藤:なかには「売名行為だ」という人もいて、それで「あ、これで知名度が上がるんだ」と気付きました(笑)。でも今となっては、炎上に参加した人も「そんな人もいたね」ってなっているでしょうから。「話題になるものは連続して作っていかないといけない」と、炎上から学びました。

――自分の本(『はだかの白鳥』)を出したのも、それがあるからですかね?

藤:はい、そうです(笑)。

セクシー女優になることが将来の「希望」に見えた

――そもそも藤さんがセクシー女優になったきっかけを教えてください。大阪大学大学院を出て、就職して研究職に。安定している状況から、なぜセクシー女優になったのですか?

藤:学生時代は研究に打ち込んで、就職して研究職になって、今までの勉強を生かせるぞ、と希望に満ち溢れていたんです。でも実際には、新しいことをしないと評価されない、でも新しい挑戦ができる環境が整っていない。そんな状況で30歳くらいになったとき、この先のことがなにも想像できなくなってしまったんです。

――転職などは考えなかった?

藤:転職も、休職して旅に出ようか、とも考えました。でも会社で働く限り、このモヤモヤは続くと考えたら、もっと私が活躍できる場所に行きたい、と思ったんです。で、その当時男性に自分のスタイルや性行為を褒めてもらえることが重なって、セクシー女優としてなら輝けるんじゃないか、と思い付きました。

――かなり振り切った結論ですね。

藤:性行為に対しては変な自信があったので、セクシー女優。安直ではあるけれど、そのときの私にとっては、それがひとつの「希望」に見えたんですよね。でももし、その瞬間にほかのものに興味があったら、また別の道に進んでいたかもしれません。だからセクシー女優になったのは、たまたまタイミングが合ったから、というだけなんですよ。

◆バレエの経験はセクシー女優としても役立っている

――バレエの道に本格的に進む、という考えはなかった?

藤:もう30歳だったし、ここからバレエは難しい、と考えてしまいました。こういうところが臆病と言うか、理屈っぽいと言うか。成功する確率の低さがわかってしまうからこそ、もう挑戦できない。セクシー女優の世界は、なにも知らない世界だからこそ、飛び込めたんだと思います。

――バレエは、自分から始めたいと言ったんですか?

藤:そうらしいです。母親は「4歳のときに友達の発表会を見に行って、その帰りにバレエをやりたいと言った」と聞いています。私は全然覚えていないんですが(笑)。

――バレエの経験がセクシー女優として役立っている部分はありますか?

藤:「股関節がやわらかい」とか「腰の反りがスゴイ」とかは、よく言われますね。それはバレエで鍛えてきたからだと思います。あと、表現の部分では「指先まで意識する」とか、キレイに見せたいと思う部分に関して、バレエの経験が生きていると思いますね。

◆両親にはセクシー女優であることは話さない

――ご両親とは、仲が良いんですね。

藤:はい、先日も実家に帰って、ホラー映画を一緒に3本見ました。お盆だったので(笑)。お墓参りもしましたし、親戚にも会いましたね。

――でもご両親は、セクシー女優の件は知らないんですよね?

藤:はい、話してはいません。ただ東京にいきなり引っ越したので、転職をしたのかな、とは思っているかもしれないですね。父は「朝の満員電車はどんなんや」なんて聞いてくるので、本当に気付いていないかもしれません(笑)。ただ母はそういう話のとき黙っているので、ひょっとしたらなにか気付いているかもしれないですね。

――自分から話すつもりはないですか?