吉沢 亮の“猫系男子”な恋愛観「マイペースだけど、ベタベタしていたいときもある」

自分を人間だと思い込んでいる猫の役を演じる吉沢 亮。しかも、品種は神秘的な瞳が印象に残るロシアンブルー。「そのままじゃん!」というファンの声が聞こえてきそうだ。猫である吉沢をスーパーの裏でこっそり飼い続け、ひざ枕をしながら愚痴を聞いてもらう――このシチュエーションだけで映画『猫は抱くもの』は成功を手にしたも同然である。ちなみに吉沢は自宅で犬を飼っているそうだが、自らの性格については「犬か猫かでいえば猫」と“猫系男子”の自覚がアリ。その傾向は恋愛でも…?

撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc

猫に寄せすぎず、自然な芝居にもなりすぎないようにした

本作は、大山淳子さんの同名小説を原作に、夢をあきらめきれない、“妄想好きのアラサ―女性”沙織(沢尻エリカ)と、吉沢さん演じるロシアンブルーの良男(よしお)の交流を軸に展開する、自分らしい生き方を求める物語です。
最初にお話をいただいたときは、犬童一心監督、脚本の高田 亮さん、そして沢尻さんと、いつか一緒にお仕事してみたかった方ばかりが名を連ねていて、単純にうれしかったです。
そこで吉沢さんに与えられたのは、沙織が職場のスーパーの倉庫でこっそり飼っている猫という役どころです。
「猫役です」って言われても想像がつかなかったです(苦笑)。一応、クランクイン前に2〜3週間の稽古期間があって、かなり猫に詳しい犬童監督に動きなどを教えていただきました。基本的には、監督の思っている猫の動きをやるということで。
犬童監督はこれまでも『グーグーだって猫である』などの猫映画を手がけてきましたし、無類の猫好きとしても知られていますね。
猫に関する知識がスゴいんです(笑)。細かい動き――たとえば劇中で、沙織にお腹をなでられているときにいきなりバッと離れるシーンがあるんですけど、「猫はなでられて気持ちよくなりすぎると、嫌がったりする」とか。
ちなみに、沙織が持ってくるキャットフードをおいしそうに食べるシーンが見られますが、あのドライフードは実際には…?
クッキーですね。ただ、僕のサイズに合わせて全体的に小道具も大きくなってるので、あのエサもすごく大きくて。あれを食べながらの芝居って、じつはメチャクチャ難しいんです(笑)。
たしかに、一心不乱に食べながらセリフを言うのは大変そうです。
質量もあるし、パサパサしてるので、口の中の水分を全部、持っていかれちゃうんです。ホントはもっとバリバリと食べながらセリフを言いたいところだったんですけど、思ったより難しくて、そこはいろいろと工夫をしつつ(笑)。
普通の実写的なセットを使うシーンもありますが、沙織と良男の倉庫のシーンは舞台にセットが組まれ、演劇のような仕掛けになっていますね。セリフ回しも、ナチュラルな感じではなく、あえて演劇的な感じで「猫」というキャラを際立たせています。
加減がすごく難しかったですね。あんまり「猫です」って感じでやりすぎると気持ち悪いし、でもナチュラルに見せればいいというわけでもなくて…。ギリギリのラインを狙いながら、猫であること、沙織に対する“好き”という気持ちを大切にしながら作っていきました。
なるほど。
沙織といるときの良男と、他の猫たちといるときの良男でギャップをつけて、他の猫たちといるときはより人間っぽく見せるようにしたり、そのあたりの差し引きを考えつつやっていました。
自分を人間、しかも沙織を恋人のように思っているからこそ、彼女に対して、ちょっと上から目線の口調で、アドバイスを送ったりする様子がかわいかったです。
すごく面白かったです。その場その場を生きている動物的な感じも面白いし、沙織の話からしか外の世界を知ることができないのに、そこから妄想が広がって、何でも知った気になっているところとか。バカらしくてかわいいなって思います。

