藤:そうですね、今のところはしないでおこうかと。でも今回のように「本を出版した」みたいな、自分がうれしいと思ったことを親と共有できないのがちょっと残念ですね。

◆女の子はセクシー女優をキレイなものとして憧れている

――セクシー女優に関して、まだ「不幸でかわいそう」のようなイメージがありますよね。その一方で、若い女の子には自分から「セクシー女優になりたい」と応募してくる子も増えている。そのあたりの意識の違いは感じますか?

藤:どうなんでしょう。「セクシー女優だからかわいそう」みたいな風潮は薄れてきているんだろうな、とは感じますね。やっぱり今のセクシー女優は、顔はもちろん身体もキレイじゃないですか。憧れるのは、女性として普通の気持ちなのでは、と思います。

――それでは藤さんから、これからセクシー女優になろうとしている女の子に、なにかアドバイスはありますか?

藤:自分がするべきことを一生懸命になったほうがいい、と思います。セクシー女優になるとやっぱり、男の人が寄って来たり、チヤホヤされたり、いろいろあるんですよね。でもそういうところにかまけている時間があるなら、知名度を上げるために毎日Xでポストするとか、自分の仕事に真剣になるべきだと思います。

――『はだかの白鳥』には、藤さんがデビューした当時の悩みや、具体的な体験が書かれていますよね。セクシー女優になりたい女の子は、ぜひこの本を読むべきかと。

藤:ありがとうございます!第2弾の出版も考えていますので、ぜひいろいろな人に読んでもらいたいです。

◆表現することが好きだから書くことは止められない

――やっぱり「書くこと」が好きなんですか?

藤:好きですね。好きを通り越して、書かずにはいられない。昔から日記を書いて、書くことで気持ちの整理や頭の整理をしてきたのもあるので。

――表現することがお好きなんですね。書くことはもちろん、バレエやセクシー女優としての作品も表現のひとつですし。

藤:そうですね。バレエも自分の身体で表現するってところがすごし楽しい部分です。文章も、この感情を文字にするなら、どう書けば伝わるんだろう、そういうことを考えるのが、すごく好きなんです。言葉にできない気持ちをなんとか言葉にして、読んでくれる人に伝える、それが楽しいですね。

――最後に、セクシー女優として、そして表現者としての今後の目標を聞かせてください。

藤:セクシー女優としては、お仕事がある限り、人気が続く限り、できるだけ頑張りたい、上を目指したいと考えています。でもそれ以上に、私は書くことで何かを伝えられることを知ったので、今後は書く方でもいろいろと活動していきたいな、と考えています。

 noteで私の人生の連載や、事務所の女の子についても書いていますし、11月には、なぜか京都の海宝寺というお寺でのトークショーにも呼ばれました(笑)。今後はセクシー女優だけでなく、活動の幅を広げて頑張っていきたいと思っています!

<取材・文/蒼樹リュウスケ 撮影/山川修一>

【蒼樹リュウスケ】
大学在学中に成人誌出版社で編集のアルバイトを始め、そのままアダルト業界に定住。大手AVメーカーの雑誌編集部を経て、フリーライターとして独立。好きなことを書きたいと思った結果、アダルトならなんでもありな文章を書きまくる生活を送っている