夢中になれる時間じゃないと、つまらない。葉加瀬太郎が50年かけて貫いてきた“信条”

今年、50歳となったヴァイオリニスト・葉加瀬太郎。聴けば誰もが番組を思い出す『情熱大陸』(TBS系)のテーマを作曲し、セリーヌ・ディオンの『To Love You More』では演奏を手がけてワールドツアーにも参加。音楽への情熱を燃やし続ける葉加瀬の、エネルギッシュな活躍の裏にあるものは何なのか。子ども時代からの人生を振り返ってもらった。表情豊かに身振り手振りを交えて語る姿に、ステージを降りてもサービス精神を忘れない、エンターテイナーの真髄を見た。

撮影/アライテツヤ 取材・文/江尻亜由子   

小学校の頃は、2000ページある音楽辞典が“聖書”だった

まずは、音楽との出会いから伺っていきます。ヴァイオリンを始めたのは4歳からなんですよね?
らしいんですよね。幼い頃なので、覚えていないっていうのが正しいんですけれど。自分の記憶は6歳とか7歳からしかなくて、そのときにはもうヴァイオリンを持っていました。だから、逆に言うとヴァイオリンのない生活を知らないんです。
よく「やめたいと思ったことはないんですか?」って聞かれるんですけど、始めたキッカケを覚えてないので、やめるキッカケが見つからないというか(笑)。
ヴァイオリンの他にも、絵画・そろばん・剣道・サッカーと習いごとをたくさんされていたそうですね。
小学校のときは1週間全部が習いごとで、何かとスポーツをやってましたけど、5年生くらいかな、もう音楽に絞っていった感じで。その中で金曜日のヴァイオリンが残りました。
音楽に夢中になったキッカケがあったのでしょうか?
その頃は僕、音楽辞典を読んでましたから。10歳か11歳のクリスマスプレゼントに、2000ページくらいあるものを、サンタさんが枕元に置いてくれてたんです。
スゴいボリュームですね。
作曲家から楽器の名前、音楽の形式や歴史を調べるための辞典だからね。クラシックと定義されるよりも前のものまで含めて、ヨーロッパの音楽が全部詰まってるわけ。音楽の百科事典ですよね。それを僕は、調べるんじゃなくて「あ」からずっと読んでたんです(笑)。
読みものとして(笑)。
音楽辞典は僕の聖書だから。作曲家によって、それほど有名じゃない人は半ページで終わるのに、たとえばベートーヴェンだと20ページ、30ページくらいになるわけです。そこに、彼の人生が全部書いてある。
クラシックって、たとえばベートーヴェンを好きになると、彼の56年の人生を全部(音楽として)聴けちゃうわけじゃない?「何歳のときにこんなことして、こんな曲書いてたんだ」、「死ぬ前ってみんな、こんな曲書くんだ」って。
ものすごく小難しい曲を書いてた人たちも、死ぬ前はモーツァルトみたいなシンプルな曲を書いて死ぬんですよ(笑)。
共通しているんですね。
歴史の人物が好きな男の子と同じように、音楽家の人生を知りました。音楽として聴いてはいたけど、僕は人にも興味があって、「何でこんな曲書けたんだろう、この人」って。要するに、ひとりの男が五線紙におたまじゃくしを並べただけの話じゃない。でもそれが300年経っても音になって再現されるんだよね。それはとっても夢がある。
世界中の人がモーツァルトっていう名前を知ってるわけじゃない? でもあの人、35年しか生きてないんだよ。35年の中で、700曲も書いてるんだよ!?
計算が合わない…(笑)。
しかもツアーでヨーロッパ中を旅してたんだよ。でもさ、馬車だぜ!? 俺らみたいに大阪に行くのに、「新幹線にしますか、飛行機にしますか」じゃないんだから(笑)。隣の国に行くのにも1週間かかるでしょ。そのあいだにも曲を書いていて、そうやってできた譜面がここにある。ロマンがありますよね。それが、僕が夢中になった理由なんですよね。

