[J1第33節]町田 1−4 川崎/10月5日/町田GIONスタジアム
アウェーで川崎が町田に4−1の快勝を収めた一戦。町田に先制を許す苦しい展開で、28分に三浦颯太のゴールで追いついた川崎だったが、同時にアクシデントにも見舞われていた。
ゴールを喜ぶ他の選手とは異なり、日本代表にも名を連ねる20歳のCB高井幸大がベンチと何やら言葉をかわしている。「筋肉系のトラブル」(鬼木達監督)で、交代を余儀なくされたのだ(その後、日本代表の辞退も発表)。
そこで高井との交代で、チームに落ち着きをもたらしたのが、今季加入した35歳の経験豊富なCB丸山祐市だった。
丸山は3月4日の4節・鹿島戦以降、怪我もあり、ピッチに立てず。9月18日のACLエリートの初戦、蔚山戦の90分に実戦復帰を果たしたばかりであった。
それだけに長い時間をプレーするのは約7か月ぶりであったが、そこは百戦錬磨の男である。
「幸大がああいう形で交代しましたが、マルくんが周囲に声をかけてくれていました。ファーストプレーのヘディングでも撥ね返してくれましたし、そういうワンプレー、ワンプレーを見せてくれました」
CBで組んだ佐々木旭が振り返ったように、丸山はその相棒の佐々木や他の選手に声をかけながら町田にとって高い壁となり続けたのだ。
【動画】川崎FW山田新の鮮やかなループ
印象的だったのは川崎が2−1で逆転して迎えた後半開始早々の姿だ。50分にエリソンが自ら得たPKを冷静に決め、チームメイトたちとゴールセレブレーションをするなか、丸山はベンチに近づき鬼木監督からの指示を受ける。
恐らくリードが2点に広がっても、より引き締めろというメッセージを受け取ったのだろう。喜びを終えて自陣に戻ってきたチームメイトたちを丸山は改めて叱咤激励し、プレスの強度をさらに高めさせた。
常に冷静で求心力のある丸山だからこそ、できた行動だと言えるのだろう。
試合終盤には久々の真剣勝負の場での疲労か、足を気にする姿もあったが、最後まで戦い抜き、4−1の快勝に貢献してみせた。
ミックスゾーンではひとしきりの質問に答え終わると、ようやくホッとしたような笑顔を向けてくれ、スタジアムを後にしたのも印象深い。
ACL、ルヴァンカップを含め、これからも厳しい連戦が続くなかで、経験値を還元できる丸山の働きはさらに重要度を増しそうだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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