黒歴史なんかない。全てが大切な宝物――Geroがニコニコ動画と駆け抜けた10年間。

アーティストがメジャーデビューするために通る道といえば、かつては路上ライブやレコード会社への持ち込みが多かっただろう。しかし、若者のあいだにもインターネットが浸透し始めた10年ほど前から、ニコニコ動画やYouTubeといった「動画サイト」をキッカケに、そのチャンスを掴む者が増えている。

ライブドアニュースでは、インターネットにルーツを持ち、その文化と共存する4組にインタビュー。自らのフィールドにインターネットを選んだ理由や、メジャーデビューまでの経緯とその後の活躍をたどった。

特集のラストとなる第4回は、Geroにインタビュー。ニコニコ動画でVOCALOIDや「歌ってみた」が流行し始めた2008年から、動画を投稿。ニコニコ動画とともに歩んできたこの10年や、同志たちへの思いを語る言葉には、“ホーム”に抱く深い愛が詰まっていた。

取材・文/照沼健太 デザイン/桜庭侑紀

「ネット文化と共存するアーティスト」特集一覧

今、「歌ってみた」黎明期のメンバーを集めた理由

黒い服に身を包んだ硬派な第一印象とは真逆に、親しみやすい関西弁でのジョークを交えながら、人懐っこい笑顔でインタビューに応えてくれたGero。最初の話題は、彼が主催するライブイベント「ちゃんげろソニック」。2013年に始まったこのイベントも今年で5回目となるが、彼を突き動かす原動力になっているものは何なのだろうか。
5月12日、お台場の野外特設会場で「ちゃんげろソニック2018」が開催されました。大成功、おめでとうございます!(※取材が行われたのは5月末) 2017年に続き、今回もフェス形式になりましたね。
じつは先に会場が決まって、そこからコンセプトを考えていったんです。いつもライブ制作をお願いしている会社さんから声をかけてもらったのですが、「最低3000人は集めないといけない」と言われて。不安だったんですけど、思い切ってやることにしました。
それだけ集まるイベントとなると、フェス形式にしないと、という流れでした。第一次チケット先行で3000くらい応募が来たので、とりあえずホッとしましたね。当日はありがたいことに、5000人くらいの方に来ていただけましたし。
今回のコンセプトは「ニコニコ動画の黎明期より歌ってみたを愛し、歌ってみたに愛された世代による、歌ってみたを愛する全ての世代のための祭典」。数々の名曲が1日限定で復活、ともうたっていましたが、このコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?
もともと「ちゃんげろソニック」は、歌い手や「弾いてみた」の人たちを集めた、バンド形式のイベントとして始まったものなんです。でも、去年の「ちゃんげろソニック2017」では幅を広げて、JAM ProjectさんやPASSPO☆さん、きただにひろしさんなど、歌い手以外の方々にも出ていただいたんです。
そうした流れも踏まえて、今年はどうしようかと相談していたところ、2018年は「歌ってみた」が10周年を迎えるということで、黎明期を支えた方々を集めたイベントにしたいと思いました。
ライブ活動や動画投稿から遠ざかってしまった方々もたくさん出演されていましたが、そうした古参の歌い手や少し前の曲を、今のファンにも知ってほしいという思いがあったのでしょうか?
はい。最近の曲しか聴いていない人たちにも、昔こんな人たちがいたということを知ってほしかったんです。でも、それと同時に「昔の人たちだけで騒ぐのは違うのかな」とも思って。黎明期の方々やそのファンの皆さんを集めると同時に、最近のカッコいい曲も聴いてほしいという思いもありました。
いつぐらいから準備を始めていたんですか?
半年前くらいから本格的に動き出していましたね。2017年11月にライブツアーが終わって、コンセプトが決まったのが年末くらいかな。そこからお声がけさせていただいて。
そうして、黎明期の方々をここまで集めたんですね。
大変でした! 全部僕が連絡したんですよ。まず共通の知り合いに頼み込んだりして、LINEのグループ通話で「え〜、このたびは…」みたいな、かしこまった挨拶から始まって。しゃべるのも何年ぶりみたいな人が多くて、当時は敬語だったかどうかも覚えてないんですよ(笑)。だから「とりあえずガチガチの敬語でいこう」って。
久しぶりに人前に出る方もいらっしゃったと思うのですが、そういう方へのオファーは大変だったのでは?
「歌ずっとやってないから不安なんですよ」っていう方が多かったんですけど、「大丈夫ですよ〜。まだ半年ありますから練習しましょう!」って。まず、勇気づけるところから始まりましたね(笑)。
もう5年くらい人前に出てない方や、当時は金髪だったけど、今は社会人になって全然イメージが違う方なんかもいらっしゃったんですけど、当日はみんな素晴らしいパフォーマンスをしてくれて、本当に嬉しかったですね。