学校はどうでもいい。夢中になれることを見つけたから

学校の授業もある中で、1日何時間くらい練習されていたんでしょう。
一番練習した時期は中学生の3年間だと思いますが、その頃は、まず学校に行く前に30分。普通の日は夕方4時くらいに(学校が)終わるでしょ。そこから帰って5時くらいに始めて、9時までやってました。団地で9時までしか音が出せなかったので、それまで弾くっていう感じだったんですね。
では、普通にテレビを見たりはしなかったんですか?
そのあとに食事をしながら多少…。日曜は見てたけど、そんなに毎日は見てなかったですね。
小学校から中学にかけてって、その日の夜に流行っているテレビを見ていないと、翌日みんなの話についていけないことがありますよね。
そうね。松田聖子って言われて、何のことかまったくわからなかった。好きな番組は『N響アワー』(NHK)だから(笑)。日曜日は必ずレッスンが入っていて、うまくいった日は休憩するから、家族で飯を食いながら『アルプスの少女ハイジ』とか見てた気がします。夜8時か9時からは『N響アワー』で、それが一番楽しみでしたね。
では、お友達とはどのように交流されていたんですか?
そうねぇ…。小学校の頃は普通だったけど、中学校に入ってからは、やっぱりかなり孤立してたかな。学校の授業とかも「何でこんなことやらなきゃいけないのかな」って思ってたし。
音楽と関係ないのに、と。
中学のときにはもう音楽で生きていくって決めちゃってるので、興味の持てないものは、やらない。体育も突き指したくないから、球技のときは見学してました。
葉加瀬さんは後に、セリーヌ・ディオンとワールドツアーをされたりと世界的に活躍しますが、英語はどうでしたか?「これは必要になりそうだからやっておく」とか。
全然。英語なんて、勢いがあれば通じるんですよ(笑)。I amと I wasがごっちゃになろうが、そんなの誰も気にしないから。だから、英語を覚えたのはワールドツアーをしているときですよ。
なるほど…! では、中学では音楽以外にまったく興味なく。
我々の頃だと土曜は昼まで学校があって、午後は音楽教室で夜8時か9時までいろんな音楽の勉強をして、最後にオーケストラの練習があって。その週1回が、楽しみで楽しみでしょうがなかった。そっちの子たちが友達でしたね。
だから学校は、もう別にどうでもいいというか。遠足とか文化祭とか体育祭とか、修学旅行とか、なーんも行ってないです。
そのあいだ、お家でレッスンを?
そうそう、全部練習です。
周りの目が気にならなかったですか?
何も気にはならなかった。…というか、自分が何をやりたいかを決める時期には個人差があって、僕はそれが中学生くらいだったっていう話で、早い遅いじゃないと思うんだよね。20歳になっても、大学を卒業しても「何やりたいかわかんない」っていう人生もあるかもしれないし、逆に、いろんなことを知って、いろんなことをやるのも否定はしない。
ただ、僕は自分自身の人生しか知らないじゃない? その中で小学校の高学年には、「音楽をやる人になるんだろう」っていうのが何となくあったんだよね。
それ以外のことは、もういらない、と。
うん。だって、つまんないじゃない? 50歳になっても思うけど、夢中になってる時間じゃなければ、つまんないんですよ。どんなことをやっていたってさ。僕はその夢中になることを早めに見つけたのが幸せだったんだ、とは思います。

雑草系変人がそろう藝大に行ったのが、すべての間違い(笑)

