RAIN RAIN RAIN”という…
RAIN RAIN…(歌いながら)“どしゃぶりの雨が〜♪”
それは違う曲(『I'M GETTIN' BLUE』)なのでは…。
ええ、もちろん違います。ただ、雨を連想させる歌詞が多いなと。雨、好きなんですよね。ね?
実生活で雨が降るとムカつくんですけど、歌のテーマとしては、晴れていることを歌い続けるのもつらいなと。雨はムーディーだしね。
そうそう、そうなんですよ。『午前0時のMERRY-GO-ROUND」も、曲ができたときに雨が降ってたんじゃないかなって、勝手に思ってるんですよ。あれは、たしか降っていましたよね?
いや、あれは、降っていないですね。
降っていないですか!? おかしいな。あれはちょっと雨を感じるんですよね。カラオケでは必ず最後に歌います。先輩にハモってもらったりとか。だいたい僕はいつも1曲目『GLORIA』から入るんですけど。
カラオケに行って、ご自分の曲を歌うんですね。
間違えました、カラオケじゃなくてライブですね。ライブの頭でまず『GLORIA』でテンションを上げるんで。
『GLORIA』からライブが始まることってそんなにありましたっけ?
僕は今年ありました。
僕はあんまりないんですけどね(笑)。
同じく収録されている、ミディアムテンポのナンバー『SOMETIMES』はスケールの大きさを感じさせます。どんなイメージで作った曲ですか?
僕は、ソングライターとしてたとえば、「明るいんだけどすごく屈折している」とか、逆方向の矢印が強いものに引かれるんですよね。『SOMETIMES』は最初に作ったときはちょっと素朴すぎたので、僕が好きな双方向のニュアンスが出ていなくて。それでアレンジで色合いをつけて、こう、逆方向に引っ張ることで双方向感を出したことが、スケールの大きさを感じさせるのかもしれないですね。ただただ、キャッチーなだけでは、僕は生理的に嫌なんです。
僕も素直に走っているのが嫌いなんですよ。やっぱり、正統派ものまねタレントが好きな人が多い中、ものまね界を逆方向に引っ張っていかないと。
うん、すごく共感しますね。
何か音楽と違った話になりましたが、大丈夫ですか。
何を言ってるんですか、大事な話ですよ。
そうです、一番いい話です。

「う〜ん、結局、ロック貫き通してきて良かったなって(森重B)」

『MELODY』はピアノの旋律から始まりますが、どんなときに書いた曲ですか。
車を運転しているとき、渋滞中に鼻歌で作りました。国道246号をよく通るんですけど、急いでいるときに限って渋滞するんですよね。でもおかげで曲ができたから、おあいこだなって。そう思います。
そういうシチュエーションで曲が生まれることってよくあるのでしょうか。
そうですね、加藤浩次さんのものまねは鼻歌からできましたね。やっぱり渋滞しているときに、“ヴァッヴァ〜ッ”(加藤のものまね)みたいな。「この状況、当たり前じゃねえんだろうなあ」って思いながらやってたらできたというかね。…やっぱり、246って急いでいるときに限って渋滞しますよね?
本当そうです。
今年でデビュー32年目に突入するわけですが、これまでの活動を振り返ってどのような思いを持っていらっしゃいますか?
(思いっきり前のめりになって)う〜〜〜ん、結局、ロックを貫き通してきて良かったなって。ZIGGYらしさは消えてないと思うので。昔からZIGGYを応援してくれているファン、新しいファンの方にも、新譜を聴いていただいて、そこで何かを感じていただければ。
すごく似てるなあ(笑)。

