桜井日奈子、女優としての新たな挑戦――コンプレックスだった“自分の声”を自信に変える
カメラの前で見せる柔らかな笑み。桜井日奈子は、空をも飛べてしまいそうな…ふわりとした雰囲気をまとっていた。2014年、可愛すぎる“岡山の奇跡”として、一躍注目を集めた桜井。世間のイメージも、写真から感じとれる“ふんわり”としたものなのだろう。「可愛い声をイメージされることが多いんです」と、話す。吹き替え初挑戦である映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』で彼女が演じたのは、自身の正義をまっすぐに貫く、勇ましい少女の役だ。
撮影/倉橋マキ 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.甘ったるくなりすぎないよう、勇ましい少女を作り上げた
- 桜井さんは、8月4日公開の映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』のイザベラ役で、はじめての吹き替えに挑まれました。
- イザベラ役はオーディションで決まりました。彼女が登場する最初のシーンの声を録音して、ボイスサンプルを送るという形式でした。私は、もともと自分の声に自信がなかったので、合格したと聞いたときは信じられない気持ちでした。
- 声に自信がなかったんですか…?
- たぶん、いろんな方が抱く私の声のイメージは、ほわっとしていて可愛らしい声だと思うんです。でも、私は地声が低くて。以前、「意外と声が低いんだね」って言われたことがあるんですけど、それからコンプレックスに感じるようになってしまったというか…なかなか自分の声に自信が持てないでいました。
- そうだったんですね…。そういう思いのなか、吹き替えに挑まれたわけですが…。
- 試写をご覧になった方から「よかったよ」って言われたときに、すごく安心したんです…。「これでよかったんだ」と思って。コンプレックス…“負”だと思っていた自分の声が、もしかしたら“負”じゃないのかも? って思えるようになれたかなと感じます。少しは自分の声に自信が持てるようになった気がします。
- 桜井さんが演じたのは、主人公のケイド・イェーガーとともに、地球の滅亡を阻止するべく戦いに挑む、14歳の少女イザベラ。彼女の印象はいかがでしたか?
- …強い子だなという印象が強かったです。登場シーンも勇ましくてカッコよくて…14歳とは思えないくらい行動力があるなと感じました。正義感も強くて、そういう、彼女のピュアでまっすぐな部分が表現できればいいなと思っていました。
- オーディションでボイスサンプルを送ったときも、そういうところを意識されたんですか?
- 最初にサンプルを送ったときは、「14歳の少女」という意識のほうが強くて。自分の声より3、4段階くらい高くして、より少女っぽさを出して演じていました。
- そこから実際のアフレコで、作り変えていったということでしょうか?
- そうですね。「14歳の少女」ということよりも、イザベラの表情や息遣いに注目してというディレクションをいただいて。イザベラは14歳なんですけど、背伸びをしていて少女と大人の狭間にいるような雰囲気ですし、強い意志を持った子なので、声が甘ったるくなりすぎないように気をつけました。アフレコでは、勇ましく、キリッとした感じを意識していました。
- イザベラは勇ましさもありつつ、トランスフォーマーたちと交流するときは年相応の無邪気さを見せて、けっこう喜怒哀楽がハッキリしている女の子なのかなと思いました。
- たしかに、その印象はありました。だからこそ、声だけで喜怒哀楽を表現するのがすごく難しくて…。普段だったら自然と出ているような感情の起伏がマイクの前だと現れなくて…。
- 声で芝居することの難しさを感じた…?
- 立って、声だけで芝居をするってすごく難しいです。声に支障が出ない程度に、手を動かしたり、体を動かしたり工夫しましたけど、それでも何回も録り直しました。改めて、声優さんってホントにスゴいんだなって実感しましたね。
パン屋さん、アナウンサー…14歳の頃に抱いていた夢
- イザベラの声を演じるなかで、桜井さんとの共通点は見えてきましたか?
- 共通点は…勝気なところですかね。イザベラはけっこう男勝りで…たぶん負けず嫌いですよね。私も男兄弟のなかにいたので、男勝りな部分もあるかもしれないし、ずっとやってきたバスケで負けず嫌いなところは培われたかなと思います。そこはちょっと似ているかもしれないです。
- 桜井さんは14歳の頃、どんな子だったか教えてください。
- 活発でしたね。幼稚園の頃から高校3年まで、13年間ずっとバスケをやってきたので、ホントに部活少女でした。毎日部活をして、週末になったらバスケの大会に行って…、みたいな日々を送っていました。
- その頃は、どんな夢を持っていたんでしょうか?
- もう、ひたすらバスケで強くなりたいっていう思いが強かったかなと思います。私、将来の夢ってけっこうコロコロ変わるタイプで。パン屋になりたいとか、キャビンアテンダントになりたいとか、アナウンサーになりたいとか、いろんなことに目移りしていた気がします。
- それは…何がキッカケで「なりたい」って思うんでしょう?
- えー…何でしょう!?(笑) でも、パン屋は小学4年生の頃から思っていて、中学に上がったくらいでアナウンサーになりたいって言いはじめたんです。親に「アナウンサーになりたい」って言ったら「うちはお金がないからムリよ」って言われて、なぜかキャビンアテンダントになろうと思って…。
- そこから、なぜキャビンアテンンダントに…!?(笑)
- あはは! たぶん私は仕事の内容や大変さも知らずに、「アナウンサーって華やかだな」とか、「キャビンアテンダントになったら世界中に行けるな」とか、そういうことしか考えてなかったと思います(笑)。
- そのときは、芸能界への興味は持っていたのでしょうか?
