イタリアサッカー連盟のスポーツ裁判所は2日、インテルFWサミュエル・エトーに対する3試合の出場停止処分を確定した。同選手は11月21日のキエーヴォ戦で、キエーヴォDFボスチャン・チェサルに頭突きを見舞い、処分を受けていた。インテルは異議を申し立てたが、3万ユーロ(約330万円)の罰金処分の撤回が認められたのみ。一方、フィオレンティーナも11月20日のミラン戦で退場処分となったDFペル・クロルドルップに対する2試合の出場停止処分に異議を申し立てていたが、こちらは認められなかった。

インテルは3日のセリエA第15節で、2位ラツィオとのアウェーマッチを迎える。チャンピオンズリーグのブレーメン戦と、続くクラブ・ワールドカップを前に、インテルにとっては今年最後のリーグ戦だ。負傷者が多く、緊急事態が続いているインテルだが、MFチアゴ・モッタが復帰したことで、ラファエル・ベニテス監督は最低限の采配を振ることができるだろう。

MFコウチーニョとFWディエゴ・ミリートが負傷で不在、FWサミュエル・エトーが出場停止のインテルは、前節のパルマ戦でDFダヴィデ・サントンを本来の役割ではない中盤で先発起用させざるを得なかった。このこともあり、ベニテス監督はセンターハーフの枚数を3枚へ増やし、攻撃陣の人数を減らすことになりそうだ。パルマ戦でゴールを挙げたMFデヤン・スタンコビッチとMFエステバン・カンビアッソ、そしてT・モッタの3人である。負傷から復帰し、招集メンバー入りしたMFサリー・ムンタリはベンチ入りすると見られる。

一方で、攻撃陣を構成するのは、MFヴェスレイ・スナイデル、FWジョナタン・ビアビアニー、FWゴラン・パンデフの3人。いまだリーグ戦でゴールを奪えていない彼らだが、その状況はそれぞれ異なる。

ここ2試合で常にベストプレーヤーの一人だったビアビアニーは、適応期間が終わった様子。スナイデルは先日、去年までなら決まっていたフリーキックが入らないと「不運」を嘆いていたが、数メートル前の位置でプレーすることで、彼も最悪の時期を乗り越えたようだ。だが、パンデフはまだ危機を脱していないようで、インテルのファンもそのミスに不満を示している。自信を取り戻すために、彼にはゴールが必要だ。

ラツィオはパンデフにとって古巣であり、その別れ方は最悪なものだった。そのラツィオとの一戦が、パンデフのターニングポイントになるだろうか?