人の力を借りるのは、恥ずかしいことでもなんでもない

素敵なお仕事をたくさんされて、生き生きと輝く女性というイメージがある竹内さん。女性はどうしても、結婚や出産などのライフステージの変化が、仕事やプライベートに影響しがちですが、竹内さんもそういう悩みに直面されたことはありますか?
ありますね。たとえば子どもを産んで現場に復帰するまでのブランクについて心配したり、ブランクができる怖さもあったし。できるだけ早く復帰したいけれど、子どもも大事だしっていう葛藤もあった。シッターさんを探すとか、保育園が見つかるかなとか……すっごい大変だったんですよ。
それは、仕事と家庭を両立させている、多くの女性が悩むことですよね。経験からどのようなことを学びましたか?
借りられるものは、どんな手でも借りようってことですかね(笑)。
周りの人の?
はい。ひとりで頑張ればなんとかなるかと思ったら、ならないんだなっていうのを、全身で感じましたね。不眠不休みたいな。そういうときって、人の力を借りるというのは恥ずかしいことでもなんでもなくて、状態を維持するために、助けてくれる人にはどんどん甘えていいんだって。
それまでは、他人の手を借りずにやるほうだったんですか?
そうですね。できないのは自分の頑張りが足りないだけだって、仕事を始めてすぐのときは思っていたんです。人の手を借りず、自分ひとりでなんでもできるようになりたいって気持ちのほうが強かったのかも。だけど、やっぱりそれだけじゃ無理なんだなって。
すべてのことを完璧にしたいタイプでしょうか?
できれば完璧にしたいですよね。人に見られる職業だから、ちょっとしたことでもしっかりしなきゃって。だけど、そう思えば思うほど、しっかりしていない自分がなんか悲しくなってしまうので、あまり完璧は求めないようにしようと思ってます。完璧でいたいけど、やっぱり無理だわって(笑)。
女優として忙しい毎日を送っていらっしゃいますが、仕事とプライベートの切り替えはどうしていますか?
切り替えとなると、なかば強制的かな。自宅で台詞を覚えたり、どうしても持ち帰り残業みたいなことはあるんですが。仕事が終わって買いものして、「さぁ、ごはん作るぞー」「ただいま」って言った瞬間から、勝手に切り替わっちゃうんですよね。
自然と切り替えができているんですね。
仕事をしているときの時間の使い方と、うちに帰ってからの時間の使い方は、全然違いますからね。仕事で忙しくしているときに使う体力ではない、別の体の使い方をしている気がします。
お話をうかがっていると、お仕事以外の時間も大切にしている印象を受けます。
ここ最近はとくにですけど、春と夏と冬はお休みをとって、どこかに遊びに行こうと思っています。休暇を楽しみたいから、仕事も頑張れるってとこですかね。休暇を“自分へのごほうび”にしてます。それが、仕事に対してのモチベーションになったりもしますしね。
旅行はお好きなんですか?
好きです。飛行機とか新幹線とか、乗りものを使って自分の生活圏から離れれば離れるほど、日常から飛び出した感じがするんですよね。
ちなみに、旅行先はどうやって決めているんでしょう?
私のモットーは“夏は海、冬は山”ですかね。夏に休みがとれなかったときは、夏を取り戻しに南半球へ行こう!という冬休みがあったり。場所も大事ですけど、「ロマンスカーに乗ろう」とか、「新幹線はやぶさに乗ろう」とか、どうやって移動するかも楽しんでますね。