中高はヴァイオリン漬けで過ごされ、そして倍率20倍強の難関、東京藝術大学に現役で入学。
そこで道を踏み外すんですけど(笑)。僕は東京に出てくるまで、クラシック以外音楽じゃないと思って生きてきたんですね。
たとえば中学のときに、ビートルズのレコードが同級生のあいだで回ったりするんだけど、家で聴いてみてもピンとこなくてすぐ次の日に返す。19世紀のロマン派の音楽を聴くので、時間がいっぱいいっぱいだったから(笑)。
ひと通りさらうだけでも、膨大な時間がかかりますもんね(笑)。
100年分あるからね。だから、歌謡曲とかロックとか聴いてる時間がない。でも大学に出てきたら、革命が起きちゃって。
セックス・ピストルズに衝撃を受けられたと。
そう、ピストルズのコピーバンドに、僕はロックを教えてもらいました。4ピースのパンクバンドはものすごく破壊力があって、初めて聴いたときに、今まで信じていたクラシックの音楽が音を立てて崩れていって。「もっと面白い音楽って、いっぱいあるんだ!」と衝撃を受けて、大学に入ってから“勉強”し始めました。
となると今度は、クラシックを聴いてる時間がないんですよ。1日は24時間で、睡眠もとらなきゃいけないし(笑)。
でも18歳くらいの頃はまだマイケル・ジャクソンとか、いわゆるソウル、黒人音楽をルーツにしたものは、まったくわからなかったです。
ピストルズのようなパンク・ニューウェーブからは一見、遠い感じですもんね。
エンターテインメントな音楽に「ほう」って思い始めたのは、20歳くらいになってからかな。それまでは、ロックとかポップのジャンルの中でも、ゴリゴリのやつしか聴けなかった(笑)。
20歳くらいになったら理解できたのは、時間の問題なのか、耳の慣れなのか…。
マイケル・ジャクソンは「チャラい」って思っちゃうんですよ。「何で音楽やってるときに、そんなステップ踏まなきゃなんねぇんだ」って(笑)。
でも、スティーヴィー・ワンダーを知り、ジェイムズ・ブラウンを知ると、「なるほどな!」って思えるんです。クラシックをやってたから、調べて、掘り下げて研究する――リンゴをひとつ見つけたら、どの枝になってるのか、それがどんな幹からできた音楽なのか、辿っていきたくなる性分なので。
とにかく僕の場合、藝大に行ったのが、すべての間違いの始まりで(笑)。
間違い、ですか。
純粋な音楽大学に行けば、セックス・ピストルズのコピーバンドには出会わなかっただろうし。東京藝大は通り1本はさんで美術学部があるから、そのコピーバンドをやってたのも彫刻科とか油絵科のヤツらなんですよ。
おまけに僕は学生寮に入ったので。そこの寮費は1ヶ月3000円。3畳一間とはいえ、普通にアパート借りれば5万以上した時代ですから。
学生の半分くらいが寮に入るんですけど、そこを選ぶのは貧しい家の子で、ハングリーなヤツばっかり。そもそも、ヴァイオリンやってて藝大に来てる時点で、みんな裕福ではないわけ。家が金持ちなら、桐朋(学園大学)や私学に行くから。藝大はわりと雑草系ですが、まだヴァイオリンやピアノは道端に生えてるくらいの雑草だけど、油絵とか彫刻はもう根性入りまくってて。
荒野に生えてるような(笑)。
10浪とか平気でいるんですよ。家に奥さんと子どもを残して寮に入ってるヤツとか、「もっと昔からやり直したほうがいいんじゃないか!?」っていうヤツも(笑)。そういうのが夜中じゅう、酒飲みながら絵描いたりカーンって彫ったりしてるんですよ。そういうヤツらと一緒にいると、クラシックの譜面を見て弾いてることがつまんなくなってきちゃった。
だって、寮の歓迎会で一芸やらされるんですけど、彫刻のヤツは自分の部屋から作品持ってきて「僕にはこれしかできません!!」って。そういう芸じゃないから! もうさ、「こんなヤツと生活するのかよ!?」みたいな(笑)。
社会性ゼロな感じのみなさんと(笑)。
そう、ゼロなんですよ(笑)。そんな中に入って、曲を書いてみよう、絵を描いてみよう、イベントを作ってみよう、と動き始めたのがその頃です。