「音楽は、絶対に生のライブで聴くほうがいい!」

主催というと、実際イベントのどこまで関わるのでしょうか?
出演者の選定や連絡に始まり、本当に何でもやりますよ。打ち合わせの数が半端じゃなかったですね。何ヶ月も毎週打ち合わせを続けてきました。演奏曲も僕とスタッフさんで相談しながら全部決めましたし、どの曲で誰と誰がコラボするのかも僕が決めました。あとはグッズも、担当スタッフの方々を中心に考えてもらう中で、作ってほしいものやイメージをお伝えしました。
グッズもGeroさんが関わっているんですね。
はい。さすがに値段なんかはプロの方に決めてもらいましたけど。「とりあえず1000円にしよう!」とか言って、赤字になっても困るんで(笑)。他には全出演者のイラストを、人気イラストレーターの秋赤音さんにお願いして描いてもらったり、コラボフードメニューにも関わりました。僕はうどんが好きで『うどん』という曲を歌っているので、「ちゃんげろ釜玉うどん」というメニューを作ったり。
絶妙な名前のメニューですね(笑)。
(笑)。あとは『Mind Craft』という「ちゃんげろソニック2018」のテーマ曲を作ったのですが、参加者25人の歌詞への振り分けもやりましたね。「これだとひとりだけ歌うところが多くなっちゃうな」なんて言いながら、4時間くらいかかりましたよ。エクセルで表を作って、それぞれに割り振っていきました。
とても地道な作業ですね…! もともとそういう作業がお好きなんですか?
苦ではないですね。それに自分の主催イベントのテーマソングですから、興奮しながらやりましたよ。まあ、毎日やれと言われたら、今すぐ音楽を辞めますけどね(笑)。
(笑)。でも今お話を伺っただけでも、主催の仕事は大変そうです。それでも続けてきたのは、やはりそれだけイベントへの思いが強いからでしょうか?
イベントというよりも、ライブ自体がすごく好きなんですよ。僕は中学生のときから本当にいろんなライブを観に行っていて。それこそ近所のお兄ちゃんのライブから世界のモンスターバンドまで、大音量で音楽を聴くのがずっと好きなんです。
「歌ってみた」などのファンには、ライブに行ったことのない人も多い印象がありますが。
そうですね。今ではスマートフォンやPCで音楽を聴くのが主流になっていますが、「絶対に生のライブで聴くほうがいい!」と僕は思っているんです。耳だけじゃなく、体にもドカーンと来ますからね。そういう場は一生なくならないと考えているし、僕はステージに立つのも大好きなので、自分でも積極的に作り続けたいんですよ。
CDが売れなくなった現在では、アーティストが活動を続けていくためには、いかにライブで集客するかが課題とも言われています。
そうですね。でも、スマートフォンや配信の普及で音楽が身近になっているのは良いことですし、まず無料で聴いていただいて、気になったらライブへっていうのは時代に合った方法だと思います。ゲームアプリだってそうじゃないですか。最初は無課金で、「面白かったら課金してね」っていう。

