乃木坂46・能條愛未、アイドルの私を封印!「役者としての姿を見てほしい」
乃木坂46の能條愛未は、「私はグループのなかでもザ・アイドルというよりかはバラエティ的な立ち位置」とキッパリ言い放つ。乃木坂46のテレビ番組では、自身をさらけ出した発言や、どんなムチャぶりにも対応する姿で笑いを誘い、バラエティセンスを遺憾なく発揮している能條。そんな彼女がひとたび女優の顔になれば、そのイメージは一変するだろう。最近は舞台でクールビューティーな女性を演じ、3月8日から出演するミュージカル「少女革命ウテナ〜白き薔薇のつぼみ〜」では王子様のような勇ましい少女の役に臨む。
撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.オファーに「チャンスが巡って来た!」と思った
- ミュージカル「少女革命ウテナ 〜白き薔薇のつぼみ〜」は、1997年に放送されたテレビアニメ『少女革命ウテナ』の放送20周年を記念した作品です。本作への出演は能條さんへ直接のオファーだったと聞きました。
- 舞台でのお芝居はもともと好きなのですが、今まで舞台に参加させていただく機会があまりなかったんです。そんななかで私にオファーをいただいて率直にうれしい気持ちでした。
- しかも主演という立場です。
- 乃木坂46のメンバーも舞台で主演をしている子がいて、そういう子たちの姿を見てカッコいいなと思っていて。グループにいるあいだに、いつか自分も主演をやってみたかったので、チャンスが巡って来た!と思いました。
- 能條さんは乃木坂46として活動する以前から舞台に出演されていましたし、今回のオファーは不安というよりも「やってやろう!」という気持ちのほうが強かったのでしょうか?
- そうですね。気合いを入れなきゃっていう思いは強かったです。
- 『少女革命ウテナ』は、能條さん演じる王子様に憧れを抱く男装の少女・天上ウテナが、『薔薇の花嫁』と呼ばれる姫宮アンシー(山内優花)と出会い、アンシーが持つ「世界を革命する力」を手に入れるために戦いに挑んでいく物語です。アニメをご覧になった印象はいかがでしたか?
- 20年前のアニメを見る機会ってなかなかないので、とても新鮮に感じました。ウテナをあまりアニメのイメージに寄せすぎてしまうのも違うかなと感じましたが、ワンシーンごとの絵がとても綺麗で、これが舞台になったらとても華やかになるなと思いました。
- たしかに、キャラクターたちの麗しい容姿をはじめ、唯一無二の世界観で映像美も素敵ですよね。
- はい。決闘のシーンも美しくて迫力があって。ミュージカルと聞いて、面白くなりそうとワクワクした気持ちになりました。
ウテナの紳士的な立ち居振る舞いに共感を覚えた
- ウテナの姿をご覧になった印象はいかがでしたか?
- アニメを見てウテナがどういう人物なのかを知っていくうちに、自分が演じている姿が想像できたというか。ウテナと私はかけ離れていないのかも、と感じて。
- 近いものを感じたのでしょうか?
- 乃木坂での私のキャラクターを知っている方からすれば、きっとウテナのようなカッコいい少女は私と真逆のタイプだと感じる方も多いと思います。「できるのか?」って意見もあるんじゃないかな。でも、私は声も低いですし、男性的…と言ったら違うかもしれませんが、ウテナの立ち居振る舞いには共感できる部分があったんです。だから、アニメを見てからのほうが不安はなくなりましたね。
- 能條さんもウテナのように勇ましい性格なのですか?
- どちらかと言えば…勇ましいのかな? 性格はけっこう人見知りが激しくて、持ち前の勇ましさを出すまでには相当時間がかかっちゃうんですけど…(笑)。慣れるまでは「本当に大人しい子だね」っていう印象だと思います。
- 舞台を多くご覧になっている方からすれば、ウテナ役もそうですし、過去に出演した舞台『じょしらく』や「カードファイト!! ヴァンガード」〜バーチャル・ステージ〜で演じていた役が、みんなどこか勇ましいというか…クールビューティーなイメージだったので、能條さんにもそういったイメージを抱いている方もいるかもしれません。
- あ、本当ですね! いろいろ舞台で演じてきた役を思い出したら、たしかに全部勇ましい感じです。
- もしかしたら、能條さんのハマり役なのかもしれないですね。
- そうだったらうれしいです!(笑)
アンシーとのシーンでは、女性にキュンとしてもらいたい
- 先ほど、アニメを見て不安が少なくなったとおっしゃっていましたが、お稽古でウテナと向き合ってみていかがですか?
- まだ稽古の序盤(※取材が行われたのは2月上旬)なんですけど、やっていてそんなに違和感はないというか。逆に、アンシーみたいなミステリアスなお姫様タイプのほうが難しそうだなと感じています。
- 舞台『16人のプリンシパル』にご出演していた際、男性の役を演じるにあたり、紫吹 淳さんの男役をイメージされていたとのことですが、そういった部分が今回のウテナ役にも通じたり…?
- 『プリンシパル』のときは完全な男役だったこともあって、憧れだった紫吹さんの男役姿をイメージしましたが、ウテナは女の子。完全な男らしさを出してしまうと、きっとまったく違って見えてしまうと思うので、男っぽくなりすぎず女の子っぽくなりすぎずを表現したいと考えています。
- ウテナの立ち居振る舞いや言動がカッコいいのはもちろん、アンシーとのシーンや決闘シーンはウテナのカッコよさがより引き立つ部分だと思います。
- アンシーに対してウテナは、「友達になろうよ」という感覚で接していますが、やっぱり見てくださるお客様からしたら、男性と女性のロマンティックなシーンのように見えますよね。ウテナ自身はそういうつもりで接しているわけじゃないけれど、そこで自然と出てしまうカッコよさというのは意識したいです。
- 王子様のウテナと、お姫様のアンシーというような見え方になりそうです。
- 男の子に見えるような仕草などで、女性にキュンとしてもらいたいなと思います。
- 決闘シーンについてはいかがでしょうか? はじめてアクションに挑戦されるのだとか。
- そうなんです。はじめてなので、「どうしよう!?」って思うこともあったのですが、ウテナは強い子で、剣さばきができるようにならないといけないので、今、稽古をしていて一番の課題ですね。
- 男顔負けの剣さばきを見せますが、そのなかで女性らしい所作の美しさとかもありそうです。
- そうなんですよね。アクション中も、ただカッコいいだけじゃないウテナの美しさは絶対にあると思います。立ち姿などを研究して、よりいい決闘シーンをお見せしたいです。