語尾には「FUCK!」が正しいインタビューと思っていた

葉加瀬さんは過去のインタビューで「夢、目標、情熱は20歳までです。無駄なことをしている時間はありません」と語っていましたが、20歳まで、と制限を設けているのは、やっぱりその大学での経験があったからですか?
そうですね。僕が今やってること、やりたいことって18歳、19歳の頃から何も変わらないんです。人間、成長なんてできないんですよ。その後は経験を積んでいくから、やり方が上手になることはあると思うけど。
ただ、20歳頃は不器用だからさ。失敗もありますよね。いまだに覚えてるけど、「クライズラー&カンパニー」でデビューが決まるか決まらないかの頃…僕たち、結成してからの2年間、毎月「今度はデビューできる」と思いながら、いろんな取材を受けてたんです。でも、「藝大出身のクラシックバンド」とか言われながらも、自分たちは完全にロックなバンドだと思ってて。
その頃はゴリゴリのロックばっかり聴いて、インタビューも海外のハードロックのものばっかり読んでたからね、必ず答えの最後に「FUCK!」って入ってるんですよ(笑)。何を聞かれても、最後は「FUCK!」なんです。だから僕は、それが正しいインタビューだと思っていました。
(笑)。
あるとき、青山のすっごいおしゃれなカフェバーで、『SPA!』(扶桑社)のインタビューが組まれたんですね。「新人紹介」の小さいスペースの取材で、30分くらいなのに、3人でバッキバキにメイクして、衣装ちゃんと着込んで、3時間くらい準備していって。
「(インタビュアーがやさしく)飲みものは何がいいですか?」、「(ふんぞり返って)ウイスキーくださーい!」。「藝大の先輩には坂本龍一さんもおられますけど、意識されるんですか?」、「(眉間にシワを寄せて)あぁっ、坂本!?」。
ピストルズの次に好きになったのが坂本龍一さんなんですよね(笑)。
そう、大好きでいっぱい聴いてんのに、「聴いたことねぇよ、そんなもん!」みたいな(笑)。ぜーんぶそうやって答えて「あぁ、いいインタビューだったなぁ」と帰ったら、マネージャーがドンドンドン!!ってドア叩いて「何やってくれてんだっ。俺がこの半ページをどんだけ汗水垂らして取ってきたのかわかってんのか!? この記事が載ることは一生ねぇし、お前たちが『SPA!』に載ることも一生ねぇからな!!」って言われて。「あれ!? 何が悪かったんだろう…」って(笑)。
お手本どおり、ちゃんとやったのに(笑)。
根が真面目ですから(笑)、しっかりやったつもりだったんだけどまったく方向性を間違えていて。そういった間違いもありますからあれですけど、でも若い頃の経験って本当に大切なんですよね。

音楽の本場を旅して「こいつらにはかなわん」と痛感

8月1日には、アルバム『ALL TIME BEST』がリリースされますね。収録曲は、どういう基準で選ばれたんですか?
3〜4年前にもベスト盤を出しているので、それとなるべくダブらず、両方持っていればかなりの曲を網羅できるように。でもほんっとに大変でした。自分の過去の曲を聴くのが一番嫌いなので。
そうなんですか?