もう二度と見られない、観客5000人のためだけの景色

改めて、「ちゃんげろソニック2018」はいかがでしたか?
とにかく楽しかったですね。こういう言い方は変かもしれませんが、ちゃんと「フェス」だったんです。だって、俺らの翌日には、同じステージでKICK THE CAN CREWさんとかBRAHMANさんがやるんですよ。そんな大きな会場にインターネットが好きな人たちが5000人集まって、オープニングのDJから本編の50曲まで、ずっとみんなで盛り上がり続けたんですから、スゴかったですよ。
ファンからの反応はいかがでしたか?
お客さんからTwitterで要望などをいただくかと思ったのですが、1件もクレームがなくてビックリしましたね。「とにかくヤバかった!」と喜んでくださる方が多くて、人によっては「伝説だ」とまで言ってくれて。満足度はえげつないくらい良かったんじゃないかと思いますね。
そうした高い満足度の理由はどこにあると分析されていますか?
やっぱり二度と集まらないメンツというのが大きいと思います。ニコニコで最初にユニットを組んで、2回だけライブをして活動休止してしまった伝説のグループ、「PointFive(.5)」にも7年ぶりに復活してもらえました。
彼らを始め出演者は顔出ししてない人たちばっかりだったから、まず映像化もできないし、今後このメンバーが集まることはもう二度とないと思うくらいのメンツだったんです。
【編集部注】
※PointFive(.5)…2010年7月にデビューを果たし、2011年10月に活動休止した「2.5次元イケメンボーカルユニット」。メンバーは、蛇足、clear、amu、みーちゃん、あさまる。
その場にいたからこそ体験できるものがあったというのは、ライブとしては理想的な形かもしれないですね。
そうですね。来てくれた5000人しか見れない景色があって、そこを喜んでくれるコメントも多かったんです。「自分が客だったら、誰が出たら楽しいやろなぁ…」ということを考えていたので、それを高く評価してもらえたのは嬉しかったですね。
主催者として、他にはどんなことを心がけていましたか?
僕はお客さんだけじゃなく、演者さんの満足度もすごく考えていました。だって、演者さんが不満タラタラでやってたら、絶対に良いライブにならないですからね。だから「何かあったら何でも言ってください。全部相談に乗ります!」とお伝えして、できるだけ気持ちよくステージに立っていただけるように頑張りました。
イベント後、ファンだけではなく演者の皆さんからも、たくさんツイートでお礼が届いていましたね。
久しぶりにステージに立つのが不安だった、ということの裏返しでもあると思います(笑)。イベント終了後、楽屋で乾杯したときに、「またあったら絶対呼んでください!」ってたくさん言ってもらえました。僕としては、これを機会にまた皆さんに活動をしていってほしいですね。

YouTubeに投稿していたら、「Gero」とは名乗らない(笑)

