2012年11月17日(土・現地時間)、カナダはケベック州モントリオールのベル・センターでは、「UFC154 St-Pierre vs Condit」が開催された。

今大会では、昨年4月に行われたジェイク・シールズとの防衛戦以来、約1年7カ月ぶりに、王者ジョルジュ・サンピエールがオクタゴンに登場。同12月、膝前十字靭帯を負傷したGSPが長期欠場を余儀なくされた間、暫定王者に就いたカーロス・コンディットと、UFC世界ウェルター級王座統一を懸けて戦った。

ケージ際を左右に動くコンディットは、GSPの前進にヒザを合せようと突き上げる。GSPが左へ回りこもうとすると逆に動くコンディット。それでもGSPの右がヒットする。コンディットは左ジャブ、前蹴りを見せるも、GSPはパンチを見せておいて、組みつくとすぐにテイクダウンに成功する。

コンディットはラバーガードからクローズドを取り、スイープを仕掛ける。右に足を一本抜いたGSP。コンディットはワキを譲らず、殴られそうになりながらも足を戻す。すぐに一本足を抜いたGSPは、得意の上腕でプレッシャーを与えるも、コンディットはすぐに足を戻す。コンディットのハイガードに一度は立ち上がったGSPだが、すぐにガードのなかでヒザをつく。右のパウンドを伸ばすGSPは、コンディットの足が効いて攻め辛そうだが、左のエルボーで流血には追い込んだ。

コンディットが腰を切ると、その動きに合わせて正面を向くGSP、コンディットの足関狙いに立ち上がったところで、遅れて立ち上がったコンディットにパンチを狙いながら初回を戦い終えた。

2R、ワンツーから右ハイを見せたコンディットに、GSPの左ジャブが伸びる。右前蹴り、ハイキックと大きな蹴りを見せるGSPは、スイッチを織り交ぜるコンディットに構わず右ハイを蹴り込む。左ジャブが効果的なGSPだが、コンディットも右を被せ、左ハイを見せる。コンディットの跳びヒザに対し、着地したところでパンチをヒットさせたGSPは、しっかりと攻撃が見えている。

流血のコンディットのローにテイクダウンを合わせたGSPが、即ハーフになりパウンドを落す。大きな血だまりができるほど流血が酷いコンディット、懸命にクローズドガードを取るが、立ち上がる隙を与えてもらえない。立ち上がってローを蹴るGSPは、コンディットが立ち上がってくるところに、またも右を伸ばしていく。

ヒザの負傷の後遺症は全く感じられない強さをみせるGSP、左ジャブだけでなく右ストレートも多用し、精度も高い。3R、左ジャブから左ロー、流血で目が塞がりがちなコンディットに左から攻撃を仕掛けていく。

と、ワンツーが空振りし、バランスを崩したような姿勢から、コンディットが左ハイを放つ。この一発が、GSPの顔面を捉え尻もちをつく。パウンド、エルボーを受けたGSPは立ち上がるものの、ダメージはどれだけ残っているか。すると、ショートの連打からすぐにダブルレッグを決めトップを奪取する。トップは取ったが、動きは少ないGSP。ダメージの回復に努めているかのようだ。

残り2分、GSPは懸命に立ち上がろうとするコンディットに、再び左のエルボーを落とす。立ち上がったコンディットはキムラを狙うが、そのまま潰したGSPが再びトップを奪取する。スイープを仕掛けたコンディットだが、GSPはハーフで足をフックしてトップを必死にキープする。このままトップで3Rを終えたGSPだったが、このラウンドを落としたことは間違いない。

4R、サウスポーで左の蹴りを伸ばすコンディット、再びハイがGSPを捉えそうになるも、すかさずGSPはダブルレッグでテイクダウンを奪う。一度はパスしたGSPは、得意のインサイドハーフガードでコンディットを固め、パンチを落とす。ガードに戻したコンディットだが、GSPはすぐに右足を抜いてハーフへ。コンディットはいつまでも足が効く。ラバーから腕十字に移行したコンディットは、さらにヒザ十字へ。続く三角絞めを逃れたGSPはまたもハーフへ。