仲間たちが繋いできた作品に、自分も加われた――廣瀬智紀が刀剣男士に抱く尊敬と感謝

『映画刀剣乱舞』出演者インタビュー第3弾は、舞台や映像作品など幅広く活躍する廣瀬智紀。舞台『刀剣乱舞』に出演した役者が揃う中、鶯丸役で『刀剣乱舞』に初参戦した。そんな彼の胸に宿るのは、俳優仲間たちへの「感謝」と、ジャンルを支えるファンへの「恩返し」の気持ちだという。柔らかな物腰から発せられる言葉のひとつひとつから伝わってくる、強い意志と揺るぎない覚悟。その思い、洩らさず受け止めたい。

撮影/藤記美帆 取材・文/横澤由香 制作/アンファン

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映画に参加できたことは「ひとつの運命なのかな」

本作へのオファーが届いたときの気持ちをお聞かせください。
もう、「ぜひやらせてください」って言葉しかなかったです。いろいろな現場でずっと切磋琢磨してきた俳優仲間たちが、これまでやってきたことがこの『映画刀剣乱舞』につながっているんだよなぁ…という実感があったので、 「その中に自分も入りたいな。クリエイティブな部分に関わりたいな」という強い気持ちが沸き上がりました。

それに、そもそも映画というのが、ひとつのおっきなチャレンジじゃないですか! 今こうして自分がいられるのはひとつの運命なのかな、とも思うんです。つながれたことが本当に嬉しかった。
舞台『刀剣乱舞』で活躍する仲間たちを、間近で見てきたからこその感情ですね。
そうですね。なによりもまず彼らに感謝したいし、自分も2.5次元と呼ばれるジャンルの舞台をいろいろやらせてもらってますけど、作品がこうして大きくなっていく…メディアが変わって、舞台とはまた違うカタチで世の中に出ていくのって、「自分たちがやってきたことは間違いなかったな」って思える瞬間なんです。

もちろん応援してくださる方がたくさんいらっしゃるということでもあるので、そこへ向けて恩返ししたいという気持ち、同時に新たな人たちにもどんどん作品を知っていってほしいという気持ちも込めて、今回こうして参加させていただきました。
舞台もご覧になってますか?
もちろん。もう、普通に……好き!(爆笑)「好き」は自分の観劇後の最初の感想です。

歴史については受験勉強レベルの知識しかないですけど、やっぱり日本人なので、日本の歴史の物語にひかれるんですよね。しかも架空の存在である刀剣男士がひとつの時代に飛び、歴史上の人物と関わりを持ちながら活躍するっていうスタイルもすごく面白いし、新しいし。世界観すべてがとても魅力的だと思います。
ちなみに、お客さんとして観たときに気になった刀剣男士というと?
三日月宗近。演じている(鈴木)拡樹くんはやはり唯一無二の存在ですし…衣裳もね、キャラクターによって和洋折衷がありますけど、自分はガッツリ和服の装いが好きなんですよ。いいですよねぇ、和服。歌仙兼定とかもお気に入り。雅な感じ、華やかなキャラクターが好きみたいです。

「どう来る? 鶯丸」という空気の中で挑んだ本読み

ではご自身の役、鶯丸はどんなイメージで演じたのでしょうか。
脚本をいただく前からキャラクターについていろいろリサーチしたんですけど、鶯丸は刀剣男士の中でもどちらかというとマイペースでおっとり型、落ち着いたのほほんとしたイメージが強くありました。プラス、映画のストーリーでは本丸の留守を守るなどしっかり者としてのポジションもあったので、そういうところも意識して考えていましたね。
監督からのオーダーなどは?
撮影に入る前に本読みがありました。まずはそこでキャラクターの方向性を見つけていったんですけど、やっぱり多少は緊張するじゃないですか。

舞台版から演じている人たちはこれまで培ってきたキャラクターのベースがあって、そこを拠りどころにしながら演じられるけれど、自分は鶯丸として声を出すのもホントにそのときが初めて。そんな中「どう来る? 鶯丸」みたいなね(笑)、場の空気もあるわけです。
なるほど。
そういう緊張の中で一通り本読みをして、そうしたら監督が拡樹くんに「鶯丸、どう? 俺はもう鶯丸だなって思ったんだよね」って言ってくださったんですよ。内心「あ〜、良かったぁ〜」って。

そのやりとりに監督の舞台メンバーへのリスペクトも感じましたし、それは僕も同じ。いざ現場に入って、より「自分がここでできることを全うしよう」という気持ちが強まりましたし…やっぱりそうじゃなきゃだめだなって思いました。

殺陣の最中でも、鶯丸は常に背筋を伸ばしていないと

撮影はなかなかタイトだったそうですが。
僕は後半から現場に入ったので、すでに空気ができていたところに溶け込むスタンスでした。もうね、それぞれがホントにキャラクターそのものでいてくれたので不安もまったくなく、しっかりと役として生きるだけだなって集中して。

