11日に中国で初公開を迎えたクエンティン・タランティーノ監督最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』の上映が、初日からキャンセルされてしまったとDeadline.comほか各メディアが報じた。

 タランティーノ監督初の中国上映作品として公開を迎えた『ジャンゴ』だが、初日にして上映が中止された。場所によっては、たった1分だけ上映された劇場もあったという。本作を配給する米ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの広報担当者は「同国の上映スケジュールから『ジャンゴ』が外されたのは、非常に残念な出来事です。現在、上映予定を組み直すことができないか、中国当局に働きかけています」と同サイトにコメントしている。

 中国当局による検閲で、血しぶきの量を減らすなど、暴力シーンに修正が加えられたことが明かされている『ジャンゴ』だが、内部関係者が語ったところでは、急きょ劇中のヌード表現が問題視されたことが、今回のキャンセルにつながったと話しているという。

 近年さらに急成長を遂げている中国の映画市場では、ハリウッド映画が中国映画を抑える人気を獲得しているともいわれ、ハリウッドにとっても重要な市場となっている。しかし一方で、中国政府傘下の企業が公開時期を仕切っていることや、厳しい検閲による本編のカットなどがしばしば問題となっている。(西村重人)