24年目の米作り。今年は、日本百名山・安達太良山を臨む大玉村。去年より田んぼを1枚増やし、5枚になった棚田で、田植えから3か月。「穂がいい状態」「結構実が入ってるぞ」
だが、よく見ると「葉っぱ食われちゃってるね」「穂もいかれてますね」その犯人は「居るね、イナゴちゃん」コイツは稲が主食、最大の天敵。
さらに、別のヤバいやつも。「匂い放つ系です」「カメムシ!」稲の粒を黒く変色させてしまうカメムシも、例年以上の大量発生。その原因「去年の暖冬で虫が越冬して増えた」
この一大事には、あの伝家の宝刀を。「作りますか、無農薬農薬」TOKIOが教わったのは、24年前、農業の師匠・明雄さんから。
ニンニク・ニラ・唐辛子など、刺激的な味や香りの材料を使うが、この2大天敵を相手に、「違う角度のスパイシー系の匂いも欲しい」とシンタロー。
その材料を古川さんに相談すると、紹介して頂いたのが「ヨコハマ会」。
そのメンバーを訪ねてみると、「旅館でカレー屋もやってます」
大玉村出身の店主の臼井さんは、進学をきっかけに横浜へ移住したが、子どもの頃に食べた大玉村のお米の美味しさが忘れられずUターン移住。大玉村の横浜からの移住者で‘横浜会'を結成。
こちらで、カレー作りの過程で使わなくなったスパイスを有り難く頂き、さらに庭に生える、罰ゲームでおなじみ、センブリとドクダミも。その苦み成分には防虫効果が期待できる。
古川さんには、ヨコハマ会にもう一人友達が。千葉清美さんは、夫の転勤で過ごした大玉村の自然や食材に惹かれ、生まれ故郷の横浜から移住。地元の生乳を使ったソフトクリームを販売。
今回頂いたのが「駐車場にワサワサ生えてる」防虫効果が期待できるミント。田んぼの畔に植え、結界を作る農家さんも。これらスパイシーな材料で、どんな無農薬農薬になるのか?
まず、センブリを茹でて苦み成分を抽出してる間に、細かく刻んだドクダミとミント、そこにニンニク・ニラ・ショウガ・トウガラシを合わせて、すり潰していく。
これを煮出したセンブリエキスの中へ。さらにシナモン、クローブ、八角、カルダモンのスパイスを投入し、酒と酢を加えて煮込む。
そこに赤紫蘇を茹でたものを加えると、「この液体はもう、なんて言えばいいんだろ…」「人体には問題ないですもんね」意を決して、テイスティングしてみると「苦っ!渋っ!辛っ!」
これを稲に霧吹きすれば、「イナゴが逃げていく」全体に満遍なく吹き付け終えたら、「めっちゃサウナ!あっつ」苗小屋に炭で熱した石を持ち込んだ即席サウナで、一時のやすらぎを。
そして、9月半ば。「(穂が)お辞儀してくれてる」「垂れてる、ぎっしり詰まってる」「イナゴ対策も(穂が)吸われてないし、葉っぱも元気だし大丈夫」
福島の仲間たちも集まったところで、「24度目の稲刈り!よろしくお願いします」まずは1枚目、新男米。「所々、分けつ少ないところあるね」「暑さもあるだろうね」
40分ほどで、稲刈り後半戦。4枚目、種を厳しく選抜したエリート・メッシは「1つの茎が太い」「全然違うわ、ハリがある」「分けつして、良い株してる」
刈り取った稲を藁で結び束ねたら「棒掛け」田んぼに打った杭を中心に井桁状に積めば、穂に満遍なく日が当たり、うま味が凝縮。天日干しされた米は、売り場でもプレミアが付く。
「これを見て秋だなって季節感を感じる」乾かすこと3週間。十分乾いた稲を「脱穀お願いしまーす」脱穀機のペダルを力強く踏むことで、効率よく粒を取りきる。
その粒(籾)は、「重た!パンプリです」「これが一年の重さだよ」粒を外す際に出た藁クズは、“箕"で粒をあおることで、中身のない軽い粒や藁クズが上に上がってくる。
籾から殻を外せば「玄米、玄米」糠に覆われた玄米はビタミンやミネラルが豊富で人気も高いが、今日は新米を味わうため「精米」「きれいな真っ白」
気になる新男米の出来は「粒は揃ってる」「色艶がいい」「割れ米もないね」さらに、メッシは「粒大きいね」「光沢が違う」「やっぱ、メッシ優秀なんだね」
これを炊く前に、新米に合うおかずの材料を。訪ねたのは、しいたけ農家の押上さん。今年7月、菌床堆肥を頂き、生育不良の田んぼに蒔いた。
夏には生えていなかったしいたけだが、「出来てるじゃないですか!」「この肉厚、さすがですね」この巨大しいたけを1kg分購入し、七輪で焼いて食べたらあとは「豚汁に」
さらに、葛尾村の吉田さんに持ってきて頂いた、福島県産のエゴマ豚のバラ肉。
「人数分、26人前の豚汁の具材を準備しました」
藤原、お世話になった仲間たちと美味しい食卓を囲むため、朝から頂いた地元の食材で下ごしらえに精を出していた。
とはいえ、豚汁は作ったことがないので、松岡の力を借りながら。まずは豚肉を炒めたら、しいたけ、ニンジン、ゴボウなどを入れ、出汁を加えて蓋をしてしばらく煮込む。
そして新米は、羽釜をカマドにセットしたら、割った薪をくべ、徐々に火力を上げていく。新米が炊けるまでの間、藤原「納豆を使った、ご飯に合うおかずを」
納豆、ネギ、キャベツ、生姜、ニンニク、豆腐を混ぜ合わせたタネを、皮で包んで「納豆餃子」もちろん26人分。その数「すげ〜な65個って」
一方、松岡はエゴマ豚を使って、得意のあの中華料理を。「小間切れを炒めます」醤油で下味をつけたら、1度取り出し「ショウガとニンニク、唐辛子。今回辛口だよ」
ここに、畑で取れたナスとピーマン。味付けの要は「豆板醤」さらに甜麺醤、オイスターソースなども加え、作っているのは「マーボー(ナス)」
豚汁の汁も加え「豚汁にはいろんな食材の甘味が入ってる」水溶き片栗粉でとろみをつけたらできあがり。
そして、新米もいい感じに炊き上がり、「24度目の新米、できあがりました!いただきます!」「今年の甘い気がするぞ」「いい粒感」
「メッシ、ちょっと餅米みたい」「やっぱ粒が大きいからか」「でも甘さないね、そこまで」「男米の方が甘いね」
と、ここで、この日来れなかったシンタローから差し入れが。
それは稲刈り後に、せめてみんなに美味しく味わってもらいたいと、シンタロー特製ごぼうの佃煮を。
さらにもう一つの佃煮。その材料は「イナゴ!」捕獲したものを下処理してもらい「昔は貴重なタンパク源だった」「(味は)エビみたい!本当に」
来年は、「(米作り)25回目」「DASH自体も30周年」「色々来年またチャレンジすることあるね」「すごいことやっちゃいましょうよ!」