みんなの中に自分が新しい風を吹き込めたら、刺激を与えられるポジションでいられたら…いなきゃいけないなぁと、スイッチを強めに入れて臨みました。
では、概ね順調に。
はい。あ、でも撮影期間中は花粉が酷い時期で、鼻声になっちゃったり、肌もいまいちだなぁ…って、メイクさんに丁寧にカバーしていただいたりしたのは覚えてます。花粉はほかのキャストのみんなもなかなかにやられてましたね(笑)。あと、殺陣シーン前日に雨が降りまして、本番はぬかるんでる中での撮影になってしまって。
それはちょっとヒヤヒヤしますね。
ちょうど時間遡行軍が攻めてきて、そこに鶯丸と不動行光が“ザッザッザッザッ…シュタッ”って対峙する、というシーンがあったんです。映像で観たときに確認したら、自分、明らかにぬかるみを気にしていた(爆笑)。たぶんほかの人が観てもわからない、自分にしかわからないとは思うんですけど、かなり足元に神経いってましたね。

やっぱり自分の中で鶯丸は常に姿勢をピシッと決め、殺陣の最中でも背筋をピンとさせたいというのがあったので、ここは絶対ブレないようにって、とにかく地面を確認してグッと立ってたんです。そのおかげで撮影は転ぶようなこともなく無事OK。すごく綺麗に撮っていただけたのでよかったです。

またいつか、今度はもっと好戦的な鶯丸を演じてみたい

では改めて廣瀬さんが感じている本作の魅力をお聞かせください。
脚本が小林(靖子)さんということで、やっぱり刀剣男士たちの活躍にすごく“ヒーロー感”がありますよね。あと自分の中で「熱いな」って思うのは、織田信長を山本耕史さんがやってらっしゃるのが…もう…最高。三日月宗近の拡樹くんと対峙しているシーンなんて、たまらないです(笑)。

秀吉役の八嶋智人さんもですけど、先輩の役者さんが参加してくださったことで時代劇としての重みも大いに増していると思います。でも歴史上の人物を中心にするのではなく、まず刀剣男士がいて、彼らの視点から歴史を眺めているという構造がホントにワクワクしますよね。最高のエンターテインメントとして創っていただいてるなぁと実感しました。大作ができたと思います。
“映画の本丸”の完成ですね。
楽しんでいただきたいですねぇ。映画はチケット代も舞台よりリーズナブルですし、上映していただく場所も多い。より大勢の方にいろんなところで触れてもらえることがとっても嬉しいです。この映画は僕らがどれだけチャレンジをしてきたか、それを証明できる作品でもあります。たくさんの方に観ていただき、みなさんの目で評価していただけたら幸せです。

それと…鶯丸は戦いを好まない刀ではあるんですけど、映画を観てるとみんなカッコよく戦ってるので、自分ももっと戦いたいな、暴れたいなって思っちゃいました(笑)。もちろん世界観は崩さず、でもその中で最大限、「きょうの鶯丸どうした!?」って思われるくらい、好戦的な鶯丸を演じてみたいなって。

完全に自分のイマジネーションですけど、実際に演じてみて鶯丸としてもっとできることがあるよねっていう可能性を感じたので…またいつか鶯丸を演じられたらいいなという気持ちも生まれました。ここからまた『刀剣乱舞』の世界がたくさんの方に広がり、つながっていきますように──。
廣瀬智紀(ひろせ・ともき)
1987年2月14日生まれ。埼玉県出身。A型。
2011年、ドラマ『私のホストちゃん〜しちにんのホスト〜』で注目を集める。主な出演作に舞台『弱虫ペダル』シリーズ(巻島裕介役)、舞台『ダイヤのA』シリーズ(降谷 暁役)、『スカーレット・ピンパーネル』(ハル役)、『髑髏城の七人』(無界屋蘭兵衛役)、『カレフォン』(藤原 駿役)、映画『めがみさま』(川崎拓海役)、『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ(MARCO 役)など。2019年に映画『鹿沼』、同年夏に映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2 』(主演、紅伊玲二役)が公開予定。

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出演作品

『映画刀剣乱舞』
2019年1月18日(金)全国ロードショー
配給:東宝映像事業部
監督:耶雲哉治
脚本:小林靖子
キャスト:
三日月宗近:鈴木拡樹
山姥切国広:荒牧慶彦 薬研藤四郎:北村 諒 へし切長谷部:和田雅成
日本号:岩永洋昭 骨喰藤四郎:定本楓馬 不動行光:椎名鯛造
鶯丸:廣瀬智紀
羽柴秀吉:八嶋智人/織田信長:山本耕史
touken-movie2019.jp

© 2019「映画刀剣乱舞」製作委員会
© 2015-2019 DMM GAMES/Nitroplus

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、廣瀬智紀さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年12月28日(金)18:00〜2019年1月3日(木)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/1月4日(金)
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  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月4日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月7日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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