2008年からニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリに投稿を始めて人気を集め、ライブ活動やドラマ主題歌への参加を経て、2013年にメジャーデビュー。しかしGeroはメジャーデビュー後も、精力的に動画投稿を続けている。そこには、ニコニコ動画への強い思い入れがあった。
動画投稿を始めた頃、「これをキッカケにプロになりたい!」という思いは抱かれていましたか?
全然ないですね。ニコニコ動画って当時はアングラなサイトでしたし、コミケでCDを販売しようとしただけで、「金とるのか!」と大炎上した時代でしたから(笑)。absorbさんの『桜ノ雨』も、今では卒業式で歌われるような名曲ですが、メジャーでリリースするとなったとたんに、またドカーンと大炎上。「この守銭奴!」みたいな罵倒が飛び交っていて、「俺はこんな怖いことはしないでおこう…」って思ってました(笑)。
時代は変わりましたね。
今はCD出すのが当たり前っていうか、むしろ「CD出してください!」って言われるくらいですからね(笑)。
そうした流れが変わり始めたと感じたのは、いつ頃からですか?
2009年頃から「CDを出すので1曲参加してくれませんか?」と、いろんな会社の方からオファーされるようになりましたね。ただ、これでご飯を食べられるようになるとは思っていませんでした。当時のニコニコ動画には、今みたいに再生数に応じて収入が得られる制度もありませんでしたし。
「歌ってみた」やボカロが大人気になった2009年頃にたくさんの歌い手が誕生。その中でずっと活動していくのは簡単なことではないと思います。10年近く活動を続けてきたことに関して、ご自身ではどう考えていますか?
野球選手がずっと素振りをするように、楽しいからやってるだけですね。テレビやラジオといろいろやらせてもらいましたけど、ぶっちぎりで面白いのは動画投稿なんです。
それはどうしてですか?
たとえばテレビって「じゃあGeroさん、台本はこれで! カメラはここで、何歩動いたらこっちを見て! 一口食べたら感想をお願いします! 3、2、1」…緊張するじゃないですか!(笑) 毎週胃が爆発しそうでしたからね。それに比べて、動画投稿はひたすらに気楽で楽しいですよ。
Geroさんは今でもニコニコ動画に投稿を続けていますが、YouTubeなど他の動画サイトにはない良い部分はどこだと思いますか?
そうですねぇ…、(少し考えてから)もし最初に動画をアップしたのがYouTubeだったら、少なくともGeroって名前にはしてないですね!(笑) もっとカッコいい名前にしてたと思います。僕が投稿し始めた頃って、ニコニコ動画はアングラなサイトだったので、へりくだった名前でちょうどよかったんです。へりくだりすぎなんですけど(笑)。
たしかに、そういうカルチャーはありましたね(笑)。
でも、そうした雰囲気も魅力ですよね。のびのびできるっていう。
どういうときにニコニコ動画を好きだと感じますか?
やっぱり褒めてくれる人がいるときですかね(笑)。よく、「私は叩きコメントも嬉しいんです」っていうアーティストさんもいますけど、僕は全部褒めてほしいんですよ! 気軽に投稿して、それを褒めてもらえたら最高じゃないですか(笑)。

顔も知らない間柄から…ニコニコ動画で出会った仲間との絆

今では動画サイトへの投稿がキッカケとなってデビューする人も多いですが、こういった現状をどのように見ていますか?
すごく効率が良いですよね。さっきもニコニコ動画の魅力は気楽なところだと言いましたけど、「歌ってみた」は自分の家でリラックスして録れるのに、一度に何万人にも届けられて、みんなが「カッコいい」って褒めてくれる。それが最高ですね(笑)。
あと、昔はテレビ番組でトップ10にランクインしているようなアーティストしか知らないのが当たり前だったと思うんですけど、今ではYouTubeでもニコニコ動画でも、調べればいくらでも新しいアーティストを知ることができますからね。
便利な時代ですよね。
僕だってそういうアーティストとの出会いがありますからね。台湾のバンドでGreen!Eyesっていうめちゃくちゃ好きなバンドがいて、ずっとハマってる曲があるんですよ! 俺的には何千万回も再生されてていいくらいなんですけど、数万回しかない…(笑)。でも、それくらい自分の好きなアーティストを探せる良い環境だと思います。
米津玄師さんなど、「ニコニコ動画出身」として活躍しているアーティストもたくさんいますよね。そうした方々に対してライバル意識はありますか?
いや、ライバル意識は全くないですね。米津さんなんて、もはや日本を代表するシンガーソングライターじゃないですか! 僕的には星野 源さんか米津さんかっていうくらいですよ。当時から天才だと言われてましたけど、そのままトップスターになって本当にスゴいですよね。
Gomさんを初めとするHoneyWorksの皆さんとも、ずっと交流が続いていますよね。
最初は顔もどこに住んでいるのかも知らなかったのに、いまだに一緒にやれているというのが嬉しいですね。飲みに行ったりもしますし、この前はGomちゃんとブルーノ・マーズのライブを観に行きましたよ。
天月-あまつき-さんのように、数年前から動画投稿を始めて今やエースと呼べる世代とも親交のあるGeroさんですが、「後輩」である彼らについて「先輩」としてどう思っていますか?
いやいや、同じ事務所でもないので、後輩って言っていいのかわからないですけど…(笑)。でも、めいちゃんは中学生の頃に僕の動画を観ていて、大人になってから「すごく好きです」って言ってくれてコラボしたんですよ。それで仲良くなって、今も「一緒に一軒家借りて住むか!」って話をしてるくらいです(笑)。
めいちゃんみたいに僕たちの動画を観て、大人になってから一緒に歌ったり、それこそイベント制作の会社に入って仕事をくれたりっていうこともあるし。10年の歴史はスゴいなと思いますね。
「最初は大変だったけど、俺たちが切り開いたんだぞ」みたいな思いは?
全然! そんな調子乗ったことは思ってないですよ(笑)。たまたまニコニコ動画という遊び場を見つけて遊んでいたら、周りの人が入ってきたり、視聴者の人たちがいたりしたってだけで。わちゃわちゃ楽しんでいただけです。
でも、「尊敬してます」って言ってもらえたりするんですけど、そんな人たちの歌が死ぬほど上手かったりするので大変ですよ。「こっちも頑張らないとな」って。
次から次へと才能が出てくる、と。
今はまだ始まったばかりですけど、これが30年とか40年経ったらどうなってるんやろな…。もしかしたら将来的には記念館みたいなところに、校長室の歴代校長みたいな感じで、Gomさんやhalyosyさんの写真が貼られるんじゃないかと(笑)。「こんなおじさんいたんだー」って。
なるかもしれませんよ。「これが最初にコラボのオファーをしたときのメールです」みたいに飾られたり。
「へぇー、頭悪そうな文章ー」って言われたりね!(笑)