不安を乗り越えるための「ド底辺までマイナス思考」

ご自身のペースを保ちながらも、コンスタントに仕事を積み重ねられているのは、スタッフや共演者に「また一緒に仕事をしたい!」と思わせる魅力が竹内さんにあるからだと思います。竹内さん流のコミュニケーションの秘訣があれば教えてください。
みなさんが受け入れてくださるから、それだけです(笑)。横並びで座って、おやつとか交換したりしますね。
初対面の人とはどうですか?
基本的には相手の出方を伺うほうです。自分からどんどん積極的に話しかけにいったほうがいいとは思いますけど、相手にもその人なりのペースがあると思っているので、なんでもかんでも真正面から突っ込もうとはしません(笑)。
どうやって打ち解けていくんでしょうか?
無理しない。みんなそれぞれに、相手と打ち解けたいとか、いい空気でありたいという気持ちを持っていると思うので。だから、お互いに無理しないって思えば、きっとうまくいくと。
なるほど。勉強になります。
それぞれ個性というものがあるので、自分から働きかけていくのが得意っていう人もいるし。私みたいに、相手の出方をちょっと見てから動くっていう人もいるだろうし。思っていることが一緒であれば、なんとかなるんじゃないかなっていう考えですね。ものを渡したりとか挨拶するだけでもいいし、ちょっとしたきっかけで、少しずつ距離を縮めていければいいと思って、人と接しています。
これまでのキャリアの中で、仕事を続けていくことへの不安を感じたこともあると思いますが、どのように乗り越えていったのでしょうか?
私はド底辺まで、自分のマイナス思考を突き詰めていくんですよ。基本、マイナス思考ですね(笑)。なんですけど、誰かが「想像しうるリスクは、回避できるリスク」だと。「まさかこんなことが起きたらどうしよう」と、最悪のパターンをずっと考えてしまうんだけど、よくよく考えたら、「こんなひどいことなんか、まず起きない」と思って開き直ることができる。これ以上ひどいことなんか、きっと起きないって。
マイナス思考からのプラスへの変換ですね。
あとは、笑えなくなったらその原因になっているものを全部捨てようとは思っています。仮にお腹が痛くても、ちょっと作り笑いとかしてみて「あ、イケる、まだ大丈夫」みたいに確認するんです。それすらもできなくなったら、今持ってるものは捨てていいって、決めています。
そこまでになったら、捨てることが自分のためになると。
そう。たぶん、「笑えない、食べられない」って末期だと思うんですよね。そしたら捨てる。それと、誰かに意見を求める。行き詰まった状態のままでいるより、視界が開けたり物事が解決したりすることが多いから。
20代や30代前半と違って、お仕事の上でも30代後半はより経験値も上がっていますよね。働く女性として、どんな変化を感じていますか?
どんどん無理しなくなってきている気がします。体力的に無理ができないっていうのもあるけど(笑)。人付き合いとかもそうですね。自分が頑張ればなんとかなるって思っていたことが、違うんだと知ったことで、逆に楽になりました。
いい具合で、力が抜けてきたと。
20代の頃は無理して趣味を探したりしたけど、全然続かないこともあって。クラブについていってみたけど、しんどいとか。やってはみたけど、結局自分に合う合わないとかって、わからなかったから。でも、そこから自分を知る機会を得られたのかなって。
今は、いろいろチャレンジしてみた中から、自分に合うものを取捨選択して深める感じでしょうか?
きっとこれから、そうなっていくと思います。まだわからないこととか、知らないこともあるから、いろいろやってみたいですね。
20代の働く女性にアドバイスをするとしたら?
とにかく好きなことをなんでもやって、楽しんで!って思います。その中から、自分で選択していくんじゃないかな。「これだったらできそう」「続けられそう」とか。いいなぁ(笑)。戻りたいとは思わないけど、私もいっぱい遊ぼうって思います。
竹内結子(たけうち・ゆうこ)
1980年4月1日生まれ。埼玉県出身。A型。1996年に女優デビュー。1999年にNHK連続テレビ小説『あすか』のヒロイン役で注目を集める。映画『黄泉がえり』、『いま、会いにゆきます』、『春の雪』、『サイドカーに犬』では、それぞれ数々の映画賞で主演女優賞を受賞。近年の主な映画出演作に『ストロベリーナイト』、『残穢−住んではいけない部屋−』、『クリーピー 偽りの隣人』など。主なドラマ出演作に『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)、NHK大河ドラマ『真田丸』、『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)、『イノセント・デイズ』(WOWOW)など。

出演作品

『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』
4月27日よりHuluにて配信&世界19ヶ国同日放送中
https://www.happyon.jp/static/miss-sherlock/

©2018 HJ HOLDINGS, INC & HBO PACIFIC PARTNERS, V.O.F

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応募方法
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受付期間
2018年5月14日(月)12:00〜5月20日(日)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/5月21日(月)
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  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから5月21日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき5月24日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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