「あそこ、こうしときゃ良かった」って、反省点ばっかりなんだよね。全部録り直したくなって危険なので(笑)、聴かないようにしてるんです。
ただ今回2曲は新録で、『情熱大陸』をクラシカルなフルオーケストラのバージョンにしてます。もともとロックっぽく生まれた曲ですけれど、シンフォニックなスタイルで。もう1曲は『エトピリカ』。ギタリストの鳥山雄司さんとふたりっきりで、一番シンプルな形で演奏してます。オーケストラとふたりでの演奏、対極な感じですね。
葉加瀬さんは「本物を体験する重要性」について、よくお話されていますよね。たとえば「YouTubeで“見た”と思ってしまいがちな人が多いけれども、ネットを“窓”として、そこからより深く入っていくことが大事だ」とか。
そうだね。窓がいっぱいあることは、すごくいいことだとは思うよ。僕もYouTubeで新しい音楽を探したりしますし、それこそうちの娘たちを見ていると、Spotifyで1日じゅうずーっと音楽を聴いている。ただ、そこから興味を持って“into”していくことが大切ですね。
そう思われるようになったキッカケがあるのでしょうか。
初めての海外旅行が高校3年生のときで、ヴェネツィアからユーゴスラビアまでずっと旅したんです。そこで見たもの、聴いたものがすごく鮮烈でした。自分がずっと憧れ続けてきたクラシック音楽の本場、とくにイタリーはヴァイオリン発祥の地ですから。大阪のニュータウンの団地で夢見ていたものが、目の前で広がるわけです。
そこでもちろん「素晴らしい」と思ったんだけど、同時に「こいつらにはかなわん」とも感じて。
実際に体験したからこそ、歴史の重みを実感するというか。
日本人としてクラシックで(ヨーロッパに)行けたとしても、なかなか難しいな、と。ヨーロッパの人たちがずっと歌舞伎を学んできたとして、実際に本物を見たら、ヤラれるだろうと思うじゃないですか。それと同じことを俺はやってるんだなって。
300年前のヴァイオリンで作られた音楽、それこそヴェネツィアで生まれ育ったヴィヴァルディの『四季』を、子どもの頃からずっと弾いてたわけだ。でもサン・マルコ寺院を目の前にして、イタリア語をしゃべって昼間からワイン飲んで、っていう人たちを見て、「『サッポロ一番』食いながらこの曲をやるって、ちょっと違うんじゃないか」って気がしたんですよ(笑)。
で、その頃からちょっとずつ、「純粋にクラシックをやるだけが僕の人生なのかな」っていうのを考え始めた。子どもの頃から毎週見ていた『N響アワー』のコンサートマスターの席に座りたかったけど、でも何か違うなって思い始めたのは、イタリーをまざまざと見たから。
本物を体感することで、違う視点が出てくるわけですね。
ちょっとしゃらくさい無国籍料理とか出してる、中途半端な店あるじゃない? 全然うまくない「何とか風ピカタ」みたいな(笑)。食べたことないのにそれ風のものを作ったら、ああなるじゃん? だけど、とことんイタリア料理を知り尽くした後に、和食の中にイタリアンの要素を入れたりすると、新しくうまい料理ができるよね。
料理と音楽はすごく似てるし、どのジャンルでもそうだけど、一度深く入って、そこから人生を作っていくのは面白いと思うんだ。僕はそういう感覚で生きています。

