[画像] 地元・町田での感慨深い一戦。オフサイドでノーゴールも川崎FW小林悠が持ち続ける想い

[J1第33節]町田 1−4 川崎/10月5日/町田GIONスタジアム

 11位の川崎がアウェーで3位の町田に快勝したゲーム、今季J1に昇格した町田の本拠地・町田GIONスタジアムで感慨深い出場を果たしたのが川崎のFW小林悠であった。

 小林といえば、2010年に入団してから川崎一筋で活躍してきたストライカーだが、町田市の出身である。

 試合前には町田などでプレーし、昨年限りで引退した長馴染みの太田宏介ともスタジアムで会話をしたという。

「宏介ともちょっと話をしていて、中学生の最後の試合をこのスタジアムで戦ったと、僕は覚えていなかったのですが、話していて、確かにと、思い出して。

 それにこのへんの公園ではよく遊んでいたので、その懐かしさはありますね。やはり感慨深さが」
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 4日前のACLエリート・光州戦で先発し、この日はベンチスタートだった小林に、出番が回ってきたのは86分。

 4−1と大きくリードしているなかでも果敢にゴールを狙い、後半アディショナルタイムには家長昭博の左からの絶妙なクロスに上手く合わせネットを揺らした。

 しかし、これはわずかにオフサイドの判定。実は前述の光州戦でもVAR判定でゴールを取り消されるなど「今季はこういう形が多いんですよね」と苦笑いを浮かべていたのが印象深い。

 今季のリーグ戦成績は22試合・1ゴール。ただ、広島戦で決めたその1点は、憧れの“カズさん”越えを果たし、歴代単独7位に躍り出るJ1通算140得点目であった。

「何回もやるしかないですね。(今日のオフサイドの場面は)ちょっと出ていたのかなと思いますが、擦り合わせていけば、そのうちきっと取れるはず。最後まで頑張ります」

 小林はゴールを認められない日々にも「俺はやり続けるだけ」と繰り返してきた。

 またひとつ思い出になるゲームを経験した魂のストライカーは、貪欲に、常にゴールを狙い続ける。

 ちなみに小林は途中出場から通算27点を挙げており、播戸竜二のJ1最多記録に並んでいる。さらなる記録を打ち出してくれる瞬間を本人とともに、多くの人も待ちわびているはずだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)