今年の日本のリーグ戦は、下から上がってきたチームに勢いがある。トップリーグであるJ1はJ2優勝して昇格してきた柏レイソルがここまで首位。JFLでは地域リーグから上がってきた長野パルセイロが優勝の可能性を残したまま現在2位。そして関東大学サッカーリーグでもこれと同じように、(2部優勝を経て)昇格してきたチームが優勝争いに絡んでいる。

その名も専修大学サッカー部。

前期はリーグナンバーワン(タイ)の18得点を挙げ、攻撃力の高さを見せつけたが、その反面でリーグワースト(タイ)の18失点と、奪った得点をすべて帳消しにしてしまう守備の拙さが祟ってしまい、3勝3分3敗という成績で7位どまり。しかし、2部から昇格してきたチームの成績としは決して悪くはなく、後半戦は守備面で成長できれば化けるかも知れないと感じさせた。そして6月で前半戦が終了し、8月末の天皇杯東京都予選で再び専大を見たときには、チームが大きく変貌していたのである。






学生の部決勝で前期好調だった早稲田に勝利して、波に乗る専大は準決勝でJFLの横河武蔵野と対戦。そしてこの試合こそ、今の専大の流れを決定づける試合となった。武蔵野はベストメンバーで挑んできたのだが、そんな相手にも臆することなく専大は立ち向かい、終始ボールを支配して人もボールも動くサッカーで武蔵野を圧倒。終わってみれば専大が大量6得点を奪って圧勝。そして天皇杯出場権を賭けて町田ゼルビアとの対戦を迎えたが、ここでも一歩も引けを取らない戦いを見ていく。

Jリーグを目指す町田を相手に、120分間互角の展開を繰り広げ、ついにはPK戦まで試合はもつれることとなるのだが、最後は惜しくも敗退。結果的に天皇杯出場はならなかったが、守備面の徹底、チーム力の底上げを狙いとした夏合宿は非常に実りの多い物となり、その成果が実戦で大きくでることとなった。しかしだ、選手は格上に対して善戦しただけではまったく満足していなかった。いや、満足するどころか、「もっとやれたはず、絶対勝てたはず」と、悔しさの方をストレートに口にしていたのだが、その悔しさ、そして勝利への飽くなき執念が後半戦の躍進に結びついていく。

9月にリーグ戦が再開されてからの11試合で7勝3分1敗という好調を維持する専大。そして課題であった守備面も、後半戦はGKが朴、最終ラインが松本ー鈴木ー栗山ー北爪と固定しだしてから徐々に安定。11節順大戦から14節の駒大戦までは、これまでの専大らしく?大量得点は挙げるものの、失点も2と「打ち勝つ」試合が連続して続いたが、15節の流経大戦で3-0と完勝したあとは、20節の慶大戦でPKで与えた1失点のみに押さえ込み、守備面でも完全に覚醒した専大。

7勝3分1敗で得点は29、失点は10。前半戦の9試合で18失点していたチームが、後半は11試合で10失点と、ついに1試合平均1点を下回ることに成功。そして自慢の攻撃力は1試合平均2.63という脅威の数字を叩き出し、ついに首位の座を奪うまでに登り詰めた。2部優勝→1部昇格→そして昇格後即優勝ということすら夢では無くなった専大は、26日(土)、フクダ電子アリーナにて同勝ち点(36)で並ぶ2位筑波大との大一番を迎えたのである。

[専大スタメン]
長澤ーーー大西ーーー仲川
ーーーーー町田ーーーーー
ーーー下田ーー庄司ーーー
松本ー鈴木ーー栗山ー北爪
ーーーーーパクーーーーー

[筑波大スタメン]
ーーー瀬沼ーー赤崎ーーー
曽我ーーー玉城ーーー不老
ーーー上村ー八反田ーーー
ーー山越ー谷口ー田代ーー
ーーーーー三浦ーーーーー

まず驚かされたのが、筑波大のスタメンだった。