風間監督は常日頃「1年生が中盤に入ると(流れについてこれず)混乱してしまう場合もあるので、とりあえずは後ろをやらせてみてチームに慣れさせる」と口にしており、昨年も谷口がCBを経験。そして今年は、車屋紳太郎がその流れでCBを任される機会が多く、ここ数試合は完全にレギュラーとしてCBに固定されてきた。しかし、その彼が今節は出場停止ということもあり、どうメンバーを組んでくるか楽しみであったが、風間監督はなんと3バックを選択。

ただ、風間監督は普段の試合から「オレはね、3-5-2とか4-4-2とか4-3-3とかシステムでサッカーを考えることはしていません。あくまでもね、サッカーというのはピッチ上で選手が何を考えてプレーするかのことだから、システムは形式的なものであってあまり気にはしていない」と戦術論、システム論に素っ気ない感想を語ってくれていた風間監督が、あえて3バックという賭とも言えるプランに出てきた。






しかし、このシステムは完全に裏目となってしまう。立ち上がりこそ、チャンスを作った筑波大だが、前半5分以降は完全に沈黙。いや、沈黙というか、相手3トップ+トップ下の町田、そして左サイドバックの松本のアタックの前に防戦一方に。

3バックの利点とは、両サイドアタッカー(ウイングバック)が高い位置を取り、相手の両サイドを自陣に封じ込めることが可能となってくるが、ひとたび劣勢に回ってしまえば両サイドは最終ラインに押し込められ、全体のラインもズルズル後退してしまい、いいように相手にやられてしまう。そしてこの日の前半は、専大のやりたい放題が続いていく。

10分にCKから「影のストライカー」となりつつある栗山がヘディングで狙い、完全に決まったかと思われたが筑波大上村がゴールラインギリギリのところでカット。14分には長澤のアタックからチャンスを広げ、最後は松本がシュート。19分には町田、20分には鈴木と立て続けにシュートの雨あられを浴びせていく専大。そして23分、またも長澤のシュートからCKのチャンスを掴むと、ファーで合わせた栗山のヘディングシュートが決まってついに専大が先制。






まったくと言っていいぐらい、相手に押されっぱなしでシュートどころかチャンスも作れない筑波。5分すぎに玉城がシュートを放った以降は専大ゴール前に近寄ることすら出来ない。しかし、1点を先制されて危機感を感じたのか27分にやっとチーム2本目となるシュートを赤崎が放っていくのだが、結局筑波・前半のシュートはこの2本だけ。しかし、専大は筑波の反撃をまったく許さない。直後の28分、町田の突破からチャンスを掴み、またも長澤がシュート。これがキレイに決まって早くもリードを2点差とする。

その後も得点こそ入らなかったが、町田、仲川、長澤、下田、松本がやりたい放題で、ついに筑波大・風間監督も前半途中、それもあと2分で前半終了という時間に関わらず、再三ピンチを作る原因となってしまった右サイドの不老をベンチに下げ、FW登録の中野を同じ位置に投入。より攻撃的なサイドアタッカーを配置することで劣勢をはね除けたかった風間監督だが、その意図どおりに試合は行かず、なんと後半開始早々から交替で入った中野に代え、CBの古屋を投入し、システムも以前通りの4-2-3-1に変更。

[筑波後半システム]
ーーーーー瀬沼ーーーーー
曽我ーーー玉城ーーー赤崎
ーーー上村ー八反田ーーー
山越ー谷口ーー古屋ー田代
ーーーーー三浦ーーーーー

後半に入ってシステムを普段の形に戻した筑波。これで専大とやり合えるかと思われたが、立ち上がりはまたも専大に押し込まれまたも嫌なスタートとなってしまう。46分にいきなり長澤がシュート。ここは三浦のセーブで事なきを得たがCKのピンチは続く。そしてこのCKの場面でまたも栗山のヘッドが筑波ゴールを襲うがここは枠を捉えきれず。