「ニセモノでごめ〜んね!(森重B)」

何か先ほどから、やはりニセZIGGYがいる気がしてならないのですが、森重さんのプライベートに関する質問で判断させてください。サイクリストとしても知られる森重さんですが、最近はどんな自転車に乗っているのか教えてもらえますか。
ああ、じゃあホンモノの方から、お答えどうぞ。
あれっ!
▲唐突にカツラを脱ぎ、眼鏡を掛けた「森重B」。
自転車ですか? 僕は、たまに「木梨サイクル」に自転車を譲ってもらったりしますね。どうも、とんねるずの石橋です。
ははははは!
ついに本性を現しましたね。誰なんですか、あなたは?
(前歯を装着し)どうもすいません、明石家さんまです。結局ものまねも、ロックやからね! ニセモノでごめ〜んね! ヒャッヒャッ!
さんまさんのものまね! ある意味ホンモノですからね、これは。いや〜まさか目の前で見られるとは。めちゃくちゃうれしい!
こちらこそですよ! 森重B改め、ものまね芸人やってます、原口あきまさと申します。まさかこんな企画が実現するなんて。光栄です。もう〜ビックリしました。この衣装も、わざわざ作っていただいたんです。
スゴいですよ。サイズもピッタリで。ちょっと一瞬お借りします(カツラを二重にかぶる)。
うわっもっとホンモノ感が増した(笑)。デビュー当時のZIGGYや!
森重Bは、原口あきまささんだったんですね。そもそもどうして森重さんになり切っていたんですか。
僕とミラクルひかるちゃん、ホリ、山本高広で「スペシャルものまねライヴ【変人】」というユニットをやっていまして。そのライヴの歌ネタブロックで、青春時代に影響を受けた歌まねをするということで、僕は「ZIGGYをやらせてください」って、森重さんのものまねをやらせていただいたんです。森重さん担当のスタイリストさんとミラクルひかるちゃんが繋がっていて、ホンモノの衣装を貸していただいて。
そのときの写真を見せていただいたら、すごく似ていて。「これ、俺じゃない!?」って。
▲森重さんのものまねをする原口あきまささん。
そしたら今回、森重さんと取材のお話をいただいて。「えぇ〜⁉」って、本当にこんな光栄なことはないですよ。
僕も初めてお会いしますけど、写真を見てすごく似てたので、楽しみにしてました。もちろん原口さんのことは以前から存じ上げていたんですけど、さっき、話している僕の動きを瞬時に捉えて取り入れていく姿を見て、やっぱり着眼点がプロだなって思いました。こうやって、常日頃から、形態模写なんかをされていらっしゃるんだなって感じましたね。どの道でもプロフェッショナルはスゴいなと。
いえいえ、とんでもないです。ありがとうございます。

ダブルZIGGY問題、無事解決

では、この記事をご覧の皆さんにZIGGYとして最後にひと言お願いします。
今年は結成35周年なんですが、僕は常に進行形でありたいと思っています。ZIGGYが始まってから35年の経過点を、ニューシングル『ヒカリノアメ』を聴いたりライヴを見たりして感じてほしいと思います。よろしくお願いします。
ZIGGYファンの皆さま、申し訳ございません! 本当にきょうは、素敵な時間をありがとうございました!
最後には、ZIGGY・森重樹一、ものまね芸人・原口あきまさとしてお互いをわかり合えた2人。こうして、ダブルZIGGY問題は無事、解決した。地球はひとつ、ZIGGYもひとつ。うん、良かった!
森重樹一
(もりしげ じゅいち、右)
1963年8月28日生まれ。東京都出身。A型。1984年にロックバンドZIGGYを結成、1987年にアルバム『ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜』でメジャーデビュー。2ndアルバム『HOT LIPS』収録曲の『GLORIA』がフジテレビ系テレビドラマ『同・級・生』の主題歌に起用され大ヒットするなど、バンドブームを牽引した。2017年にデビュー30周年を迎え、作品のリリース、ライヴのみならずバラエティ番組への出演を通してロックンローラーとしての姿とユーモアのあるキャラクターのギャップでお茶の間の人気を獲得。活躍の場を広げている。
原口あきまさ
(はらぐち あきまさ、左)
1975年11月3日生まれ。福岡県北九州市出身(北九州市観光大使)。O型。第33回ベストファーザー イエローリボン賞 芸能部門受賞。明石家さんまさんのモノマネで大ブレイク。ものまねレパートリーは100以上!スペシャルものまねライブ「変人」公演を毎年行っている。プライベートでは4人の男の子のパパとして、子育てに奮闘中!!

CD情報

ZIGGY シングル『ヒカリノアメ』
2019年4月3日リリース
PECF-3231/1,500円+税
収録曲 : ヒカリノアメ(future disco ver.) / ヒカリノアメ(hyper punk ver.) / MELODY / SOMETIMES

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、森重樹一さん、原口あきまささんの2ショットポラロイドを、抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年4月8日(月)18:00〜4月14日(日)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/4月16日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月16日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月19日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
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