漫画原作の役を演じるのとは違う楽しさを感じた

改めて、完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
すごくかわいらしい世界観で、見ていて愛おしくなりました。ただ「かわいい」ってだけでなく、ファンタジーの中に人間のリアルなカッコ悪さもしっかり描かれていて。そういうもの全部ひっくるめて、愛おしい人しか出てこないんですよね。
単なるアラサー女性と猫の交流ではなく、誰もが直面するつらいこと、うまくいかないことなども描かれていて、かわいらしさだけではなく、人生を考えさせられる作品ですよね。
沙織も良男も、挫折を味わうことがあるけど、最終的には前向きになれて、見てくださった方々も「あぁ、明日も仕事、頑張ろう!」って思える作品だなと感じます。
本作を通じて、俳優として得たものや特別な経験となったことはありますか?
犬童監督とお仕事ができたこと、沢尻さんとお芝居ができたことはすごく大きかったです。
犬童監督のもとで、猫という特殊な役柄を演じられて…。
最近は実写化作品への出演機会をいただくことが多いんです。それはそれでうれしいんですけど、役を自分で考えて作り上げていくという点で――もちろん、漫画原作の場合も考えてはいるんですけど、原作でしっかりと「こういう人間です」と役が説明されている部分が多いので。
イメージに「近づけていく」漫画原作と、今回のような小説原作やオリジナル脚本で役を作っていくのとはまた違う?
自分で余白を埋めていかなくてはいけないのは大変だけど、楽しい作業なんです。まして今回は動物ですから(笑)。わからないことだらけの中で、役を考える作業がしっかりできたのはいい経験でした。

セリフがストレートに響く。沢尻エリカが持つ“爆発力”

沢尻さんと共演されてみて、どんなところに女優・沢尻エリカのスゴみを感じましたか?
爆発力。感情的になったときにグワァーっとくる感じ、あのエネルギーはスゴいなぁと。終盤のカラオケのシーンから絵を描くまでの一連の流れは表情だけで伝わってくるものがありましたし、発するセリフの強さもストレートに心に響いてくるものがあって…あれは声量によるものなのか? パンチがとんでもないなと思いました。
人間の女性と猫という、なかなかない関係性で対峙されましたが…。
沙織と良男の関係は、すごく距離感が難しいなって最初は思っていたんです。人間同士で猫と飼い主を演じるので、変にいやらしい感じに見えないかという不安があって。
たしかに良男が沙織に甘えているシーンは、構図だけ見ると男女が部屋でイチャイチャしているのと同じですね(笑)。なのに、なぜか違和感なく猫と飼い主がじゃれているように見えます。
沢尻さんの僕を見る目が完全に猫を見る目で(笑)。一緒に芝居をしていてすべてを委ねられる安心感がありました。僕から沙織に寄り添っていくシーンばかりで(笑)、普通の人間同士の距離感よりも近い。そこで「気持ち悪い!」って思われたらどうしよう?と思ってたんですけど、やってみたらそんな不安は一切感じることはなく、やりやすかったです。
沙織はかつてアイドルとして活動するもなかなか芽が出ず、逃げるように東京から誰も知る人がいない地方の町に移り住んで、挫折を抱えつつも幸せになろうともがくキャラクター。彼女に対してはどんなことを感じましたか?
「自分、ダッセェなぁ…」と思うところは、けっこう僕自身に当てはまる部分もあります。TV収録のシーンとか…。
解散したかつてのグループが1日限りで再結成され、ひさびさに沙織が上京して…。
あのあたりのシーンは、こっちにも痛いくらい刺さってくる部分がありました。現在の活動を尋ねられて、「歌手」と書いてしまったり、つい虚勢を張ってしまうんだけど、そんな自分が嫌いな感じとか。「あぁ、あるなぁ…」と思いながら見ていました。
吉沢さんもそういうことがあるんですか?
ありますね(苦笑)。つい虚勢を張っちゃうことも。なるべく素直に生きたいんですけど、なかなかそうもいかず…(笑)。
ちなみに、実生活では犬を飼っていらっしゃるそうですが、この作品を通じて猫に対する意識は変わりましたか?
いやぁ、猫はかわいいですね、やっぱり。犬と比べてエロいなぁって(笑)。人への寄り添い方とかがね…。犬のようにワァーッと来るんじゃなくて、気づいたら横にいて、顔をなめるでもなく。スーっと横に来る動きもしなやかで、かわいいしエロいなぁと。
ご自宅の犬が嫉妬してしまいそうですが(笑)。
いや、犬はもちろんかわいいんですけど、うっとうしいですもん(笑)。家に帰ってきてワァーッと来て「よしよし! かわいい」って最初の5分はなるけど、次第に「もういいだろ!」って。

