幼い頃、親などに連れられて、はじめて映画館で観た作品を覚えているだろうか? ネット予約など無かった時代は劇場の窓口でチケットを購入し、薄暗い劇場の座席でポップコーンやコーラを片手に、家とは比べ物にならないほど巨大なスクリーンと迫力の大音響で観た映画は、忘れられない感動を与えてくれたことだろう。

 昨年1月、『アバター』が公開から約1ヶ月で、歴代1位となる全世界での映画興行収入18億5500万ドルを突破し、『タイタニック』の記録を13年振りに更新したのは記憶に新しい。その『タイタニック』に抜かれるまで15年間に渡り、興行収入1位を記録していた作品は、今から約30年前に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督/製作による不朽の名作『E.T.』。そして本日24日、スピルバーグとJ.J.エイブラムスが初タッグを組み、全米のマスコミ/評論家から「『E.T.』以来の最高傑作!」と大絶賛されている衝撃と感動のSF超大作『SUPER 8/スーパーエイト』が日本で公開される。

 先行上映されていた限定22分間のフッテージ映像では、8ミリ映画を撮影していた6人の少年たちが偶然、列車事故に遭遇し、アメリカ軍が極秘に運んでいた“何か”をフィルムに収めてしまう場面を公開。その期待度の高さと、同作が徹底した極秘プロジェクトで進行していることから、先週18日に公開された『スカイライン―制服―』や、公開を控える『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』と『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のように、地球外生命体に人類が侵略されるといった過激な内容も予想されているが、『SUPER 8/スーパーエイト』を観た人々はなぜ一様に同作を“不朽の名作”と呼ぶのだろうか?

 同作の主役は、どこにでもいる普通の子どもたち。主人公の14歳の少年ジョーは母親を事故で亡くし、父との二人暮らしで、8ミリ映画に出演する少女アリスに密かに想いを寄せている。そのアリスも母親に愛想をつかされた父との二人暮らしで、8ミリ映画の監督を務めるチャールズの他、トラブルメーカーのケアリー、気弱なマーティン、マイペースなプレストンといった登場人物が、物語にリアリティを与えている。

 ジョーたちは、アリスが親に内緒で運転してきた車に乗り込み、事故を目撃。現場から逃げ帰った後、絶対に誰にも秘密を漏らさないことを約束するが、彼らの周りでは不可解な事件が立て続けに起き、平穏だったはずの町は姿を変え始める。全てを目撃した少年たちは、真実を探しに行くことを決意。そこに待っていたのは、忘れられない未知との出逢いだった…。

 誰もが一度は幼年期に体験したであろう、友だちとの冒険や、淡い恋。スティーブン・スピルバーグとJ.J.エイブラムスが“映画を愛する全ての人へ捧げる”と語る同作が、『E.T.』や『スタンド・バイ・ミー』と並び“不朽の名作”と称される理由は、最近の作品では感じられなくなってしまった、幼い頃に観た映画の素晴らしさを思い出させてくれる点にあるのではないだろうか。

 いち早く6月10日に公開された全米では、絶大な人気を誇るシリーズ続編『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』や『ハングオーバー2』などの競合作品を押さえて、『SUPER 8/スーパーエイト』が堂々の初登場1位を獲得。日本では、いよいよ本日24日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショーとなる。僕たちは、ひとりじゃない――。

『SUPER 8/スーパーエイト』特集 - MOVIE ENTER