「音楽って結局、魂が揺さぶられなきゃダメ」

この夏も、16年間主催してきた『情熱大陸スペシャルライブ』から『葉加瀬太郎サマーフェス'18』と名前を変え、アツい野外フェスを主催。「ジャンルに特化しないさまざまなタイプのミュージシャンと」「リゾート地ではなく日帰りできる都心で」「夏の真っ盛りに行う」という3つのこだわりを貫いてきた。
葉加瀬さんのライブでは、「はかせんす」という扇子を、葉加瀬さんから客席までみんなで振りながら踊るパフォーマンスが大人気ですよね。
▲観客もバンドメンバーも、そして葉加瀬も。聴き慣れた『情熱大陸』のメロディーに合わせ、会場が一体となって「はかせんす」を振る光景は圧巻。
最初は…そもそもコンサートのオリジナルグッズを売ることから始まったんですよね。根が関西人なもので、いろんなところにウィットが欲しくなるのね(笑)。それで一番に作ったのが「はかせんべえ」。「いいね! 持って帰れるし」って盛り上がって、今でも作ったりするんだけど。
初日を観に来たうちの家内が「あなた、せんべい売ってる場合じゃないわよ! コンサートで使える『せ』だったら扇子でしょう!」と。家内の提案なんですよ。
ナイスアイディアですよね(笑)。
万由子は昔、シブがき隊の追っかけをやってたので(笑)。自分の経験から、コンサートの必須アイテムは扇子とはっぴだ、と。
なので「そう?」と作ってみたんです。そこから「だったら間奏のあいだに振ろうか」となり、「そこだけユーロビートにしようか」「どうせなら、踊っちゃう!?」ってだんだんエスカレートして。気がつけばそのコーナーだけで10分くらい使うように(笑)
ツアーの曲順を決める前に、会社の会議室で「扇子の色をどうするか」というミーティングが行われるんです(笑)。
ちゃんと会議で決めているんですね(笑)。
インスト(※インストゥルメンタル。歌のない楽曲)の音楽なので集中して聴かなきゃいけないじゃないですか。その緊張感から解放するためにどうするか、デビュー当時からいろんなことをやっていました。「てめぇら、行くぜー!!」って某ビジュアルバンドのようにやって、「違った!!」って反省したこともありますし(笑)。
かと思えば、ロックっぽく演奏していても曲はクラシックなので、「このブラームスという人は…」って音楽家のエピソードを紹介しながらやったこともあるし。いろんなことをやって、今のスタイルができあがってきたんですけど、それはもう苦難の道でしたよ。
今回のサマーフェスには和楽器バンドさんが初参加されますが、どういう経緯だったのでしょう。
▲詩吟、和楽器とロックバンドを融合させた8人組バンド。VOCALOID楽曲のカバーやアニメ・ゲーム主題歌も手がけ、インターネット上でも強い人気を博している。
(スタッフから)提案があったので聴いてみたら、ものすごくアイディアが面白くて。この国でしかできない音楽だし、逆にインターナショナルで面白いよね。アニメの雰囲気とか「ニコニコ動画」世代の感覚も備えた、独特のエンターテインメント。今の時代にすごく合ってるなと思うし、非常に興味があります。
あと、名前が潔い!(笑)「和楽器バンド? それはわかったから、グループ名教えてよ」「いや、名前が和楽器バンドです」みたいな。
参加アーティストを選ぶのはやはり、葉加瀬さんですか?
スタッフと一緒にですが、必ず僕が監修をします。このフェスは他と違って、(藤井)フミヤさんとかマーチン(鈴木雅之)さん、SING LIKE(TALKING)というファミリーみたいな人たちと、10年20年かけて毎年作ってきた空気感があるので。それを大切にしたいし、とはいえずーっと同じメンツだと変わり映えしないから、そこはスタッフと相談しながら。
葉加瀬さんがずっとフェスを主催されているのも、自分がピストルズのコピーバンドに衝撃を受けたのと同じような体験をしてほしい、という思いもあるんですか?
もちろん。音楽は絶対に、生で聴かなきゃわからないから。YouTubeでもわかることはわかるけど、心震えるまではいかないかな。音楽って結局、魂が揺さぶられなきゃダメで。それはどんなジャンルの音楽でも関係なくて、いいものは必ずそうなるんです。だから僕がアドバイザー、キュレーターみたいな位置でいる限り、本当に音楽を鳴らせるミュージシャンを選びたい。
カッコつけて言うわけじゃないけど、やっぱり僕は「音楽を使って人生を送っている人」じゃなくて、「音楽に人生を懸けてる人」の音楽を聴きたい
音楽って、使いみちがふたつあるんですよ。音楽を使って人生を送ってる人はいっぱいいる。ビジネスですから、それを否定はしない。でも本当に音楽に魂を奪われた人には、それはできなくなるのよ。くっきり分かれるの。だから、そういう「音楽に人生を懸けてる人」の音楽を、みんなにシェアしたいと思いますね。
葉加瀬太郎(はかせ・たろう)
1968年1月23日生まれ。大阪府出身。A型。東京藝術大学在学中に結成されたクライズラー&カンパニーでデビュー。1995年にセリーヌ・ディオンのシングル『To Love You More』にヴァイオリニストとして参加し、翌年にはワールドツアーに参加して世界的な存在に。1997年にアート・リンゼイのプロデュースによるアルバム『watashi』でソロデビュー。『情熱大陸』(TBS系)、NHK連続テレビ小説『てっぱん』ほか、番組のテーマ曲を手がけることも多く、布袋寅泰、ゆず、安室奈美恵などジャンルを超えたアーティストとのコラボも多数。

公演情報

葉加瀬太郎サマーフェス’18 〜50thanks evolution〜
日程:2018年8月4日(土)・5日(日)
会場:葛西臨海公園 汐風の広場
https://tarofes.com/

CD情報

葉加瀬太郎『ALL TIME BEST』
8月1日(水)リリース!


左からローソンHMV盤、豪華盤、通常盤

【ローソンHMV盤】(CD3枚組)
¥3,900(税込)

【豪華盤】(CD2枚組)
¥3,500(税込)

【通常盤】(CD1枚)
¥3,000(税込)

サイン入り色紙プレゼント

今回インタビューをさせていただいた、葉加瀬太郎さんのサイン入り色紙を抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2018年7月31日(火)12:00〜8月6日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月7日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月7日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月10日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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