性格も猫タイプ。ワガママで気まぐれで寂しがり屋

近年は空前の猫ブームで、“猫系男子”なんていうカテゴライズも出てきました。その名の通り、猫っぽい性格の男性を指すそうで、束縛が嫌いだったり、ツンデレな部分や人見知りなところがあるなどの特徴があげられますが、吉沢さんは…?
犬か猫か?と言われたら猫タイプですね。わりとマイペースで、面倒くさがり。いろんなことが面倒でしょうがなくて、嫌いなことはしたくない。好きなことだけをしていたいという…(笑)。
他人との距離の取り方も猫っぽいですか?
人見知りという部分もそうだし、甘えたいときは甘えたいけど、逆にひとりでいたいときに向こうに甘えられるのは好きじゃないし…。
こまめにこっちから連絡するタイプじゃないけど、いざこちらが連絡したときに返事がなかったりしたら…?
それはイヤですね、ワガママなんですけど(笑)。友達から連絡が来ても、わりとシカトすることが多いくせに、自分が連絡したときに反応がないとイラっとします。
猫ってマイペースに見えて、場の空気にかなり敏感なところもありますが、そのあたりはいかがでしょう?
そこはあんまり…むしろ、空気は読めないですね。周りがピリピリしてるのが、僕だけわかってなかったりします…(苦笑)。
では、恋愛的な局面で猫っぽさは発揮されますか? 先ほどの距離感と重なるかもしれませんが…。
ほどよい距離感を保ちたくはあるんですけど、したいときはずっとベタベタしていたいです。でも…。
そういう気分じゃないときは…。
「いま、ちょっとそういうのと違うんだよ」って(笑)。

「好きだった子が親友と付き合っていたことがあります」

ちなみに良男は、沙織に恋愛感情を持ちつつも、沙織が年下の上司にデートに誘われたことを嬉々として話すのに対して、良き相談相手としてアドバイスを送ったりしていますね。彼女のことが好きなのに、相談相手という親友的なポジションに留まってしまうというシチュエーションについては…。
よろしくない状況ですね、これは!
彼女が誰よりも心を開いている相手であることは間違いないのですが、自分の恋心には気づいてくれないという。
それ、すごくイヤですね。切ないかもしれない…。
そういう状況になったとき、吉沢さんはうまく相手の恋愛感情を自分のほうに誘導することはできますか?
いやぁ、それはできないかも。そういうシチュエーションになったとき、くやしいとか切ないと思いつつ、しっかりと相手の恋愛がうまくいくように相談に乗っちゃいそうな気がします。そうやって結局、自分の気持ちは伝えられないという…。
それでもし、自分ではない相手とうまくいっちゃったら。
それ超イヤですね。切ないなぁ。
そうなると、自分の気持ちを伝えてフラれることさえもできないということですからね。
苦しいですねぇ。でも僕は、相手に他に好きな人がいたら、自分からはアクションを起こせないタイプですね。実際に以前、僕が好きだった女の子が僕の親友と付き合っていたという経験はあります。
ドンピシャですね! そういう場合や好きな相手にフラれてしまったとき、吉沢さんはどうやって立ち直るんでしょうか。リカバリーには時間がかかるタイプですか?
結局、他に好きな人を見つけるしかないんですよね。
字面だけ読むと超ポジティブな回答に見えると思いますが、口調はメチャクチャ暗いです!(笑)
いや、でもそれしかないでしょ?(笑) 恋愛の傷は恋愛でしか癒やせないと思います。そのときはあきらめきれずに、ずっと好きなまま(親友と付き合っている相手を)見てましたけど…。
お相手は最後まで吉沢さんの気持ちは知らずに?
知らないと思いますが、もしかして気づいてたのかな…?(笑) あの頃はずっと引きずってましたね。でもやっぱり、また新たに好きな人を見つけるしかないんだなと!
吉沢 亮(よしざわ・りょう)
1994年2月1日生まれ。2009年に『アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン』を受賞し芸能界デビュー。『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)にて朔田流星/仮面ライダーメテオを演じ注目を浴びる。2013年にはドラマ『ぶっせん』(TBS系)に主演し、同年の舞台版でも主演を務めた。主な映画出演作は『トモダチゲーム』、『銀魂』、『斉木楠雄のΨ難』、『悪と仮面のルール』、『リバーズ・エッジ』、『ママレード・ボーイ』など。2018年は7月20日公開の『BLEACH』、年内公開の『あのコの、トリコ。』と話題作の出演が続く。

出演作品

映画『猫は抱くもの』
2018年6月23日(土)ロードショー
http://nekodaku.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、吉沢 亮さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年6月18日(月)12:00〜6月24日(日)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/6月25日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月25日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月28日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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