思わぬ形でJAM Projectと共演。いちばん幸せだった瞬間

メジャーデビューしてアーティスト活動5周年とのことですが、あっという間でしょうか? それとも「やっと5年か…」という気持ちですか?
あっという間ですね。走り続けてきたので。そして25歳くらいから時間の加速のしかたが速すぎますね。年を重ねるごとに1年が短くて、もうすぐ6月ですけど「あけましておめでとう」って言ったのおとといじゃなかった?ってくらい(笑)。
この5年間で、いちばん幸せだった瞬間はいつでしょうか?
JAM Projectのライブに、福山芳樹さんの代役で出させてもらったときは打ち震えましたね。兵庫県の尼崎に住んでいた頃から、武道館へ観に行っていたんです。だから緊張でずっと胃液が出ていて…(笑)。今でこそ一緒にお仕事させていただいていますけど、それはもう特別な経験でした。
逆に辛かった瞬間は?
デビューしたての頃ですね。木曜から日曜まで毎日ライブして、月曜に喉ガラガラの状態で帰ってきて、火曜にラジオで生放送して、それが終わったらタクシーでゲーム会社に行って、入った瞬間にピンマイクつけてMCで4時間くらいしゃべり、次の日に『めざましテレビ』(フジテレビ系)に出るっていう…。
それは壮絶なスケジュールですね…。
「死んじゃう!」と思っていましたね。でも、そのときから「これは若いうちにしかできない」と感じていたので、良い経験になりました。そこでいろんなお仕事をさせていただいて、人としての幅が広がったと思います。それに、忙しいのも楽しかったりしますからね。「俺忙しい〜!」って言えるし。デビューしたてのアーティストはそれをカッコいいと思ってるから、「忙しい」って言いがちっていう(笑)。
そもそもインディーズの頃から全国ツアーを開催したり、ドラマ主題歌を担当したりされていましたが、そこからメジャーデビューした理由は?
いやー、メジャーデビューできるような実力じゃないと思っていたので、2年くらいお断りしていたんですよ。今はいろんな歌い手さんやボカロPさんが成功されて、素人からメジャーデビューしたらどうなるのかイメージがつくじゃないですか? でも、当時はそんな人がいなかったので、「どうなるんや俺たち…。ただ動画投稿してただけやで?」って思ってたんですよ。
でもあるときに考えが変わった、と。
…「デビュー」って言葉、カッコよくないですか?(キリッ)
(笑)。
「え、俺らも“デビュー”していいんすか?」って(笑)。2012年のツアーファイナルに何社か来ていただいて、今のレコード会社とお仕事させていただくことになったんです。影山ヒロノブさんを初めアニソンが好きでよく聴いていたので、映像作品に自分の歌が乗るということに強烈な憧れがあって。夢が叶いました。