- まだ持ってませんでした。アナウンサーを目指していた頃も、芸能界とアナウンサーを結びつけて考えていなかったので、全然意識はなかったですね。
「芝居をやりたい」と、心から思った舞台との出会い
- 2014年の「岡山美少女・美人コンテンスト」で美少女グランプリを獲り、“岡山の奇跡”として注目を集めました。これを機に芸能界にも入りましたが、この世界に入って、夢や目標が明確になったのは?
- ホントに最近のことですね…。昨年の舞台『それいゆ』で女優デビューをしたんですが、その舞台を経験して、もっとお芝居をやってみたいって強く思うようになったんです。これまでは、「楽しそうだから」とか、なんとなくの気持ちでやっていたような気がします。
- なんとなく…?
- CM撮影も、「このCMを機に新しい仕事が来たらいいな」とか、「こうなりたい」ということはあまり考えてなくて、ただただ、楽しいからお仕事に臨んでました。でも、舞台を経て、いろんな作品を見るようになりましたし、「私だったらどう演じるだろう…」って自分に置き換えて考えるようになりました。
- 舞台『それいゆ』で、芝居への意識が変化したんですね。
- はい。舞台『それいゆ』の現場で本格的に演技をして、“演じる”ってこんなにしんどいことなのか、って思ったんです。台本があって、セリフを覚えて、演じるっていう単純な作業ではなくて、台本の前にあるストーリーをしっかりと考える必要があって。それを1ヶ月間、演出家さんと日記をつけたりして一緒に擦り合わせていったんです。
- ただ単に、セリフを表現するわけではなくて…。
- その役のバックボーンをしっかりと理解する必要があったんです。演じる役と自分の区別がつかなくなってしまったこともありました。でも、自分が納得いくように表現できるまでのもどかしさと、それに対する興味、やりがいと…いろんな思いが入り混じって、お芝居ってすごく魅力的だなと感じるようになって。もっともっと上手になりたいって思うようになりました。
- 舞台を経て、ドラマ『そして、誰もいなくなった』、『THE LAST COP/ラストコップ』(ともに日本テレビ系)のご出演もありました。今、桜井さんが見据えるビジョンとは?
- そもそも、私はまだいろんなものが「はじめて」という現状で、これからはじめて経験することもたくさんあると思います。だからこそ、とりあえずは、その「はじめて」を全部クリアしたいです。クリアした先に、もっと見えるものがあるのかなと思うんですよね。
- 声のお仕事に関しては、今回でクリアですか?
- …初回クリアということでいいでしょうか?(笑)
- もちろん、ご覧になった方もクリアだと思うはずです(笑)。次にクリアしたいことは考えていますか?
- 主演にチャレンジしたいです。たぶん、それはもう少し先のことだと思うのですが、その役として自分が堂々と立てるまで、これからたくさんのことを積み重ねていけたらと思っています。
- 意欲にあふれていますね!
- それこそ、同年代の女優さんたちに対して、やっと焦りみたいなものを持つようになりました。「ああ、私、何をしているんだろう」、「みんなこんなに頑張っているのに、私、負けてられないよ」って。最初は「私なんか」って思っていたけれど、それは“逃げ”だと感じるようになれたので、自分も同じステージでしっかり戦っていきたいです。
オフの素顔…「ブラックコーヒーが飲めるようになりたい」
- ここからは、桜井さんのプライベートについてもおうかがいします。お忙しくされているなかでのオフの過ごし方は?
- オフはひとりでいることが多くて、ひとりで映画館に行ったり、カラオケに行ったり、散歩をしたり…。ひとりの時間が落ち着きます。
- ひとりカフェでまったりすることも?
- そうですね。喫茶店で…あまり好きじゃないけど、ブラックコーヒーを飲んでみたり…。
- 好きじゃないけど、ブラックコーヒーを頼むんですか…!?
- ブラックコーヒーを飲める人ってすごくオシャレじゃないですか? ブラックコーヒーを「おいしい」って感じるようになりたいんです! オシャレな人って思われたい!(笑) だからこそ、あまり好きじゃないけどブラックコーヒーを頼んで、コーヒーに慣れようとしているところです(笑)。
- そうだったんですね(笑)。今は、上京されて2年目に入ったそうですが、まだまだ東京でもいろんなところに行きたい時期じゃないかなと思います。
- そうなんですよね。このあいだは家族が東京に来て、浅草や上野動物園に行きました。弟とすごく仲がいいんですけど、弟とふたりで東京観光もしました。すごく楽しかったです。
- 東京で次に行きたいところはありますか?
- やっぱり、まだいろんなところに興味があるんですよね。でも……そうですね、少しコアなところに行きたいです。どこかオススメのところはありませんか?(笑)
- 桜井日奈子(さくらい・ひなこ)
- 1997年4月2日生まれ。岡山県出身。O型。2014年の「岡山美少女・美人コンテンスト」で美少女グランプリを獲得し、芸能界デビュー。JR東日本の『JR SKISKI』や、『白猫プロジェクト』、『いい部屋ネット』などのCMに出演し、注目を集める。2016年の舞台『それいゆ』で女優デビュー、同年のドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)で連続ドラマ初出演を果たした。ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)に引き続き、映画『ラストコップ THE MOVIE』にも出演した。
出演作品
- 映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』
- 8月4日(金)全国ロードショー!
- http://tf-movie.jp
© 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2017 Hasbro. All Rights Reserved.
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- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2017年8月4日- 受付期間
- 2017年8月4日(金)12:00〜8月10日(木)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/8月14日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡(個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月14日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月17日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
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