そのすぐ隣、現在は土産物屋になっている「大野屋」もまた、土佐藩士の定宿だった。

今はのどかなムードにあふれ、参拝客でにぎわう参道だが、かつては江戸幕府をたたきつぶそうと画策した勢力の中心人物とも言える高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛が激しく往来した通りでもあったのである。

3人の他にも、後藤象二郎や大久保利通、中岡慎太郎などそうそうたる幕末明治の英雄たちがこれらの宿を使っていたという。

大宰府といえば菅原道真公がいの一番に思い浮かぶだろうが、意外にもこうした偉人たちとの関わりも深い場所なのだ。

大宰府を訪れることがあるならぜひ、事前にウェブサイトなどで軽く予習しておこう。

散策がより楽しくなること請け合いだ。

また、参道を歩いたあとに立ち寄ってほしいのが九州国立博物館。

太宰府天満宮内「宝物殿」から道なりに進んだ先に設置された“アクセストンネル”を利用すれば、道に迷うこともなく楽にたどりつける。

こちらの博物館は、「日本文化の形成をアジア史的観点からとらえる」ことを軸に据えて展示を行っているのが特徴。

年間通して様々な特別展も楽しめるのがうれしい。

ちなみに、現在開催中の特別展は、「ボストン美術館 日本美術の至宝」(3月17日まで)。

4月16日からは「大ベトナム展」がスタートする予定だ。

その他、子どもも一緒に楽しめるワークショップやコンサートも随時開催しているので、詳しいスケジュールは来館前にウェブサイトでチェックしよう。

参道一帯の観光を楽しんだ後は、隣の西鉄五条駅まで移動して「大宰府政庁跡地」へどうぞ。

パワースポットとして知られるこの場所なら、一日の疲れを癒やしてたっぷりエネルギーをチャージできるので、大宰府観光の〆にもぴったり。

帰路につく前にぜひ、明日への英気を養って。