アップルのiPhone 5s、iPhone 5c、GoogleのNexus 5などSIMロックがかかっていないSIMフリースマートフォン(スマホ)が国内でも発売されました。

SIMフリースマホは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者の格安なSIMカード(通信プラン)を利用して通信費を安く抑えられると注目されていますが、MVNOや格安SIMカードのことをよく知らないという人も多いのが現状です。

よくわからずに手を出して失敗してしまったということがないように、格安な通信プランについて、おさらいをしておきましょう。


現在、月額980円や1,980円など格安な通信プランは、MVNOと呼ばれる仮想移動体通信事業者から提供されています。MVNOは、自社で通信回線網を保持しておらず、MNO(Mobile Network Operator)と呼ばれる移動体通信事業者から回線を借り受けて提供しています。MNOは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、ウィルコムとなります。

日本におけるMVNOの草分けは、日本通信 b-mobileで2001年にDDIポケット(現ウィルコム)のPHS網を借り受けてスタートしています。その後、2008年NTTドコモのFOMA回線、そして現在のLTE回線の提供に至っています。現在では、b-mobileに続き、IIJ、OCN(NTTコミュニネーションズ)、So-net、BIGLOBE、楽天など、多くの企業がMVNOとして参入しています。


MNOとMVNOの関係が理解できれば、回線を借り受けているMVNOの利用料金の方が高くなるように思いますが、なぜMVNOはMNOの通信プランより安くできるのでしょうか?

それはMNOとは異なる通信量のプランを提供しているからです。

現時点でMNOが提供するプランは、大量に通信を利用しても対応できる最大5GB〜7GBまでというプランが主流です。「つなぎ放題」や「フラット」というプランは、利用量を気にせず4,000〜6,000円程度で使い放題ですよ、というものです。

一方、MVNOで提供されている通信プランの多くは、音声通話やデータ通信のみだったり、一か月の通信量が1〜3GB未満だったりと、機能や通信量が少なめに設定されています。

それなりに使うけれど、MNOの使い放題ほど必要はないという人は、MVNOを利用すると月額料金が安くなるということです。事実、MNOでも、7GBの上限に達するユーザーは一部と公言しており、この7GB制限は一部のユーザーに対応するための上限となっています。

○MVNOサービスの主な制限
1〜3日で250MB〜500MBまで
一か月で1GB〜3GBまで
テザリング不可

このように、MVNOの通信プランは、どちらかと言えば、現状MNOが用意していないライトな通信プランを提供しているため、その範囲内でうまく利用できるユーザーは安くなるという認識でよいでしょう。

MVNOのサービスで失敗しないようにするためには、主な制限をしっかり理解することが必要です。

また、一か月の通信量が3GB未満というと不安になるかもしれませんが、毎月の通信量はMNO各社で確認できますので、導入前にどれくらい使っているか、無線LAN(Wi-Fi)と切り替えて通信量を抑えることが可能かどうかなどを確認しておくことも大切です。

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