――ジャケットは、どのように決まったんですか?

たむらぱん:もうデビューの時からいつも一緒にやってくれている、PARADOX CREATIVEという会社のデザインチームの人達に今回もお願いして、決めていきました。いつも大体どこかに意味の分からない所を入れてくれて、そういうのが好きなのも分かってくれているので。でも、一応メインで「ちゃりんこ」という感じと、春をイメージした色も入れつつ。「ハレーション」の時は「ハレバレ綿棒」を入れて、「ゼロ」の時は包み紙に歌詞を書くことで捨てにくいという嫌がらせをしたり(笑)。あって困らないけど無くてもよくない?みたいなものをやりたい、という雰囲気がいつも私にはあるので。今回も「くるくるたむらぱん」仕様という歌詞カードで、取り付けはみんなにやってもらうんですけど(笑)、輪ゴムでビヨヨーンって回転すると、残像でたむらが自転車に乗ってるようになる形なんです(笑)。

――以前から「季節モノをやりたい、極めつけはサクラだ」と話されてましたが、念願叶いましたね。

たむらぱん:言ってました。まさしくですよ!でも、サクラ系卒業ソングで、自分で「ちゃりんこ」と言いつつも、焦点がその日ではなく、人生規模な感じで書けたのは良かったかなと思ってるんですけどね。

――歌詞には「大人」という言葉が何度か出てきますが、自分が「大人」だと感じる部分はありますか?

たむらぱん:もしかしたら、とてつもなく逆行?退行?してるのかも(笑)。私の場合、今思うと大学より高校、高校より中学、中学より小学校の方がすごく思慮深い子だったというか(笑)。周りに対して自分の位置みたいなのをすごく考えていたような気がしていて、もっと器用だったような感じもしていたり。普通だったら経験を積んで器用にいける感じが、経験を積んで何も出来なくなったパターンかな?という感じもしつつ(笑)。でも多分、それはやっぱり守られている環境があったから出来ることとかがあったのかな?と思うんですけどね。だから余計、慎重になっている所はもしかしたら意外といっぱいあるかもしれないなって。

――逆に、大人になっても変わらない、この先も変わりたくないと感じることはありますか?

たむらぱん:フットワークの軽さ、みないな感じですかね(笑)。純粋に直感で思ったことをやるとか、口に出すとかって多分、昔は責任もあまり無いから好きなことを言えたことが多かったんじゃないかと思っていて。無謀なことも言うだけならいいか、みたいな感じで。「世の中にはこういうことがあるから、こういうことが出来るんだ」とか考えなくてもいいフットワークの軽さみたいなものはありますかね。あと、やっぱり想像力みたいな所は変わって欲しくないな。自分でも分からないんですけど、「もしかしたら変わってるのかな?」と思うことはありますよ(笑)。

――ふと我に返るみたいな。

たむらぱん:そうそう。

――音数が少ないせいもあるのかもしれませんが、ストリングスだけでなく自然とピアノのアレンジにも耳が行って、3曲目の「tea」のイントロとか特に。

たむらぱん:(笑)。「tea」は、ピアノのみにするかバンドっぽくするか、どっちにしようか迷っていた曲なので、ピアノのみでも割と完成度が高いというのはあるかもしれない。あと、ギターを入れてないので、役割が見えやすいというのも結構あると思いますね。

――元々、ギター出身ではないですよね。

たむらぱん:そうなんですよ。それがギターのエフェクターの楽しさを知っちゃったものだから、「あるだけ使いたい!」みたいな(笑)。

――ピアノのアレンジの面白さだったり、デビューアルバムの「ブタベスト」を彷彿とさせるような、突き抜けたポップさをすごく感じました。

たむらぱん:おぉ!ありがとうございます。