ベストアルバムは、これから僕を知ってくれる人にも届けたい

8月8日には、ベストアルバム『Gero The Best “Treasure”』をリリース。5周年のタイミングでベストアルバムを出そうと決断した経緯は?
もともとどこかで出そうって話はしていたのですが、5年活動して自分でもアーティストとして1周したような感じはしていて、名刺がわりの1枚を作りたいと思ったんです。Geroという名前は知ってるけど聴いたことがない、という方に届くようなアルバムを出せればいいなと。
ベストアルバムは出さない主義のアーティストもいますが、Geroさんにとって「ベストアルバム」とはどういう存在でしょうか?
え、そうなんですか? 僕も出さないほうがいいんですかね(笑)。いや、でも僕はベストアルバム大好き人間なんで。それこそ海外のアーティストとか、アルバムが多すぎて何から聴いていいかわからないときはベストを買っていたので、全然賛成派ですね。
タイトルへのこだわりについても教えてください。
サブタイトルに「Best」と入っているところですね。僕はベストアルバムには、ちゃんとベストアルバムだとわかるように「Best」って入れてほしいんですよ!(笑)
「treasure」は「宝物」という意味ですが、「大切な人」っていう意味もあるらしくて、いつも応援してくれてる人にも贈りたいし、これから知ってくれる人にも贈りたいという思いも込めています。
ファンへの贈り物でもあるんですね。
ずっと僕のことを応援してくれた方は、そのときの自分を思い出しながら5年分の曲を聴いてくれたら嬉しいですね。昔のバラードを聴いて「このとき好きな子いたな」とか、「失恋してたな」とか思い出して、ノスタルジックな気持ちになったりするじゃないですか。
そういうのを感じながら聴いてほしいなと思っています。新曲も入りますし、限定盤には去年のツアーファイナルDVDや、「歌ってみた」を新録したCDなんかもあります。
どんな曲を入れる予定ですか?
前に歌ったことのある曲も入れる予定です。5年経ったら歌い方も変わっているでしょうし、いろんな表情を見ていただけたら。他の人から見たら「お前これ黒歴史じゃん!」と思うかもしれないんですけど(笑)、僕からしたら全て大切な宝物ですから。これをキッカケに、また「歌ってみた」動画を観ようと思ってもらえるとありがたいです。
Gero(げろ)
1986年1月23日生まれ。兵庫県出身。A型。2008年からニコニコ動画に「歌ってみた」動画を投稿して人気を集め、2013年にアニメ『BROTHERS CONFLICT』の主題歌にもなった『BELOVED×SURVIVAL』でメジャーデビュー。ライブ活動も精力的に行っており、毎年バンドを引き連れて全国ツアーを開催する一方で、2013年からライブイベント「ちゃんげろソニック」も主催している。2018年8月8日に、ベストアルバム『Gero The Best “Treasure”』をリリース。9月1日から「Gero Live 2018 “Treasure Tour”」の開催が決定している。

CD情報

ベストアルバム『Gero The Best “Treasure”』
8月8日(水)リリース!

初回限定盤A(CD+DVD)
¥3,500+税
初回限定盤B(CD+特典CD)
¥3,500+税
通常盤(CD)
¥2,500+税

サイン入り色紙プレゼント

今回インタビューをさせていただいた、Geroさんのサイン入り色紙を抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2018年6月25日(月)18:00〜7月1日(日)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/7月2日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月2日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月5日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。